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アルラウネ

王都にむけて歩いてるけど…こんなにとおかったっけ?さいわい来るときにスライムはたおしたからいないけど…

体がちっちゃいから歩くほはばが小さくてとおく感じるのかなぁ。明るくなってきた!


「あっ森の外だぁ!」


やっと森の外にでた!お日さまのひかりがきもちいい…!ぽかぽかしてなんだか力がわいてくる感じがする!

そういえばこのすがたでできることって何があるんだろう?

んーっと…[光合成]…?日をあびるとせいちょうするの…?それで…せいちょうかてーで傷もなおるみたい!これはすごくべんり!

だから気持ちいいんだ~ローブを脱いで全身であびれたらもっと気持ちいいのに…


……でもこんな道ばたでこのすがたで歩いてちゃ魔物とかんちがいされそうだからやめておこう…うぅ…お日さまあびたい……


いつの間にかかべがみえるとこまで来たけど…カインがいてもふあんだなぁ…


南の大門について順番をまっているとローブのこのすがたが怪しいのかいぶかしげに見られてるのがわかる。

はんのうしてそっちをむいたらバレるかもだからむけないなぁ…


…とじゅんばんが来た。カインはおどろかないって言ってくれてるけど手がみどりじゃさすがにびっくりするだろうからローブ越しにぼうけんしゃしょうを持っておこう。


「次の人、身分証を……まさか…」


なんとなーくわかったようみたいだからこくりとうなずいてわたす。ぼうけんしゃしょうを見たカインは真顔になった。


「…今度は何だ、なんか小さくないか…?」


まわりの人がみてないのをかくにんしてローブから少し手を出しててまねきをし、すがたをみせる。


「み、緑…しかももはや幼女じゃねぇか…それにあたまに花…?トレントだとそんなことになるのか…」


わかったからいわないでほしい。ぼやきたくなるのはわかるけど小声だとしても他の人にきこえてるかもとおもうとおちつかない。なによりはずかしい。


「……わかった。行っていいぞ。」


なにもきかずに通してくれるカインがすごくやさしく見える。いや…もともとやさしいけど。


「…ありがとう」


カインはチラッとこっちを見てフッと引きつった顔でわらうとけんもんにもどっていった。


こっちもあやしまれないうちにギルドへ…うーんこのすがたでギルドに行きたくないなぁ…もとにもどるまでやどのお部屋にこもろう。



ものめずらしそうなしせんを感じながら黒猫の宿屋についた。まだひるすぎだからそこそこおきゃくさんいるなぁ。

そーっとかいだんに向かおうとしたけどミルにきづかれた!


「いらっしゃい!お一人……そのローブは…トランちゃん?」


ヘルミネ…ミルにも話したの…?

むごんでこくりとうなずく。


「そっか!…その感じだとだいぶやばそうだね?ごめんね、引き留めちゃって。…できれば後でローブの中身を見せて欲しいなって」


きかなかったふりをしながらかいだんを上る。

なんかボクのまわり変身したすがたすきな人おおくない…?


部屋にかけこむといてもたってもいられずにローブをぬぎすててまどぎわの陽だまりにかけこむ。

そしてペタンとゆかに女の子座りになる。もうがまんしなくていいんだ…!お日さまに顔を向けてせいいっぱいぜんしんで受けとめる。


「ふあぁ……気持ちいい…」


王都を歩いてるときからたまりつづけていたよくにはあらがえなかった。…くせになっちゃいそう。

しばらくぼけーっと陽をあびてるとだんだん「かわいている」かんかくになってきた。でも…ここからはなれたくない…

いつの間にかおいてあったすがたみを見る。そこには、はかなげであたまにお花があるみどり色の少女が、こうこつとした顔でゆかに座っていた。あれ…ボクはいったいなにを……でもそれよりお日さまが気持ちいい…


またしばらくするともっと水がほしくなってきた。はなれたくないけどお水……そのとき、ドアからノック音と声が聞こえた。


「おーいフウガ!いや、トランか…?いるだろ!入っていいか?」


なんか聞こえるけど…それより水か…陽か…


「大丈夫か!?…しょうがない。開けるぞ!」


ドアが開いたのがわかった。さすがに気にしないわけには……あっ!入ってきた人にお水をもらえばいいや!


「なっ…全身緑色!?トレントだから…植物か!だから陽に当たっている…のか?…ただ…可愛い!愛くるしすぎる…!幼女なトランも可愛すぎる!「ちょうだい」…ん?なんだ?」


「お水ちょうだい!」


しぜんとうわめづかいとなるたいせいででそう頼む。


「ぐはぁっ!なんて…なんて可愛いんだ…!……そうだ水だったな」


「うん!」


コップに入れてお水をもってきてくれた。


「ほら、水だぞ」


わぁ!お水だ…飲む…?いいやちがう…


「かけて!」


「は?かける?」


「そう!そのままボクにかけて!」


「…いいんだな?かけるぞ」


コップの水がボクのからだにかかる。かかったしゅんかん、それはおとずれた。


「んんっ!」


体がムズムズするっ!それと同時に、体が成長しているのがわかる。そして頭のふわふわも少しとれていく…


「わっ…トラン!お前、体が!」


まず身長が伸びたのを感じた。次に髪が肩の下まで伸びた。腰回りが幼児的なぷっくりしたお腹からちゃんとしたくびれができ、胸が二回りほど大きくなってお尻もふっくらした。

そして最後に頭の花が漠然と「大きくなった」感じがした。


「はぁ…はぁ…」


急激な体の変化に荒い息をつく。


「終わった…のかな」


姿見を見るとやはりというべきか、先程の幼女を成長させたらこうなるだろうといった感じの美少女が映っていた。

やっぱり基本は狼娘の時の耳と尻尾がない姿みたい。


「今度は何だ?トレントにやられたからその姿なのはわかるが…」


「えっと…アルラウネって所だと思う」


「あるらうね…?」


「アルラウネって魔物にいないの?」


「そんな魔物聞いたことないな」


「そっか…まぁこの姿の名前はおいといて、トレントの討伐できたよ!でも一撃食らっちゃったけど…」


ポーチからトレントの魔石を取り出して見せる。


「おぉ!やったじゃないか!これでトランも赤級冒険者だな!というかまだギルドに報告してないのか?…あーそうか、その姿だからか」


「うん。そういうこと」


「それにしても…さっきの急激な変化はなんだ?まぁ、悶えるトランも可愛いかったが…」


「[光合成]っていって、お日様を浴びると成長できるんだって」


それだけじゃなくて水も必要っぽいけど…というか自分で水魔法使えばよかったじゃん!なんで思いつかなかったんだろ…


「こうごうせい?あぁ、お前の元いた世界の知識か」


この1ヶ月の間にヘルミネにもボクが転生者である事がバレた。まぁ…今更隠すほどのことでもないからいいんだけど。


「うん。あと成長してるときに成長する前に受けた傷も治るんだって」


「それはすごいな!でも陽の光が必要なら洞窟とかじゃあまり意味をなさなそうだな」


「うーーん…もしかしたら魔法で作った光でもいいかもだけど試してないからわかんないや」


「そうか…そういえばローブを渡しておいて正解だったな」


「そうだけど…思惑通りだと思うとしゃくぜんとしないよ…」


「ってことでまだ変身時間は残っているだろう?なら、ならば触らせてくれ!」


ってことでってなんだよぉ!うぅ…なんとか先延ばしにしようとしてたけど無理みたい…


「嫌!って言ってもきょひけん無いじゃん…」


最近はヘルミネも遠慮が無くなって問答無用で抱きついてきたり触ってきたりするの…でもボクもボクで嫌とは言いつつも慣れて来ちゃってる。


「ふふっわかってるじゃないか」


言うや否や体を掴まれて膝に乗せられた。そして抱きしめられたとき頭の上がブワッとなった。ヘルミネの顎が頭の花に当たった…?

思わずビクッとなったのに気付いたヘルミネが今度は手で優しく花を触った。


「ひゃっ!?」


「…この花にも感覚があるのか…?」


「…うん。でも花だけはなるべく触らないで…なんか触られちゃいけない感じがするの」


「そうか…ん?…だけ…?ならまわりの葉っぱはいいんだな?」


「感覚はあるけど触られて嫌な感じはしないから…葉っぱならそんなに……あっ」


またいらないことを言っちゃった…!


「そうかー葉っぱならいいのか~!」


「んゃっ!」


葉っぱを触られると花ほどではないが体全体をビリビリとした感覚が襲う。


「その我慢した顔、可愛すぎるぞ…もっと見せてくれ…!」


元から隠してないけどほんとに変態だった!


「この……変態っ…!」


「ふふっ何をいまさら!」


開き直った!?

ヘルミネが満足して、ボクがぐったりとして動けなくなるまでヘルミネによる責め苦は続いた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] とても面白く一気に読ませてもらいました これからも頑張ってください 応援しています [気になる点] 1つ質問なのですがこれから先どのくらいシリアスな展開を書く予定ですか? 私はシリアスが苦…
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