31.ジンの贈り物(アラビア)
~ "ジン(妖霊)の王は気に入った人間にしばしば贈り物をする。
それはタマネギの皮だったりニンニクの皮だったりするが、愚かにもこれを捨ててはいけない。
何故ならば一夜あけるとタマネギは金に、ニンニクは銀に変じるからだ。" ~
他にも"タマネギの皮"と"ジン"は何らかの関係があるようで、"ジンに遭遇してしまうから家の周りに、タマネギの皮や汚い水を捨ててはいけない"といった考え方がトルコにもあったようです。
えっ、タマネギの皮で寄ってくるの?
ジン、タマネギの皮好きなのかなぁ……。気になるなぁ。
汚い水はね、なんか"家の周りきれいに保ちましょう"って教訓なのかと思うけど。タマネギやニンニクも、それ系統? だけど"金"になるんだよね? 不思議が花開く中東文化。
"タマネギの皮"が"金"になったら素敵だなあ!
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※エピソードは、新紀元社の本を参照しました。書籍タイトルをメモってなかったので、今となっては詳細不明。しかし、わかったところで絶版なの多い。ああ、詳しく読み直したい。
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"ジン"という存在が、好きです。
魔人、魔神、精霊、妖霊、いろいろと訳されて、複数・単体・女性の場合など、表記違いでややこしいですが、とにかく人ならざるもの。そして人を超えたもの。
熱風から生まれ出でしジン。彼らは火から創られたと言われています。
昔『アラビアン・ナイト』の絵本に夢中になったせいでしょうか。
魔人が出るたび、その活躍にワクワクしたり、理不尽さに憤慨したり。
有名なのはランプの精(?)ですが、漁師の網に引っかかった瓶から出てくる魔人も印象的で。
(2005年絵)
最初は「自分を開放してくれた人の望みを叶えてやろう」と思っていたのに、あまりに誰も引き上げてくれないものだから、何百年も経つうちにすっかり擦れて、ついには「自分を出した人間を殺してやろう」と誓った魔人。
漁師はそれを聞いて機転を利かせ、再び魔人を瓶に封じ、海にポイするというお話。
魔人……、順当に漁師に富みを与えていれば、自由の身だったのに。
逆恨みは幸せを生みませんね?
その瓶は、もしかして今も海底を漂っているのでしょうか?
創作小話が作れそうな好物エピソードです。
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【おまけ その1】
2008年頃、自ホームページに使用していた4コマ。
このままデータが消えるのも忍びないので、下手だけど持ち出してきました。ページの"にぎやかし"にでもなれば幸いです。
読み順:左から右へ。
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【おまけ その2】
ランプの魔人が好きすぎて、天理妙我様にフェルトで作っていただきました!
めちゃカワ! ファンキーな容姿はもちろん、ランプから出るところの表現方法とか、自立する点に痺れます! ターバンも丁寧で、おヒゲも魅力♪
左は世界最古のスマイルマーク土器。3700年前のヒッタイト文明時代のもの。発掘されたのは2017年頃なので、私が知ったのもその頃なんだけど、2021年7月、ガジアンテプ考古学博物館に展示されたと再び話題に。天理様の再現度が最高です!
天理様のページはコチラ⇒ https://29321.mitemin.net/
すっかり「みてみん」を案内してますが、大抵そらちにおいでます。
お読みいただき、ありがとうございました(^^)/
気が付くと、またうっかり1か月(以上)経ってました。更新間隔。




