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節分の思い出

 実家の節分では、いつからでしょうか。

 2月3日の夜に恵方巻きではなく、老舗かに本家の細巻きを食べるようになりました。


 子どもの頃は、スーパーの恵方巻きだったような気もするのですが。

 来る年も来る年も、野田がカニ巻きを好んで食べていた結果なのでしょう。


 甘やかされて育ったものです。

 恵方巻きも美味しいですけどね。


 細巻きのほうが食べやすくて好みです。

 毎年、節分の夜はかなり楽しみにしておりました。


 すでに恵方巻きではなくなっていたのですが。

 恵方を向いて、細巻きを黙食するのも独特の緊張感があります。


 昔話でありがちな「絶対に振り返ってはいけないよ」と言われたときの緊張感に通ずるものを感じますよ。


 振り返らずに帰ることくらいできるはずなのですが。

 万が一、振り返ってしまって大変なことが起きるかもしれないという緊張感。


 真面目に取り組みすぎかもしれません。

 恵方巻き(すでに恵方巻きでもない)を食べている途中に、言葉を発してしまったとき。


 何か、すごく深刻な状況に陥ってしまうとは考えづらいのですけどね。

 異様な緊張感を覚えるのです。

 

 それに対して、節分の鬼はポップな印象なのですけどね。

 獅子舞の顔のほうが、よっぽど怖いのです。


 幼稚園やら小学校やらで、自分で鬼のお面を作るということが不思議でなりませんでした。

 そうして、野田が作った鬼のお面を被るお父さんは鬼じゃなくてお父さんですしね。


 突っ込みどころ満載な気がしていたのです。

 お父さんに豆が当たったら痛そうだな、と。

 子どもながらに遠慮して、わりと当たらないように豆まきをしていましたし。


 落ちた豆は飼っていたポメラニアンが、片っ端から食べていましてね。

 もはやコメディ。


 最終的に、ほとんどの豆が愛犬のお腹のなかに収まっていました。

 お腹がパンパンでしたよ。


 豆まきは掃除が大変そうなので、掃除しなくても済むのは本当に良かったですけどね。


 最後には、それぞれの歳の数だけ家族で仲良く豆を食べました。

 子どもの頃は、すごく両親がうらやましかったです。


 野田が8粒とか10粒とかを大切に食べるのに対して、両親は39粒とか41粒とかを無造作に食べていましたからね。


 早く大人になりたいと思ったものです。

 しかしながら、今年は32粒を食べた野田。


 そんなにいらんわい、と思いました。

 数えるのも大変だし、食べるのも大変になってきますね。


 今年の節分で両親は60粒以上も豆を食べたのかな、なんて。

 考えてしまうのです。

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