20.金のなすび(韓国)
~ 「本当に誰が植えても金のナスビがなるのか?」
「はい、王様。一度もオナラをしたことがない人物が植えると、金のナスビがなります」
王様の問いに、少年はさらりと答えました。 ~
◆◆◆
昔、とある国の王様には、それは美しいお妃様がおいでたそうです。
ところが、王様のお食事を運ぶ途中、お妃様がオナラをしてしまったそうです。
王様は怒って、お妃様を島流しにしました。
それから数年……。
お妃様には可愛い男の子が生まれて、すくすくと元気に育っていました。
王様とのお子でした。
ある日、男の子は父がいない理由を母に尋ね、一連の事情を聞きます。
男の子は話を聞くと、さっそく王様のお城がある街に赴き、"金のナスビ"の種を大声で売ってまわりました。
噂はお城にも届き、王様に召しだされました。
王様が"本当に誰が植えても金のナスビが出来るのか"尋ねたところ、男の子は"一度もオナラをしたことがない人が植えると金のナスビが出来る"と答えました。
「一度もオナラをしたことがない人間などいるわけがない」
王様は怒り出します。
「では王様、この国ではオナラをすることは罪にはならぬのですか」
「当たり前ではないか」
憤慨する王様に、男の子は自分の母の身の上を話し……。
王様と男の子もとてもよく似ていたことから、あとは、お妃さまも許されてお城に戻り、めでたし、めでたしという運びになるのでした。
◆◆◆
なぜナスビ?
そして、どうしてお妃さまがお食事を運んでいたの??
昔話ですから、追及してはいけない謎部分もあるので、そこはそれとして受け止めるとして。
オナラだけで島流しなんて、恐ろし過ぎです。宮仕えなんて到底したくない! いえ、やろうと思っても出来るものでもありませんけど!
ちなみに韓国の昔話とありましたが、日本にもそっくりのお話があるようです。
"一度も〇〇をしたことがないなら"という条件、お釈迦様のお話の中にもありますね。でもこういう使われ方もあるのか、と感心したのでセレクトしました。ナスビ、初夢の条件でもありますが、やっぱり何だかんだかで、おめでたい印象がある実のようです♪
お読みいただきありがとうございました。
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