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第20話 4歳の女の子か、かわいいだろうな

「なんだ、どうした!」


 人がワラワラと集まってきて、カルアの部屋の惨状を見てみな絶句している。

 アルティーナとその乳兄弟のファモーもやってくる。


「ありゃ、なんじゃこりゃー」


 あまり驚いた様子もないアルティーナ、ファモーはそのケモ耳をピクピクさせながら悲鳴を上げ疲れて呆然自失としているカルアのほっぺたの血を拭うと、それをペロリとなめて、


「うん、おいしい」


 とか言っている。

 やはり人類と魔族はわかりあえなそうだ。力で押さえつけるしかないよな、こんなやつら。

 いや今は魔族どうこうじゃない。


「これは、どうしたことですかな」


 遅れてやってきた司祭に、俺は言った。


「聖女様を襲いにきた奴らがいたのです」

「ほう、これはひどい……」


 床に転がる生首が四つ、胴体が四つ、気絶している男が一人。室内は人間の血だらけ、その血を指ですくってはなめているワーウルフ少女のファモー。

 ほとんど裸のまま、半分気絶してぽーっとしてる血まみれのカルア。

 うん、地獄絵図かな? ま、俺がやったんだけど。

 一応俺はアルティーナの部下という体なので、


「アルティーナ様、こいつはだれかに雇われたみたいなこといってました。拷問して聞き出していいですか?」

「別によいぞ」


 短く答えるアルティーナ。


 俺はさっそく男に近づこうとして――。


「いや、拷問などと……。まずは普通に尋問しましょう。この者の身柄はわが教会が引き取ります」


 司祭がそう言って俺を引き留めようとする。

 なにいってやがる、現状女の子たちを騙して金品を魔族から受け取っていたことを聖女にばらされると一番こまる立場のお前が最も怪しいんだよ。

 俺は司祭の言葉を無視して男の胸倉をつかむと、その頬をビンタしてやる。


「うう……」


 目を醒ます男。そして、部屋の中に仲間たちの死体が転がっているのを見て恐怖で顔をひきつらせた。


「おい、君、やめなさい。こんな状況で拷問などしている状況ではない。まずは落ち着いてゆっくりと調べるのです」


 司祭の言葉を背中に受けながら、俺は男の顎を片手でつかんで口を開かせると、もう一方の手で、無限風呂敷から出したペンチを使って前歯をひっつかんだ。

 ぐりん! とひねってやると、メキッ! という音とともに前歯が根っこからねじれて血が噴き出す。


「んぐはーっ!!!」

 

 突然の抜歯の痛みで声をあげる男。


「おい、誰から頼まれた? 言え。言わなければ拷問してから殺す。お前の身元を調べ、お前の家族も必ず拷問して殺す。女は強姦してから拷問して殺す。言え。言えば家族は助けてやる」


「だ、だれが言うか……いくらでも拷問するがいい、俺の身元など決して割れぬぞ」

忍忍(にんにん)。忍法、素体垂ステイタス開示オープン照苦数デラックス!!」


 俺は忍術を使うと、男の頭上にステータスが表示される。


【名前 ガルリア・デレラリウス 32歳 住所 東の町 グルッポン通り25

 職業 反社会的組織幹部

 家族 妻 ペラ・デレラリウス 28歳 

    娘 タラリア・デレラリウス 4歳】


「ほーん。グルッポン通り25のタラリア・デレラリウスちゃんか、4歳の女の子か、かわいいだろうな」

「な……!? なぜそれを……!?」

「もうすでに人を派遣している、ペラとタラリアは俺たちが捕縛する」


 もちろんそれははったりだけど。


「お前の妻のペラは強姦して拷問してから殺す。タラリアちゃんか、4歳か。どんな目にあうんだろうな? お前と一緒の拷問してやるからまずはお父さんが受けてみろ」


 そういって俺はガルリアの前歯をもう一本ひねって抜いた。


「ぎゃふーっ!」


 とかいって痛がっている、ウケる。


「さて次は爪だ、お父さん、4歳で同じ目に合うのはお父さんのせいだからね、どんな悪いお父さんの娘に生まれたら4歳で拷問されるんだろうな」


 ガルリアは前歯を抜かれたせいで間抜けなしゃべり方で、


「待て、しゅみません、娘は駄目でしゅ、しゅみません許してくだしゃい。言いましゅ、言いましゅ、私たちの組織は報酬をきょ……」


 次の瞬間、男の胸を司祭の隣にいた騎士らしき男の剣が貫いた。

 即死するガルリア、その死体を床に放り投げ、俺は騎士の男に冷たく言う。


「どゆこと?」


「聖女様を襲うような悪人はこの私が成敗してやった」


 ふんふん、口封じのためなら強引な手をいくらでも使う気だなあ。

 にゃるほど。

 うーん、めんどくさくなってきた。


「おい、司祭、ありていにいうけどバレバレだ」

「なんの話ですかな」




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