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赤髪の女勇者アンナ ~実は勇者だったので、義妹とともに旅に出ます~  作者: 木山楽斗
第八章 魔界決戦

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第135話 闇を突き破る魔法

 アンナとカルーナは、魔王と対峙している。

 アンナの呼びだした聖竜と魔王が呼びだした邪竜がぶつかり合ったが、そこで魔王が邪竜と一体化してしまった。


「いくぞ! 魔王!」

「来い!」


 アンナは魔王へと向かっていく。

 邪竜と一体化した魔王の力は、強力である。そのため、アンナ一人では対抗することができない。

 そこで、アンナはカルーナに消滅呪文(フレア)を放ってもらうことにしたのだ。今は、カルーナの魔力が練られるまでの時間を稼ぐための攻撃である。


「はああ!」

「ふん!」


 アンナの聖剣を、魔王は片手で受け止めてきた。

 鎧によって強化された魔王の体は、聖剣を通すことができない。


「喰らえ!」

「くっ!」


 その瞬間、魔王の邪剣が振るわれた。

 アンナは咄嗟に後退し、その攻撃を躱す。

 だが、魔王はアンナを追ってくる。


「邪なる闇よ! 槍になれ!」

「聖なる光よ! 槍になれ!」


 アンナと魔王は、お互いに剣を槍へと変化させた。

 中距離から攻撃するための措置である。その思考が、お互いに一致したのだ。


「はあっ!」

「ふん!」


 二人の槍が重なり合い、ぶつかり合う。

 それにより、お互いに槍が届くことはない。


「聖なる光よ! 私を守れ!」

「邪なる闇よ! 俺を守れ!」


 次に二人は、それぞれの力を展開させた。

 防御しながら、攻撃の隙を探るための手段だ。

 だが、お互いに同じタイミングだったため、どちらも意味のないものになってしまう。


「ガルアッ!」

「何!?」


 そこで、魔王の動きが変わる。

 腰を低くし、顔をアンナの方に向けてきたのだ。


「魔王技・邪なる吐息(イービル・ブレス)!」


 次の瞬間、魔王の口から闇の吐息が放たれた。

 それは、邪竜が放ったものと同じものだ。鎧に包まれており、口元は見えないが、恐らくそこから放たれたのだろう。


「くっ!」


 アンナは聖なる光を展開しているため、その攻撃を防ぐことができる。

 ただ、その攻撃により、アンナの防御は弱まっていく。


「魔王技・邪なる衝撃(イービル・ブラスト)!」

「ぐわああっ!」


 その隙に、魔王の一撃が放たれた。

 アンナの体は大きく吹き飛び、後退する。


「お姉ちゃん!」


 そこで、カルーナの声が響いた。

 その瞬間、魔王の意識はカルーナの方に集中する。それは、一瞬のことだった。

 だが、その一瞬はアンナが体勢を立て直すには充分な時間だ。


聖なる衝撃波(セイント・ショット)!」

「くっ!」


 アンナの手から聖なる光が球体を発射した。

 それに対して、魔王は邪なる闇を展開してくる。


消滅呪文フレア!」

「何!?」


 しかし、そこでカルーナから魔法が放たれた。

 その橙色の球体は、一直線に魔王に向かっていく。


「くっ!」


 魔王は邪なる闇によって、その攻撃を防ぐ。

 だが、その強力な力は魔王の闇をも破壊する。

 魔王は、さらに闇を展開し、防御を固めていく。


「これは……!」


 流石の魔王も、究極の魔法には対抗しきれないようだ。

 邪なる闇が、どんどんと消滅していく。


「くっ!」


 魔王は大きく後退しながら、そこから逃れようとする。

 だが、消滅呪文フレアもそれを追いかけていく。

 魔王の様子から、焦りが見えてくる。


「お姉ちゃん、大丈夫?」

「うん。だけど、これで……」


 カルーナの問い掛けに、アンナはそう答えた。

 二人も消滅呪文(フレア)があるため、魔王に追撃することはできない。二人の攻撃も、消滅させられてしまうからだ。

 そのため、二人も呼吸を整えるしかない。


「ぐうっ! 邪なる闇よ! 押しつぶせ!」


 そこで、魔王の防御が変化した。

 その闇で、消滅呪文(フレア)を包み込んだ。

 それでも、闇はどんどんと消滅していく。


「ぐうっ!」


 その瞬間、消滅呪文フレアが爆発した。

 大きな衝撃により、魔王の体が吹き飛ぶ。


「くっ……」


 魔王はなんとか着地し、体勢を立て直す。

 結果として、消滅呪文(フレア)でも魔王を打ち消すことはできなかった。

 だが、魔王もかなり消耗している。


「中々の攻撃だ……流石の俺も、まずいと思ったぞ……」

「くっ……」

「だが、この魔法は何度も放てるものではない。ならば、すぐに決着をつけてやる!」

「何!?」


 魔王の言葉とともに、その鎧が動き始めた。

 その尻尾のようなものが、空中に飛び出したのだ。


「あれは……」


 尻尾は空中で分身していく。

 その先は、尖っており、アンナとカルーナを狙っているようだった。


「魔王技・邪なる尾撃(イービル・テイル)!」

「カルーナ! まずい!」


 その尻尾が、アンナ達に向かって降り注いでくる。

 アンナは咄嗟に、カルーナの前に出て、聖なる光を展開していく。

 その光により、尻尾を防ぐことができる。


「くっ!」


 しかし、その何本もの尻尾が聖なる光が破壊されていく。

 アンナの力もかなり弱まっており、完全に防ぎきることができないのだ。


「うぐっ!?」

「お姉ちゃん!」


 そんな中、アンナに尻尾が突き刺さってしまう。

 アンナの体から、赤い血が流れ出ていく。

 それにより、アンナの足元が揺らいでくる。


「お姉ちゃん! しっかりして!」

「ぐっ!」


 カルーナはアンナを支えたが、その体の力が抜けていることに気づく。

 どうやら、ダメージはかなり大きいようだ。


「ふははは! どうやら、かなりダメージは大きいようだな」


 そこで、魔王は飛び上がった。

 その手には、邪なる闇が漂っている。


「次の攻撃で、全てを終わらせてくれる」

「あれは……!」


 アンナ達と魔王の戦いは続いていく。

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