25.灰は星に、天なる川に(アフリカ)
~ 少女が竈の灰を撒くと、月しかなかった夜空に、薄く白く光る天の川が生まれた。
続いて少女はフィンの木の根を空に投げ、あまた光る星をつくった。
フィンの木の根は、若木は白く、老木は赤いのだが、少女が取り混ぜて放ったため、星は、赤、白様々に輝いているのだという。 ~
(絵 2006年)
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"天の川"が出来た伝説は、世界各地にいろいろあるのですが、"竈の灰"というのは珍しく、何となく惹かれましたので、この説をご紹介しました。
灰が、天を横切る大河になるなんて、なんかロマンです。
それにぼやけた光り具合と細かさは、灰だったと言われたら説得力があるような気がします(気のせい?)
それに年老いた星が赤で、若い星が白だなんて、そんなことまでわかってたなんてすごい。
いつの伝説なの? これ、と問いたくなります。
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"天の川"起源でほかに有名なものといえば、
女神ヘラの母乳が流れて出来た乳の川(※ミルキーウェイの語源)
女神イシスが怪物から逃げる時に目晦ましにこぼしたという麦の穂
(※エジプト起源なので、お近くのペルシャ、トルコ等は、天の川のことを"麦の道"と呼んでいるみたいです。なのにアラビア語ではナハル・アル・ハリーブ! 乳の川じゃん。なんで?)
死者の魂が天に辿る道(※アメリカ・インディアン)
漢水の川の気が天にのぼった銀漢・天漢(※中国)
切った瓜から溢れ出た水(※日本)などなど。
余談ですが、古代ギリシャ語で"乳の川"をガラクシアス。
ガラクシアスが変じて英語で銀河はGalaxyとなったとか。
関係ないのだけど、トルコの"ガラタ"も"乳"という意味だと聞いたことがあります。(トルコ語で牛乳はsutですけど)
これもひょっとして、そちらから来ているのかな?
ケルト語も"乳"は"ガラタ"だって! すごいなぁ。いろいろつながっているんですね?
付け焼刃で調べたものなので、相違多々あろうかと思います。
ご指摘、ご意見いただけましたら幸いです。
ところで作中に出てくる"フィンの木"ってどんなんでしょうねぇ。
お読みいただきありがとうございます(^^)/
ご感想もお返事出来ていませんが、大切に読ませていただいております!
5月6日いただきましたご感想より、アフリカ題材の伝説を選んでみました。アフリカは3つくらいしかストックないのですが……。こちらはそのひとつです。




