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赤髪の女勇者アンナ ~実は勇者だったので、義妹とともに旅に出ます~  作者: 木山楽斗
第六章 獣人達の王

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第102話 加勢する者達

 アンナ以外の勇者一行は、獣王と対峙している。

 消滅呪文(フレア)が外れ、カルーナに獣王の一撃が振るわれようとしていた時、教授が現れたのだ。


「教授、どうしてここに?」

「現アストリオン王に頼まれてね。元々、僕が王都に行けなかったのは、元アストリオン王と色々とあったからなんだけど、彼がいなくなったからね」


 カルーナの疑問に、教授が早口で答える。

 教授はエスラティオ女王だけでなく、アストリオン王とも関係があったらしい。


「とにかく、今は目の前にいる敵に集中しよう……獣王を倒さなければならない!」

「そ、そうですね……」


 教授の言葉で、カルーナは獣王に意識を集中させる。


「ふむ、中々だな」


 獣王は教授の一撃によって、左足の先を消滅させられていた。

 これで、獣王の機動力も削れたことになる。


「カルーナ、よく見てみてくれ。獣王の左腕を」

「え?」


 そう思い浮かれていたカルーナだったが、教授の一声で左腕を見た。

 すると、その様子に驚いてしまう。


「か、回復している……?」

「そう、回復が再開しているようだ。どうやら、消滅呪文(フレア)でも完全に回復を止めることはできないらしい」

「そ、そんな……」


 獣王の左腕が、少しだけ再生しているのだ。

 それは、カルーナにとってかなり衝撃的なことだった。

 せっかく、獣王への有効手段が見つかったというのに、それも通用しないと思ってしまったからだ。


「カルーナ、再生しているが、それでもゆっくりだ。君と僕の消滅呪文(フレア)で、一気に消滅させるんだ」

「……そうですね」


 しかし、カルーナはすぐに考えを改める。

 例え再生されても、それはゆっくりだ。つまり、再生しきる前に、獣王を倒してしまえばいいのである。


「作戦会議は終わったか?」


 そう思ったカルーナと、教授が同時に構えた時、獣王がそう言った。

 どうやら、カルーナ達が構えるのを待っていたようだ。

 獣王も、自分の体が再生しているはずなので、待つことも無駄ではないのだろう。


「そろそろ、行くぞ!」


 そう言って、獣王は大地を蹴ってカルーナ達の元へ向かって来る。


「させん!」

「俺達がまだ……!」

「はあああっ!」


 そんな獣王に、向かっていく者達がいた。

 ガルス、ツヴァイ、ネーレの三人である。

 彼等は、また魔法が使えるようになるまでの時間を、稼ぐつもりなのだ。


「来たか! だが、予測済みだ!」


 そこで、獣王の体から闘気が放たれた。

 その闘気は、大きな力となって、三人に浴びせられる。


獣王波(ビースト・バースト)!」

「ぐううっ!」

「ぐわあああ!」

「うわああああ!」


 その衝撃によって、三人は吹き飛ばされてしまう。

 獣王は、それを見ることもなく、カルーナ達の元へと向かって来る。


「カルーナ、あれは僕が引き付けよう」

「教授!?」


 教授がそう言って、獣王に向かっていく。

 つまり、消滅呪文(フレア)を撃つのは、カルーナに任せるということだ。

 教授は手に集めた魔力を、一気に解き放つ。


麻痺呪文(パラライズ)!」

「ほう?」


 教授が放ったのは、ティリアも使った麻痺呪文(パラライズ)だ。

 その力によって、獣王の体が停止する。


「ティリア! 君もいけるか!?」

「はい!」


 教授の言葉に、ティリアが動く。


麻痺呪文(パラライズ)!」


 ティリアも、麻痺呪文(パラライズ)を獣王にかける。

 獣王の体に、二重の麻痺呪文(パラライズ)がかけられたのだ。


「動きを封じれば、いいと思ったか? だが、それでは甘い」


 しかし、獣王は笑う。

 その獣王の体から、闘気が放たれた。

 その闘気は、教授とティリアに振りかかる。


獣王波(ビースト・バースト)!」

「くっ!」

「きゃあああ!」


 二人の体が、大きく吹き飛ぶ。

 獣王の闘気に、魔法使いの二人は、耐え切れなかったのだ。


「さて、行くぞ!」


 獣王が、カルーナに向かって来る。

 カルーナは、それに対して、魔力を解き放つ。


消滅呪文(フレア)!」

「ガアアアアア!」


 獣王は、それに対して大きく体を旋回し躱す。

 だが、それはカルーナも予測していたことだ。

 そのため、一撃目は囮だった。


消滅呪文(フレア)!」

「何!?」


 カルーナは、二発目の消滅呪文(フレア)を放つ。

 カルーナは、事前に二発放てるだけの魔力を蓄えていたのだ。


「ぐわあああ!」


 その一撃が、獣王の腹を貫き消滅させる。

 獣王の腹に、大きな穴が開いたのだ。そのダメージは、かなりのものだろう。


「うっ……!」


 だが、連続攻撃によるカルーナへの負担も、尋常ではないものだった。

 カルーナはゆっくりと地面に膝をつく。もう、体が動かせないのだ。


「いい一撃だった。だが、二つに分けたせいで、ダメージが減ったようだな」


 そんなカルーナの耳に、絶望的な声が聞こえる。

 獣王はダメージを受けたものの、生きているのだ。

 そして、ゆっくりとカルーナへ向かってきた。


「これで、終わらせよう」

「くっ……!」


 獣王が大きく腕をあげ、カルーナを狙う。

 カルーナに、最早動く力は残っていない。

 さらに、仲間達も先程吹き飛ばされたため、助けに来られない。


「む!?」


 しかし、獣王は手を止めていた。

 その顔は驚きの表情であり、視線は、カルーナの後方に向いているようだ。

 カルーナは、ゆっくりとその方向を振り返った。


「あっ……!」


 その方向を見て、カルーナの顔が明るくなる。

 それは、カルーナが最も待ち望んでいた人だった。


「お姉ちゃん!」

「カルーナ、皆、待たせたね。ここから先は、私が戦う……!」


 そこには、勇者アンナが立っていっていたのだ。

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