24.床屋とオバケ(インド)
~ 夜、木の下で休んでいた男が、オバケと会ってしまった。
「おまえはここで何をしているのだ?」
「はい。私はオバケを商っておりまして、先ほども一匹捕まえたところです。ご覧になりますか?」
男の鞄の中には鏡が一枚。
しかし、それを見たオバケは……。 ~
(絵 2006年)
◆◆◆
とても人の好い床屋さんが、あまりにイイ人すぎて商売にならず、愛想を尽かした奥さんから、家を追い出されて話が始まります。
夜、木の下で休んでいると、オバケと出会ってしまうのですが、咄嗟の機転ですっかりオバケを言いなりにしてしまい、家や財宝を貢がせるのです。
鏡に映ったオバケ。
それが自分の姿だと思わずに、相手がオバケ狩りの名手で、同胞が捕まってると勘違いするわけですね?
てか、オバケ鏡に映るんかーい。
このお話の楽しいところは、オバケは一匹ではなく、その叔父というオバケまで出てくるところ。オバケはまとめて床屋さんに使役されます。
ラストはもちろん床屋さんが幸せになって終わります。床屋さんがいい人なので、オバケも無事。
いろんなお話があるインドの民話の中でも、日本人にわかりやすくまとまっていてなかなか好み。明るい展開なのも、良いです。
はじめて読んだのは「語りつぐ人々 インドの民話」ですが、その後子ども向けの図書「世界のおばけ話」(偕成社)でも取り上げられていて、やはり日本人好みなストーリー展開なのだわ、と、ひとり納得したり。
ちなみに「語りつぐ~」では"幽霊"と書かれていましたが、「世界のおばけ話」では愛嬌のある"木のオバケ"となっていました。
幽霊だと生々しいので、オバケ設定も良いと思うのですが、でも木の姿をしたオバケだと言われると、最初に描いた絵は一致しないと気付きました。え~~。じゃあ、こんな感じかなぁ……。
しかし青年の方がウケるだろうと、最初の絵も残す。構図はじめ自分なりに凝ってたし。手とかね、長すぎるけど。そこはまあ……見て見ぬふりで。
お読みいただき、ありがとうございました(^^)/




