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~世界の民話・伝承集~最奥の森、最果ての海。  作者: みこと。@ゆるゆる活動中*´꒳`ฅ


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27/50

27.木の魚(中国)

 ~ 大変な美食家で知られた西太后も、加齢とともに料理への興味をなくし

 その御膳はいつも、ほぼ手付かずで戻ってくるようになっていました


 これを嘆いた料理人は、ひとつの賭けに出ます


 木の魚で料理を作り、彼女が気付くかどうか、試してみようとしたのです

 もちろん気付かれれば命はありません


 命は惜しい

 けれど気付いて欲しい!

 料理をみて欲しい!!


 複雑な願いと共に供された料理は、しかしそのまま下げられ

 料理人に何のお咎めもありませんでした


 そう。西太后は木で作られた魚の料理に箸をつけることもなく

 まったく気付きもしなかったのです


 命は助かったものの料理人の失意は深く

 彼はいずれ宮廷を去ったといわれています ~


 挿絵(By みてみん)

 (絵 2006年)


◆◆◆


 何もわざわざ、命がけでニセの魚料理を出さなくても……。


 と、思うのですが、これが職人魂と心の叫びだったのでしょう。


 過去に見たTVで紹介されたエピソードだったので、詳細を忘れてしまいましたが、この時再現された"木の魚"料理には、()や野菜がかかっていて、本物そっくりに見えました。


 実物もそうだったとしたら、うまく作り過ぎたのでは?


 ちなみに"餡かけ料理"。


 芝居を見ながら食事をするのが好きな西太后のために、料理が冷めないよう考案された料理だったようです。


 西太后は歴史にも料理界にも大きな影響を与えたようで、いまの有名料理の数々も、彼女のために開発された品が多いそうです。

 へぇ……!

 餡かけ、好物です、私。


 西太后の御前に、テーブル所狭しと並べられる豪華料理。

 観劇しながら箸をとるスタイル。


 それは……料理ひとつひとつなんて、そんなに見てないから、木の魚も気づかれなくて仕方ないんじゃ……とは思います。いかがなものか。


◆◆◆


 ところでこの話聞くと、中国のお抱え料理人の漫画(『沈夫人の料理人』)を思い出します。料理人の主人に対する忠義が熱い! そして料理への熱意が高い。すんごいなぁ、職人さんて。

お読みいただきありがとうございました(^^)/

中国ネタ、書いてるつもりで、まさかの初出でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 猫舌の私にとって餡掛け料理はトラップです。 冷めたかなー?もういいかなー?と思い頬張り何度舌を火傷したことか……(←学習しない) 美味しいのに、美味しいのに! すごい話ですね。命懸けでする…
[良い点] 加齢で料理への興味を失くした人に対して、ひとつの賭けに出た! 普茶料理みたいな植物由来の「もどき料理」に変えるとか段階を踏んでからと思ったのに、途中をすっとばしてやってる事は最終手段・木…
[良い点] 挿絵に吹きました笑 なんでか、ツボに入ったw これ、「木の魚」のストーリーを知ってても知らなくても、左上の部分にセリフ入れたら楽しそうですねぇ (≧▽≦)! 面白い話だなぁ
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