43.金の猫(ベラルーシ)+地図
(絵 2006年)
◆◆◆
~ 貧しい夫婦が暮らしていました。
とうとう食べるパンがなくなり、白樺の木を売ってお金にかえようと、森へ入りました。
ところが木を切ろうとすると、どこからあらわれたのか、金色の猫が「木を切らないでくれたなら、なんでも願いをかなえましょう」と男に言います。
男は猫に、"パンを作るための粉"を願い、うちに帰りました。
すると、家には、たくさんの粉が届けられていました。
それでパンを作って食べたものの……。今度は、味のないスープが哀しくなり、やはり木を売ろうと森に赴きます。
すると、またしても猫が現れ、男は次に、"塩"を願いました。
塩味はついたけれど、なんの具材もないスープ。
「せめてキャベツの欠片でも浮かんでいたら……」
またまた木を切りに森に行った男は、やっぱり猫と出会い、キャベツを望むと、猫は言いました。
「粉に、塩に、キャベツ! なんて欲のない願いなんだ。さあ、家に帰ってごらんなさい」
男が家に帰ると、家にはキャベツだけでなく、美味しい肉やたくさんの野菜が届けられていました。
◇
さて。この話を聞いた、隣のお邸の旦那様と奥様。
いまよりも立派で大きな邸を手に入れようと、森に向かい、白樺の木に斧をあてて金の猫を脅します。
猫は怒りました。そして旦那を追い返すのですが……。
旦那が戻ってみると、そこに自分の邸はなく、奥様が洗濯盥をひとつ抱えて座り込んでいたのでした。 ~
◆◆◆
猫……、途中から、面倒臭くなったんだな。
そんで、まとめてプレゼントしちゃったんだな。
よくある展開ですが、"粉に塩にキャベツ"というのが、テンポよくてオモシロイと思いました。
しかし、具もなく、味もついてないスープ。
それはスープではなく、もはや"お湯"と呼ぶものでは?
ちなみに猫がくれた食材は、食べても食べてもなくならないのです。
食料を保障された夫婦が、その後もとても幸せに暮らしていくというのは良い!
そして隣の旦那様。欲はかきすぎるものではありませんね?
◆◆◆
舞台となった国、"ベラルーシ"はロシアの隣で、リトアニア・ラトビア・エストニア(バルト三国)の下。
ベラは"白"、ルーシは"ロシア"という意味で、つまりは白ロシアという国名なのだそうです。
お話は、2006年「こどものとも 11月号 きんのねこ」を参照しました。
あれ? お話の設定では、老夫婦になってますね? ……絵、描き間違えてる――っっ!
あと、ご感想いただきましたので、古い地図ですが無いよりいいかな、と追記しておきます。
お読みいただき、ありがとうございました(^^)/
おかげさまで1000pt突破――っっ!! 再び4ケタ返り咲きました!!
応援ありがとうございます!! 本当に本当にありがとうございます!!
今年の"ぜひ達成したい目標"だったのです~~。くぅぅ、喜び噛み締め中!!




