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ダンジョンの隠し部屋でのんびり生活  作者: 泪
ダンジョンの夏
35/54

おやつと緊急討伐

 いつも読んでいただき、ありがとうございます。

 活動報告にも書きましたが、お盆に手術の為入院することになりました、準備でバタバタするのと精神的にも不安定になりそうです。

 更新は2回程お休みしたいと思ってます、出来れば見捨てず待っていただけるとありがたいです、よろしくお願いします。

「はぁ~涼しい。やっぱりここの魔道具、良いわ~」

 とご機嫌のブランさんは大胆なビキニノままだけど、寒くないかな?ドゥエさんも薄着だし、冷房温度上げた方が良いかも。

「ブランさんドゥエさん寒くないですか?設定温度もう少し上げますか?」

 確認のため聞いてみると、二人とも首を振って

「もう少しこのままで、今ちょうど良いのよ~」

「私も大丈夫です、お気遣いありがとうございます」

「ふふふ、この二人が非常識な格好してるのが悪いのよ、サクラちゃんは気にしなくていいのよ」

 との返事が返ってきました、非常識な格好ってウーノさん……


「あら、この水着可愛いでしょ。最新の自信作よ、異性の未遂を参考にサクラちゃんのとお揃いで作ったの」

 とブランさんが深い緑色に白井花模様のビキニでポ-ズをきめると、ウーノさんとドゥエさんがこっちを振り返り、

「「サクラちゃんもあれ着るの?黒竜様暴れない?」」

 声を揃えて聞かれましたが、聞いてませんよブランさん!!アレは遠慮します!

「いやいや、アレは無理ですから。勘弁してください」

 慌てて反論すると、ニヤニヤ笑いのブランさんが、

「分かってるわよ、サクラちゃんのはもう少し露出が少ないから、先ずはレイちゃんお着替えしましょうか?ウーノ、ドゥエ、サクラちゃんに話があるんでしょ、レイちゃん終わったらサクラちゃんの着替えなんだからさっさと済ませてはね」

 とレイちゃんの手を引いて、隣の部屋に行ってしまった。


「すいません、人魚の里は人間から隠れる為の場所なのに、私達が遊びに行きたいなんて言ってご迷惑おかけしたんじゃないですか?」

 この話が出た時から気になっていたことを聞いてみると、ウーノさんが苦笑しながら

「それは大丈夫よ、黒竜様の伴侶様とお子様だって説明したら大歓迎だって言ってたもの、ただ、その、ね……ドゥエあなたが言いなさいよ」

「そこまで言ったんでしたら、最後までウーノが説明してくださらないと。私が厚かましい女だと思われてしまいますわ」

 ……なんだか二人で説明の押しつけあいをしてるけど、私達がお邪魔することが問題になって無いなら良かった。


「実は青竜様がサクラさんの所で美味しい料理を食べたと、人魚の里に来るたびに自慢していくのです。そのあまりのウザさに里の者達の不満がたまっていたところに、先日はプルプルプリンなんて甘いお菓子を食べたと自慢され、海の中を生活の拠点にしている私達は甘味を手に入れる手立てがないので悔しくて悔しくて。厚かましいお願いで申し訳ないのですが私達にもお菓子をいただけませんか?」

 言いにくそうにドゥエさんが言ったお願いは、手土産を何にしようか迷っていた私にはちょうどいい話だったんですけど……

 ブルーノさん何やっちゃってんですか、食べ物の恨みは恐ろしいんですよ、しかも人魚の里ってお菓子に飢えた女性の前でそれをしたら、完全に嫌われますよ。


「分かりました、お菓子ご用意しますね。何人分用意すれば良いですか?」

 何作ろうかなと考えながら質問すると、ぱぁっと嬉しそうに笑ったドゥエさんが、

「20名です!男共にはお菓子の良さが分からないので、必要ありませんから」

 との事ですが、人魚の里は女性が強いんでしょうね……だけどドゥエさん、隣でウーノさんが不満そうな顔してますよ。

「ウーノさんは甘い物大丈夫ですか?今日のおやつにスイカのシャーベットを用意してあるですが、もし苦手で「食べます!私、甘いお菓子大好きなの~」……」

 私の言葉に被せるようにそう言ったウーノさんに思わず笑っていると、隣の部屋からブランさんとレイちゃんが帰ってきました。


「じゃじゃーん、どう?レイちゃん可愛いでしょ~」

 ブランさんの言葉通り、ワンピースタイプの水着のレイちゃんが可愛い~。

「キャ~、かわいい!レイちゃんピンクが似合うわ~、それにウエストにある細くて黒いリボンが良いアクセントになってるわよ」

 とウーノさんに誉められたレイちゃんが、もじもじ恥ずかしそうにしてるのがまた可愛い……って親バカですね。

「レイちゃん可愛い、よく似合ってるよ」

 私の前でスカートの裾を右手で引っ張り、右側だけちょっと広げてポ-ズをとるレイちゃんを褒めて頭を撫でてあげると、嬉しそうに抱きついてきた。

「つぎは、か-しゃまね。おきがえするの」

 ……そうでした、私の水着もあったんだよね。


「じゃあサクラちゃん、あっちで着替えましょうか。ウーノ、ドゥエ、レイちゃんの事よろしくね」

 後は任せてと笑うウーノさん達に見送られ、バチンとウインクしたブランさんと隣の部屋に行こうとしていたら、

「ブラン、ちょっと手をかせ!」

 とレオンが部屋に転移してきた、転移魔法を使うなんて何か大変なトラブルでもあったの?

「今からサクラちゃんの水着のお着替えなのよ、自分のダンジョンのトラブルは自分で処理しなさいよ」

 ブランさんはそう言うけれど、レオン一人で対応出来ないような事って大変なんじゃ……

「サクラ心配そうな顔しなくて良いぞ。別に俺一人で何とか出来るんだ、ブランがいればちょっと楽出来るからと思っただけだからな」

 レオンは私の頭を撫でながらブランさんを睨んでるんだけど、それってレオンの方が悪いでしょ。

「一応聞くけど、何に手を貸せっていうの?」

「シュガーモンスターだ、この前かなりデカイのを倒したばかりだってのにまた出やがった。今は獣人の里もこれ以上砂糖は要らねぇってのに」

 ブランさんの質問に忌ま忌ましそうに答えたレオンの言葉に、ウーノさんとドゥエさんの目がキランとして光り、

「それなら私が手伝うわ、その代わりシュガーモンスターの砂糖をいただけないかしら」

 とウーノさんが手を上げる。そうか、人魚の里は甘い物が欲しかったのよね、砂糖があればお菓子が作れる。

「よし、砂糖は全部やるから頼むウーノ」

 レオンとウーノさんが慌ただしく魔物の討伐に向かって行ったのを見送り、ニコニコ笑顔のドゥエさんにレイちゃんを任せて水着に着替えますか。


 私の水着は黒のショートパンツに桜色のフリルが胸元のボリュームアップをしてくれているセパレートタイプでした。

 可愛いくて泳ぎ易そうな水着だけど、これは写真の水着と肌の露出は変わらないかもと思ってたら、桜色の生地にブランさんとお揃いの白井花模様の足首付近まである巻きスカートが追加されました。

「フリルで胸の谷間はカバーしたし、足は巻きスカートで大丈夫でしょ。レオンの前だけでスカート取れば、あいつ喜ぶと思うよ」

 のブランさんの言葉に苦笑してしまうけれど、可愛い水着を作ってくれたのには感謝しかない。

「可愛い水着をありがとうございます」


 元の部屋に戻ると、既にレオンとウーノさんも帰って来てました!早すぎない?

「サクラ、可愛いなそれ。レイとお揃いだな」

 と機嫌良さそうなレオンのセリフに、ニヤリと笑ったブランさんは私の巻きスカートをピラリと引っ張り、

「中は黒のショ-トパンツよ、後で見せてもらいなさいね」

 なんて言っちゃいました……レオンすっごい嬉しそうな顔してるんですけど。

「サクラちゃんもレイちゃんも可愛いし、魔物相手に久しぶりに全力で闘えたし、お砂糖はタップリ手に入ったし今日は最高の一日だわ」

 とウーノさんがニコニコ笑顔で言ってくれたのですが、もう魔物退治終わったの?

「ははは、ウーノが張り切ったおかげで、俺のやること無かった……」

 脱力したようなレオンの言葉に、ウーノさんって強いんだ~と感心する。

 さて、全員揃ったからおやつにしましょうか?

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