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赤髪の女勇者アンナ ~実は勇者だったので、義妹とともに旅に出ます~  作者: 木山楽斗
第八章 魔界決戦

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第131話 刈り取る一撃

 ガルスとティリアは、影魔将シャドーと対峙している。

 ティリアを狙おうとしていたシャドーだったが、それは彼のポリシーに反したようで、すぐにそれをやめるのだった。


「ふん!」

「くっ……!」


 ガルスは、再び部屋の柱を狙い始める。

 それにより、シャドーの攻撃範囲を狭めるためだ。

 当然、シャドーはそれを邪魔してくる。


「させん!」

「ふん!」


 シャドーの刃が突き刺さっても、ガルスは気にしない。


回復呪文(ヒール)!」


 なぜなら、ティリアが回復魔法を放ってくれるからだ。

 そのため、ガルスは柱の破壊に集中する。


「いくら回復できても、痛みや疲労は和らがない!」

「死ななければ安いものだ……」


 柱を壊すガルスと、それを攻撃するシャドー。

 二人の攻防は、ガルスに分があった。

 痛みや疲労があろうとも、ガルスの破壊は止まらなかったのだ。


「これで、お前の移動場所はなくなったな」

「くっ!」


 ガルスはシャドーに向かって、大きく宣言した。

 柱が全てなくなったことで、シャドーは実体を表すしかなくなったのだ。


「ガルス……貴様の対応は、流石だった。だが、私にもまだ手は残っている!」

「むっ!?」

「これで、終わらせてくれる!」


 そこでシャドーは、ガルスに迫ってきた。

 当然、ガルスはそれに対応しようとする。

 しかし、シャドーは体を分裂させていく。


「これは!?」


 さらにシャドーは、ガルスの影に入っていった。

 その瞬間、ガルスの体に変化が起こる。


「う、動けん……」

「これが、影魔奥義……影の拘束(シャドー・バインド)!」

影の拘束(シャドー・バインド)!?」


 ガルスは、身動きがとれなくなってしまったのだ。

 それだけではない。ガルスは、体を何かが締め付けてくることを感じる。


「影となった私が、貴様を拘束しているのだ! 身動きもとれまい!」

「ぐうっ!」


 シャドーの言う通り、ガルスはほとんど動くことができなくなってしまった。

 ガルスは、自身の影が、形を変えていることに気づく。それは、シャドーが拘束しているからなのだろう。

 ガルスは、ゆっくりと口を開こうとする。


「させん!」

「ぐむっ!」


 しかし、その瞬間、シャドーによって口を塞がれた。

 それに合わせて、影の形も変わっている。どうやら、影の形が、拘束している場所であるということらしい。


「ガルス、いくら貴様でも、この拘束はとけん! このまま絞め殺させてもらうぞ!」

「……ぐうっ!」


 シャドーは、ガルスの首を絞めつけていく。

 このまま、首を絞めて殺すつもりのようだ。

 ガルスは、体を動かし抵抗しようとするが、それもシャドーに封じられてしまう。


「無駄だ! 影の中では、貴様の力も無力……私の拘束から逃れることはできない!」

「ぐっ……!」


 ガルスの力ならば、シャドーの拘束を破ることも容易いはずだ。

 だが、影の中にいるシャドーには、ガルスの力などは関係がないらしい。

 それでは、この拘束もとくことができない。


「ガルスさん!」

「小娘! 貴様にできることなどないぞ!」


 ガルスに向かってティリアが叫ぶが、シャドーはそれを遮った。

 ティリアは、回復魔法の使い手である。そのため、自身に対抗できる手段を持っていないと、シャドーは踏んだのだ。


 この状況で回復魔法を放っても、ガルスが締め付け続けられているので、無駄である。

 そのため、シャドーはガルスを仕留められると、確信した。


回復呪文(ヒール)!」


 だが、何を思ったか、ティリアは回復魔法を放ってくる。

 それが無駄であると、ティリアも理解しているはずだ。

 傷は治せても、この状況は打破できない。それが、回復魔法であるはずなのだ。


「無駄だ! ガルスは回復することなどできん!」

「私の狙いは、ガルスさんではありません!」

「何!?」


 そこで、シャドーは気づく。

 ティリアの回復魔法の狙いが、ガルスではなく、その影であることに。

 つまり、ティリアはシャドーに回復魔法をかけたのである。


「こ、これは……!?」

「むっ!?」


 すると、ガルスの拘束がとけていく。

 回復魔法により、シャドーの体が元の形に戻り、拘束をとく結果になったのだ。


「ば、馬鹿な!」

「なるほど……」


 シャドーは、再びガルスを拘束しようとするが、ティリアがそれを許さない。

 回復魔法をかけ続け、シャドーの変化をさせないようにしているのだ。


「くっ! だが、この状態なら、私を倒すこともできん!」


 だが、シャドーはそこで余裕を見せる。

 ティリアの回復魔法がかかっている限り、シャドーの肉体は傷つかない。

 そのため、負けることがないという根拠になったようである。

 しかし、それに対して、ガルスは笑う。


「確かにお前は回復し続ける」

「そうだ。ならば……」

「だが、一撃でお前の意識を刈り取れば、それも関係なかろう!」

「ぐっ!」


 ガルスはシャドーに近づき、その体を拘束する。

 そして、そのままの体勢で、空中へと飛び出す。


「ティリア、俺の技が決まったら、回復魔法をとけ!」

「はい!」


 ティリアに合図を出し、ガルスは天井まで到達する。

 そこで、体を反転し、天井を蹴り地面に向かっていく。


「これは……!」

「まだだ!」


 さらに、ガルスは回転を加える。

 そのまま、シャドーを離さず、地面に一直線だ。


「シャドー! 受けるがいい! これが俺の最大の技!」

「くうっ!」

竜人(ドラゴン・)旋風(サイクロン・)落とし(ドロップ)!」

「ぐっ!」


 その瞬間、ティリアは回復魔法を中断した。

 シャドーが霧散しようとするが、それも最早間に合わない。


「ぐわあああああっ!」


 激しい闘気と落下のエネルギーが、シャドーを襲う。

 その強烈な一撃は、シャドーの意識をかりとるには、充分すぎるものだった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 「だが、一撃でお前の意識を刈り取れば、それも関係なかろう!」 [一言] 回復だけに、治すのでは無く、戻す。盲点でした。
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