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思い込み

 思い込みって、ありますよね。

「10kg痩せることができたら、美しくなれる」と思って、ダイエットを頑張ってきたのです。


 1年間、地道にコツコツと努力を重ねてまいりました。

 やっと10kg痩せることはできたのですが。


 美しくなったわけではなく、10kg痩せた野田がいるだけだったときの衝撃……!


 本当に、思い込みは残酷なものです。

 恐ろしいですよ。


 どうしたら美しくなれるのかは、謎に包まれたままです。

 今さらなので、別に良いのですけどね。


 昔から、思い込みは激しいほうでした。

 本気で、サンタクロースの存在を信じていました。


 むしろ、目撃したことがあったのです。

 寝室の腰高窓に、トナカイのソリで乗りつけるサンタクロースの姿を。


 現れた、と思った瞬間。

 家の前のスナックの壁面看板の照明が、バチッと落ちました。


 ふわっと浮かび上がるトナカイのソリだけが、不思議な光を放っていたのです。

 これが魔法というやつか! と驚いた記憶があります。


 何を言っているのか、よくわからないと思いますが。

 自分でもよくわかりません。


 たぶん、夢の話なのです。

 そのような夢を、子どもの頃に見たからこそ。


 ずいぶんと長い間。

 サンタクロースが存在すると、思い込んでいたのです。


 夢と現実がわからなくなることは、今もよくあるのですよ。


 寝ぼすけの野田。

 毎朝、娘に起こされているのですが。


 隣のベビーベッドで、つかまり立ちをしながら。

「ママ! ママ!」と娘が連呼してくるのです。


 横にあるスマホで、ちらっと時間を確認して。

「もう8時だ、起きなきゃ!」と思いながら。

 15分くらい起きられない野田。


 いざ起きてみると、まだ7時半なのですよ。

 こちらの様子を娘が、ベビーベッドから伺っています。


 子どもの頃はわからなかったのですが。

 もう野田も良い歳ですから、絶対に時間が巻き戻らないことだけはわかります。

 

 しかしながら。

 もはや、何から夢だったのかはわからないのです。


「早すぎるよ、おやすみ」と、野田はもう一度。

 眠りにつきます。

 8時になるまで、娘は待ってくれるのですが。


 なんだかんだで、起きると8時半です。

 1時間近く、1歳の娘をベビーベッドの上で待たせているわけです。


 本当に申し訳なく思います。

 でも、生粋の夜型人間なのです。


 もう少し身体が慣れるまで、8時半で勘弁してもらいたいところです。


 そのうち、本気で怒られそうですけどね。

「もうお母さん、起きて! 幼稚園のバスに遅れちゃう!」とかなんとか……。

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