3.水の精と男の子(スロベニア)
~ 「生きてる人間の子だ!」
ある日、水中に落ちてきた子どもに、水の精は大喜び。
水の精は男の子を自分の城へ連れ帰り、いっしょに暮らそうと考えました。 ~
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スロベニアの民話ですが、同じ話がセルビア(ブルガリアの上)にも。
このあたりは境界があいまいで、伝え語りの物語に国境はないという感じです。
参考にした本がスロベニアになっていたので、スロベニアでご紹介しました。
ちなみに位置はここ。私は何度見てもこのあたりの国位置を覚えられません。
もはや諦めています。
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さて、水の精は男の子を連れ帰り、美しい水晶の部屋に寝かるのですが、「家に帰りたい」と泣かれてしまいます。
困った水の精は、次に銀の部屋、金の部屋、宝石の部屋へと連れて行ってご機嫌をとろうとするのですが、やっぱり家族や友達に会いたいと泣く少年。
そこで彼女は、寂しく思いながらも、彼を地上世界へ戻すことにします。
やさしいなあ…!!
その上、帰す時に、男の子のポケットにたくさんの宝石を詰め込んであげるという。
めちゃくちゃ良い水の精です。
物語で、なかなかここまでしてくれる水の精のお話に出会ったことはなかったので、かなりジーンと来たのでした。
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水の精、いつも水に落ちる生き物は命がなく、がっかりしていたらしいです。
そこに生きてる子が来たもんだから、大喜び。留めようとし、だけど泣かれて帰してあげる。
ない! 普段の伝承系でこんなに優しい水の精はまずいない。
大抵奪ったり、リスクつけたり……。
なので、寒々しい絵柄ですが、水の精の優しい心に、新年更新の話題としてセレクトしていいよね? とご紹介なのでした。
お読みいただき、ありがとうございます(^^)/
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