第23話 さ、どうする?
襲ってくる騎士ども、俺はそいつらを片付けるのに十秒もかからなかった。
こつらごときに俺の動きが見きれるわけがない。
一人ひとり腹にげんこつを食らわせてやったらみなうめき声を上げながら床に転がった。
ま、俺は優しいから殺しはしなかったけどな。
それに、俺の強さはもう十分に見せた。
これ以上無駄な殺しをしても事態がめんどくさくなるだけだ。
「おい、司祭」
俺は冷たい視線を司祭に向ける。
「ひ……ひぃっ……」
「よくもまあ、魔族少将の居城でこんな真似してくれたな……万が一にでもこんな戦力で俺たちを殺せるとでも思ったのか?」
「い、いや……ま、まさか……はははは」
「まあこれで事態は全部わかったな、結局お前が黒幕だったんだろう、カルアを襲わせたのは?」
「い、いや、違います……。こ、こいつらは勝手に入ってきただけだし、私の指示ではございません……。そ、それに……」
「言い訳はいいよ、今のお前に何を聞いても嘘しかつかなそうだ。ちょっと待ってろ」
部屋の外にはコボルドの死体が転がっている。
「あーあー……私のかわいい部下を殺してくれちゃって……。どうするのじゃ、樂な死に方はできないよ、お前たち」
アルティーナがコボルドの死体を指でツンツンしながら言った。
「い、いえ、お、お許しを……」
「いいや、許せないのじゃ。カズヤ、どうするのじゃ?」
アルティーナの問いに俺は答える。
「ま、今回は命だけは許してやろう。だが……おーい、リチェ、ちょっとこい」
俺が呼びかけると、天井に張り付いていたリチェラッテがシュタッ! と床に降り立った。
俺が忍法を教えてやって、天井と同化させていたのだ。
ま、別にリチェラッテがいてもいなくても、俺一人いればなにがあっても十分なんだけどさ、伝令として使えるかなーと思って控えさせていたのだ。
「おい、リチェ、この司祭殿の御子息をここにお連れしろ」
「ほーい」
リチェラッテが脳天気な返事をする。
「む、息子がここにいるのか……?」
「当たり前だろ、言っておくけど、そのへんで床に転がっている騎士の家族とかもほとんどここにいるぞ」
司祭の顔は真っ青になっていた。
「さて、改めて交渉といこうじゃないか。南の町の教会は魔族少将アルティーナに従属し、教会のトップは聖女カルアが就く。お前はもういらないから追放する。追放がいやなら家族と一緒に墓にほうりこむだけだ。あ、心配するな、殺す順番は息子、愛人、お前の順番だから、愛するものが拷問受けながら死ぬのを見られるぞ、良かったな。さ、どうする?」
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