少女とメカニックと安全講習 前編
日常な短編集になります。
〇フソウ ドーム都市内隔離区画
空にはドーム都市の半透明の屋根が少しだけ存在を主張している。そこから透けて見えるのは、昼時をやや過ぎた明るい曇り空だった。
ここは貧困国フソウのドーム都市だ。
大国同士が抜け駆けを牽制し合っていたため、新規ドーム建設はいっこうに進まない。どこに、どれくらい大きさのドームを作るか日々揉めている。開拓が始まってからの大国間競争で浪費し続けた月日は、どれほどまで積み上がっているのかも分からない。
その一方で、母星外縁の辛く厳しい生活を捨てる人は後を絶たない。第二のゆりかごでのある開拓星への流入は、ひっきりなしに続いていた。
新天地への希望と、不信によるけん制がぶつかり続けている。そういう事情の落とし子として、高密度で少し無計画な高層ビル群が乱立していた。
人々の暮らしを支える少しごちゃごちゃとした都市の端に、隔壁で閉じられた区画があった。そこは危険物を取り扱う設備が集められた隔離区画だ。特に危険である人型兵器を扱う武装警備会社も、この区画に集められていた。
格納庫と繋がっている中層建築が並ぶ地区の中に、盾に桜の社章とサクラダ警備と銘打たれた看板が掲げられていた。
それがサクラダ警備の社屋である。
格納庫には人型兵器が立ち並んでおり、整備と点検を待っている。今日の出撃予定はない。武装警備員というものものしい名前の仕事であっても、戦わない時だってある。今日はそんな一日だった。
フソウの比較的平和な日常が始まろうとしていた。
〇フソウ ドーム都市内隔離区画 サクラダ警備社屋
サクラダ警備の廊下に、ぺたりぺたりと間延びした足音が響く。青空を思わせる蒼い作業服を着た黒髪ショートヘアの少女が、とぼとぼと歩いていた。
歳のわりにくたびれた空気をまとわせつつ、どんよりとした冴えない印象を撒き散らしている。手に持ったタブレット型情報端末をじっと見つめながら、肩を落として、ぺたり、またぺたりと力なく歩いている。
うつむき加減の顔から垂れた黒の前髪から、垂れ気味の丸目が見えた。疲れににごった瞳は、タブレット型情報端末の光を照り返している。
半分死んだようにさえない顔には、少しの元気も感じられない。疲労が込められた深い深い溜息が漏れた。
「はぁ……。なんか、もう、毎日、覚える事ばかり……」
少女はサクラダ警備と試用契約を結んだ新人候補、アオイだ。
アオイは昔から暗記が苦手だった。そのうえ、覚えなければならないのは、少しだって興味が湧かない銃器や戦術についてである。渡されるテキストを食い入るように見ているが、一向に覚えられる気がしなかった。
「いや。でも、ソウと一緒に戦うためには……!」
ある同僚の顔を思い浮べる。入社してから、相棒として肩を並べる少年の顔だった。
これっぽっちの愛想もない少年であるが、とにかく腕が立つ。はるかに上の実力を持つ彼と一日でも早く対等になりたかった。
「もうちょっとだけ頑張ろう」
そう思って、まぶたが僅かでも開くように力を込めた時だった。
やたらと無機質だが良く通る少年の声が、前の方から聞こえてくる。
「……あれ? ソウと……誰の声?」
もう一つの声は、聞いたことの無い少女らしき声色。声に導かれるようにたどり着いたのは格納庫の扉だった。
アオイにはやや重い、格納庫への扉を開ける。目に入ってきたのは高い天井の広い空間と、人型兵器である通称人戦機の立ち並ぶ姿。
段々と見慣れた格納庫の真ん中で、口論をしている少年と少女がいた。
少年は、刺々しい逆巻く髪と切れ長の三白眼に仏頂面と言う拒絶感の塊のような容姿をしている。相棒のソウだった。
一人の少女が激しい口調でソウへ何かを力説している。
クリっとした丸目につるりとした額、頭のゴーグルと太いお下げ。活発な印象を与える少女だった。歳はアオイと同じかやや下に見える。作業服と手に持った工具から、メカニックだと分かった。
その少女が声を張り上げる。
「だから! 確かにシドウ一式はボロッとした感じっスけど、可能なものは換装してるから、シュバーンって感じっス!」
「意味不明だ」
「かー! なんでこのキャーンな説明で通じないんスか!?」
頭を抱えて嘆く少女。大げさなリアクションとやたらと張った声が、静けさを好む脳髄を突き破る。
(あのテンション……。ちょっとキツイなぁ)
少女は勢いよく立ち上がり、装甲を取り外したシドウ一式を指さした。筋肉に瓜二つの内部機構を持つ人型兵器は、人体の解剖模型に似ていた。
シドウ一式を見ていると、少女のむやみに張り上げた声が鼓膜を突き破る。
「ギュンギュンなマッスルアクチュエータ! あれを見て、何も感じないんスか!?」
「得られる情報は皆無だ」
口論の経緯について見当もつかなかったので、ソウたちに近づいて事情を尋ねる。
「あの……。ソウ、何しているの?」
だが、返事が来る前につるりとした額が印象的な少女が割り込む。クリっとした目がこちらを見上げてきた。
「あ! あなたがアオイさんっスね!? トモエさんから聞いた通り、ハニュっとした感じだなぁ」
「確かにアオイですけど……。は、はにゅ?」
困惑で目に力が入ってしまった。だが、相手の少女は気にする様子もない。
「あ、自己紹介が遅れてヒャーンでした! 自分、サクラダ警備のメカニック担当のリコっス! 今まで他社へ出向と言う名の出稼ぎをしてたんで、挨拶が遅れたっス!」
「よ、よろしくお願いします」
「自分、歳下なんでホロンとした感じでいいっスよ!?」
感性全開の口調に気圧される。
先輩社員に悪印象を与えてはいけない事を、それなりの人生経験で知っていた。この場合は何が正解なのか。それで今後の社会人生活が変わってくるかも知れない。
まずは、リコが何を言わんとしているか想像をしてみる。
(砕けた感じって……事?)
多分これだ。そう思って口を開く。
「じゃあ、よろしく。こんな感じで大丈夫かな?」
「グググっス!」
リコが親指を立てて、ニカっと笑った。圧倒されるテンションへのたじろぎで、ほほえみ返したつもりでも、微妙に口が引きつってしまった。
だが、欲しかった情報が得られていないことに気づく。興味なさそうに見つめていたソウに事情を聴いた。
「で、ソウは何をしていたの?」
「人戦機の換装について話していた」
「換装?」
「シドウ一式の性能向上についてだ。新型機の手配は無理にしても、性能向上の余地は無いか聞いていた」
シドウ一式は往年の傑作機だ。だが、現在は旧式の代名詞でもある。
新人でも、もっとましな機体に乗るケースも珍しくない。だが、武装警備業界の拡大に伴う需要増に対して、人戦機の生産は追いついていない。
結果として、新品と中古品共に品薄で購入が難しいとトモエから聞いていた。
「あー。買うのが難しいから、改造ってこと?」
二人の間にリコがズイっと入り、腰に手を当てて誇らしげに声を上げる。
「だから、さっきも言ったように二人のシドウ一式はギュンギュンなんスよ!」
「それが意味不明だと言っている」
普段は感情を示さないソウに僅かな苛立ちが見える。
(この二人。ダメな感じがする……)
論理重視のソウと、感性重視のリコ。仲良くやっていく姿が想像できなかった。
どうしようか途方に暮れていると、後ろから芯の通った女性の声。
「なんだ? 随分と騒がしいじゃないか?」
振り返って目に入ったのは長身のシルエット。
作業服姿でもよく分かるスラリと伸びた脚に、鍛えた者特有の均整の取れた身体つき。シャープな顎に薄い唇。うなじですぼまるよく整えられたショートヘア。そして、無機質なバイザー型視覚デバイスと大きな傷跡。
それはサクラダ警備社長のトモエだった。
「あ、トモエさん。どうしたんですか?」
「ちょっとリコに用事がある。リコ」
「トモエさんじゃないっスか。どうしたんスか?」
「実は――」
リコとトモエが話し込む。
休戦状態となったソウだったが、若干のいら立ちが残っていた。
危険に突っ込むのは避けた方がいい。長年かけて磨いた危機察知センサーに従って、微妙に距離を開けて立っていた時だった。
「――と言う訳だ。改装を急いでくれ」
「了解っス!」
やたらと張った声でトモエを見送るリコ。頭のゴーグルを下げ、ふんすと鼻息を一つ。
次いでゴーグルについているボタンを押すと、ガラスに何かチラチラと明るい物が映った。
疑問が思わず声になる。
「ん? 何か映ってる?」
「拡張現実による作業指示っス。どこをどういじればいいとか。使うのはこれからっスけど作業前点検ってやつッス」
よく見ると、リコのゴーグルに輝く模様は、矢印や文字だった。それを見て、ふと昔を思い出す。
「宇宙船の組み立て作業とかで使っている所、見たかも」
拡張現実ゴーグルは、現実の視野に合わせて記号や指示を投影することで、作業者をサポートするシステムだ。
宇宙船建造に必要な複雑な作業を、全員に覚えさせるのは困難。そのため、率直に言えばあまり優秀でない作業員でも確実に組み立てできるように補佐をする。
確かに、作業員たちがゴーグルの指示通りに何かを組み立てていた。そのことを思い出していると、リコがケラケラと笑う。
「面白いボケっスね。脱出の時に使うじゃないっスか。戦闘用ゴーグルモニターが投影モードから拡張現実モードに切り替わるっスよね?」
「ぅえ?」
「え?」
リコが呆気に取られたように、口を半開きにした。顎に指を当てて唸りだす。
「……アオイさん。安全講習、受けてるっスよね?」
「え? え?」
聞き覚えの無い言葉に、困惑しかわかない。その様子を見かねたのか、リコが場を去ろうとしていたトモエを呼ぶ。
「トモエさーん! ちょっと確認したい事が!」
格納庫の扉付近にいたトモエが戻ってきた。リコが事情を話すと、そういえば、というようにトモエがバイザー型視覚デバイスの上にあるこめかみを叩いた。
「アオイは転職組だからな。この会社では受けてないぞ」
「いや……。そんな感じじゃなくて……」
「え?」
「トモエさん。ちょっと協会の記録を確認してもらっていいっスか?」
トモエが、困惑に眉を歪めたまま情報端末を取り出す。バイザー型視覚デバイスに反射する情報を、不安げに見つめるリコ。
そして、トモエがますます困惑に眉をゆがめた。
「いや、武装警備員協会の記録には講習済みになっているが……。アオイ、受けた記憶はあるだろ?」
「え? 記憶にないですが」
「そうだろ。受けているのが当然……え?」
珍しく連発されるトモエの戸惑った声。綺麗にまとまったショートヘアをかき上げ、薄い唇を困惑に歪めた。
「法律ではないが、慣習的な義務になっているはずで……。本当に?」
トモエを困惑させてしまった事に、なぜか申し訳なく思う。手を組んで唸りながら、無理やりに前の会社の記憶をひっくり返した。
「そう言えば……簡単なファイルだけ転送されて、一分くらいしたら名前を書けと言われた気が……」
トモエとリコ。二人の口が呆れかえったように半開きになった。
「トモエさん、これってギヒャーンな感じじゃないっスか」
「形だけか……。教える人手が足りないとは言え、そこまで……」
二人とも腕を組みながら深刻そうに話し込む。ただ事ではない雰囲気に、思わず事情を聴きたくなった。
「あの……、何かまずい事が」
「アオイさん。端的に言うと死ぬところだったかも知れないっス」
「え!?」
なぜそんな物騒な事に、といまいち事情を掴めない。
「人戦機がグガシャーンになった場合、基本的には人戦機の中にいた方が安全っス。けど、場合によってはシャシュっと脱出しなきゃいけない場合もあるっス」
「う、うん。確かに……。潰されそうになったら、そうしなきゃいけないからね……」
「でも脱出方法を知らないと、シュパーンとはいかないっスよね。だから講習があるっス」
「し……知らなかった!」
確かに、どうやって脱出するか検討もつかない。
辛うじて行動不能にはなっていないが、やられてもおかしくない状況はいくらでもあった。人戦機の中で途方に暮れる自分を想像し、大量の冷や汗が出てきた。
武骨なバイザー型視覚デバイスの上にある眉を曲げ、トモエが申し訳なさそうに口を開く。
「すまない。私の確認不足だった」
「い、いえ。記録上はそうなっていたみたいですし、ワタシもよく分からず名前を書いちゃったのもありますし……」
思い返すほど、前の会社はひどい所だったと思う。
「その代わり、と言っては何だが……。リコ。直ぐに二人へ安全講習を始めてくれ」
「トモエさん。でも、さっき頼まれた仕事は?」
「安全が優先だ。断れない仕事が入らないとも限らない」
「分かったっス! ババンとやっちゃうっスよ! 二人ともヘッドギアを持ってきてほしいっス! 服は作業服のままでOKッス!」
ゴーグルモニター付きのヘッドギアが無いと、確かに始まらないだろう。
そう思って格納庫ロッカーにあるヘッドギアを取りに行こうとすると、隣にとなりにいる相棒が動こうとしない事に気づく。
ソウの元から厳めしい顔に、疑問が浮かんでいた。
「トモエさん。オレもですか?」
「そうだ」
「理由が不明です。同じことを二回受講しても非効率では?」
「サクラダ警備は安全第一だ。確認の意味も込めてだ」
渋々と言った面持ちではあるが素直に従うソウ。その様子に苦笑いを浮かべながら、二人揃ってロッカーからヘッドギアを取ってきた。
何やら色々と準備しているリコが、こちらに気づいて振り返る。
「シュポポンとヘッドギアを被って、シドウ一式に乗り込んで欲しいっス」
格納庫の階段を上がり、空中タラップからシドウ一式のうなじにあるハッチへ身体を滑り込ませる。
コックピットにあるシート。いつもどおりシートベルトをつける。
「えっと。メイン電源を入れて……と」
天井にある電源レバーを捻ると、ゴーグルに文字列が大量に流れる。
メインバッテリー起動から、各種アクチュエーターの異常有無。各種チェックが終わると、人戦機の見る画像がゴーグルに投影される。
眼前には、シドウ一式の高さから眺める格納庫が映る。視界の下の方で、リコが手を振った。同時にヘッドホンからリコの声が。
「じゃあ、始めるっスよ。退避誘導モード起動するっス!」
「う、うん」
人戦機が見つめる映像が消え、半透明ゴーグル越しに赤い照明の灯るコックピットが見えた。視界端に退避誘導モードの文字と右向きの大きな矢印。
「まずは、ヘッドギアに防護マスクをつけるっス。ウラシェでは未知の病原体がいるかも知れないっスから、野外活動では防護マスクが不可欠っス」
「うん。この前の任務でも付けてたから知っているよ」
「じゃあ、問題ないっスね。指示どおりに付けるっス」
「分かった」
矢印に従って横を向くと口元を覆う防護マスクが掛かっている。
存在自体は知っているが、非常時には慌てて忘れそう。そう思いながらマスクを取る。
マスクを手に取った事を認識したのか、ヘッドギアへマスクを固定するアニメーションへ切り替わる。
「このとおりにすればいいのかな?」
モデルどおりの動きで、パチンとヘッドギアへ留めていく。そこにリコの確認が聞こえた。
「そろそろマスクを付けた頃っスか?」
「うん。付け終わったよ」
「じゃあ、表示が切り替わるはずッス。次の矢印はどこに出てるっスか?」
リコの言うとおり取り付けアニメーションが消え、今度は下向きの矢印が表示された。
「えっと、操縦席の下だね」
「じゃあ、下にあるハッチを指示に従って開けるっス」
下を向くとハッチが見える。矢印が消え、ハッチの外枠に沿って輝線が表示された。
「ここか……」
近づくとレバーを指す矢印が表示された。指示どおりにレバーを引っ張り内容物が露わになると、思わず息を呑んだ。
「これ……! 銃!?」
「信号弾用のやつッス。通信できないから、取り忘れるとまず遭難っス。あと一緒にある非常食と水も忘れずに持って行くッス」
ひも付きの袋に入った非常食を肩に掛ける。更にリコの指示。
「じゃあ次、天井のレバーに向けて矢印が出ていると思うっス。それを引っ張るっス」
リコの言うとおり、今度は矢印が上に伸びている。仰げば、狭いコックピットの低い天井とレバーが見えた。矢印がレバーを指す。
「これかな?」
レバーをグイっと捻ると、ガコンと音が響き、いつもの出入り口から格納庫の照明が差し込んで来た。
「電源が落ちても機械式で開くから、そこから脱出して欲しいっス」
「いつもの出入り口だよね? そこがダメになる事ってないの?」
「大丈夫っす。被弾率が低いうなじだし、懸架バーや兵装スロットもガギュムってなっているから、グシャシャーってなる事はまず無いっス」
「なるほど」
意外と技術的な事をいうな、と感心していると通信ウィンドウに切れ長の三白眼の少年が映る。
「アオイ。彼女は何を説明している?」
「首筋付近が色々とくっついているから頑丈で、潰れる事は無いって」
「なぜ今の説明で理解できる?」
「そりゃ……」
冷静に考えると、リコの単語選びは普通ではない。
「え? なんで?」
それを理解できる自分が急に怖くなる。
「それはオレの質問だ」
「うーん。そう言われても……なんとなくとしか……」
ずっと人の顔色を伺って生きてきた。何を言いたいのか、何をしてほしいのか察する能力だけは、人一倍あるのかも知れない。
(なんか、あんまりかっこよくない才能だなぁ)
妙ながっかり感を覚えていると、リコの張った声が聞こえた。
「はいはい。続けるっスよ! 繰り返すっスけど、うなじの懸架バーのおかげで搭乗口がつぶれる事も塞がることも無いと思うっス! もし、どちらかの機体がグシューンってなったら、そこを掴んで引っ張るっス!」
通信ウィンドウに映る切れ長の三白眼が、いっそう歪む。
「アオイ。今のは?」
「戦闘不能になったら、首の所を掴んで安全な所まで引っ張るって事……はず」
直後にまたしても張った声。
「アオイさん。ギュンギュンじゃないっスか!」
リコが親指を突き上げながら、暑苦しい笑顔を向けてきた。
「はは……。当たってたみたい……?」
「あとは、降りてくればいいっス」
コックピットから出るのはもはや指示が無くても問題ない。いつもどおりに床まで降りると、なぜかにやけたドヤ顔を浮かべながら待っていた。基本的にこの表情なのだろう。
「はい。じゃあ、実技はここまでっス!」
「これ、知らなかったら危なかったよ……。でも、これで演習も無事――」
「じゃあ、次は講習試験っス!」
「ぅえ?」
またしても変な声が出てしまった。
「これから、テキストと動画を送るっス! ビシュシュッと覚えているか、自分がチェックしていくッス。もしも、覚えられなかった場合は……」
「お、覚えられなかった場合は……?」
リコがにやけたドヤ顔を急に真面目な物に変えた。
「……クビになるかも知れないっス」
「えぇぇぇ!?」
アオイの試練はまだまだ続く。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
キャラ紹介:リコ
奇怪なメカニック




