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赤髪の女勇者アンナ ~実は勇者だったので、義妹とともに旅に出ます~  作者: 木山楽斗
第八章 魔界決戦

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第130話 影から影へ

 ガルスとティリアは、影魔将シャドーと対峙している。

 ガルスの一撃により、シャドーにかなりのダメージを与えられた。


「仕方ない……この技を使わせてもらおう……」

「何?」


 そこで、シャドーがそんな言葉を口にする。

 どうやら、何か仕掛けてくるつもりらしい。


「起動せよ! 魔王城!」

「なんだ……」


 シャドーが言葉を放つと、床から何本もの柱が出てきた。

 ガルスは、それが何のために出てきたのか、理解できない。

 すると、シャドーの体が、柱が出たことによってできた影に、入り始める。


「こ、これは……」

「私は、影から影へと渡ることができる。これこそが、影の波乗り(シャドー・サーフィン)!」

影の波乗り(シャドー・サーフィン)!?」


 ガルスの隣から、シャドーの一部が現れた。

 それは、刃へと変化して、ガルスに襲い掛かってくる。


「はあっ!」

「くっ! 竜人拳リザード・ナックル!」

「ふん!」


 それに対して、ガルスは拳を振るった。

 しかし、その攻撃が届くことはない。


「むっ!?」


 シャドーの体は、隣の影に乗り移っていた。

 どうやら、これがシャドーの狙いらしい。


「この影が全て、私の体だ。つまり、どこにでも移れて、どこにでも現れられる!」

「くっ! そういうことか……!」


 柱を増やしたのは、影を増やすためだったのだろう。

 これにより、シャドーの行動範囲はかなり増えた。

 それにより、この部屋でガルスの逃げ場はほとんどなくなったのだ。


「ならば!」


 だが、ガルスは理解していた。

 この能力の要が、柱にあるということを。

 それなら、柱を破壊してしまえばいいのだ。


「ふん!」

「なるほど! 流石だ! だが!」


 ガルスが一本柱を破壊した時、シャドーが動いた。

 ガルスの後ろから現れ、刃を振るってくる。


「くっ!」


 柱を破壊していたガルスは、それを躱すことが間に合わない。

 ただ、その隙はガルスも理解している。

 つまり、シャドーの攻撃を受ける覚悟を決めていたのだ。


「ぐっ!」

「何!?」


 そのため、ガルスは体を斬られても気にしない。

 さらに、柱を破壊するのだ。


「……ならば、そのまま死ぬのだな!」

「くっ!」


 シャドーの攻撃が、ガルスにさらに襲い掛かってきた。

 だが、ガルスはまったく怯まない。

 さらに、柱の破壊を続ける。


回復呪文(ヒール)!」

「むっ!」

「何!?」


 しかしそこで、ティリアの声が響く。

 そして、ガルスの体に回復魔法が振りかかる。


「これは……!?」

「くっ!」


 シャドーに斬られた傷が、ゆっくりと回復していく。

 これで、ガルスは相手の攻撃を気にしなくて良くなった。

 そのため、柱の破壊を続ける。


「ならば……!」

「あっ!」


 そこで、シャドーは動きを変えた。

 ガルスから、ティリアに狙いを変えたのである。


「くっ! そうはさせん!」

「むっ!」

「ガルスさん!」


 そんなシャドーの攻撃を、ガルスが受け止めた。

 ティリアを攻撃される訳には、いかないのだ。


「ふん! だが、そこから動けまい!」

「くっ!」


 シャドーは、その場でガルスに攻撃を仕掛けてきた。

 ティリアを守る都合上、ガルスはそこから動くことができない。

 そのため、シャドーの攻撃を受けるしかないのだ。


「ぐっ!」

「ガルスさん!」

「ふははは!」

「ぐっ!」


 シャドーの猛攻に対して、ティリアの回復魔法が放たれた。

 それにより、ガルスの体は傷つき、回復する。

 ガルスの体から、鮮血が引き出しては、治っていく。


「……くっ!」

「む?」

「え?」


 そこで、シャドーの動きに変化が起こった。

 何故か、ガルスから離れていったのだ。

 ガルスを一方的に攻撃できる状態だったため、離れる必要などないはずだろう。

 それなのに、離れていく。それが、ガルス達には理解できなかった。


「シャドー、何を考えている!?」

「……ふん!」


 ガルスは思わず、そう問いかけてしまう。

 しかし、シャドーは何も答えない。


「……そうか」


 そこで、ガルスはわかった。

 シャドーは、この方法で勝つことに納得がいかなかったのだと。


「そういえば、お前が演じていた魔王は、卑劣な手段を嫌っていたか……」

「……そうだ。そちらの女を狙って勝つなど、私には耐えられない……」

「なるほど……」

「実体を持たない私は、基本的にからめ手を使うことしかできない。だから、せめてそのような卑劣な手は使いたくない……」

「シャドー……」


 どうやら、シャドーはティリアを狙って勝つことは嫌だったらしい。

 それは、シャドーの一種のポリシーであるようだ。

 ただ、ガルスからすれば、それは理想でしかない。戦いにおいて、そのようなポリシーを突き通すなど、甘えでしかないだろう。


「俺のことを理想と言った割には、お前もそういうことにこだわるのだな……」

「くっ! 放っておけ!」


 ガルスの言葉に、シャドーは大きく叫ぶ。

 何はともあれ、ガルス達の危機は去った。

 これで、反撃することもできる。


「ならば、いくとしようか!」

「こい! ガルス!」


 ガルスとシャドーの戦いは、続いていくのだった。

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