22.見えない貴婦人(不明)
~ とある時代、とある国
戦争で捕虜となった兵士たちは、敵陣の牢獄で、
日ごと無気力になっていきました。
ヒゲは伸ばし放題で。髪も梳かさず、服装はだらしない。
戦う意志も、生き残る気力も萎えていきます。
そんな兵士たちを見た隊長は、提案しました。
「皆、今からこの牢屋には、とびきりのレディが一人いらっしゃると考えてふるまおう」
それから兵士たちの様子は、がらりと変化しました。
身だしなみは欠かさず、牢の中をカーテンで仕切り、粗相をしてしまったときは「失礼」と謝罪する。
見違えるように変化した兵士たちの様子に、敵兵たちは怪しみます。
そしてついに「おまえたちは女を隠しているだろう?!」と尋問にまで及んだのです。
敵兵にここまで確信させた想像上の貴婦人。
兵士それぞれが思い描いた"たったひとりの彼女"は、本当に最高のレディだったのでしょうね ~
◆◆◆
うんと昔、まだ私が10代のころ新聞に載っていたお話なので、実話らしいのですが細かな点は忘れてしまいました。
素敵な話だな、と感銘を受け、いまだに好きなエピソードです。
でも子ども過ぎた当時の私は、気づいてませんでした。
兵士の皆さん、各自、郷里に残した自分の想い人を思い描いていたのかも、と。
さぞ会いたかっただろうなぁ。結末を知りませんが、無事帰国出来たことを祈ります。
お読みいただき、ありがとうございました(^^)/
絵を消し過ぎましたでしょうか? ブラウザによって見え方が異なるので、不安です。
そして2か月ぶりの更新なのに、2話連投してしまいました。時間空けたら良かったような。




