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第9話・非常勤のジレンマ

わたしは、いくつかの施設入所者の調剤もしています。ちょっとここは薬剤管理がいい加減ではないか……と思う施設が1か所ありまして。今回は愚痴です。非常勤なので発言権はない。そういう意味では大昔の現役時代が懐かしいです。


処方箋になんらかの不備があれば、疑義照会をするのは、当然だが、疑義照会を面倒がるところがあるのですよね。処方箋通りに薬を作ってくれたらそれでいい……何回か経験している。しかし薬剤師は単なる調剤屋ではない。下請け機関でもない。


そこの施設はちょいちょい、患者の名前も日付もなしで無記名で、分包してくれといってくる。なぜだろう……施設担当の常勤に聞くと、他の患者に使いたいので、無記名でということらしい。それって、その患者以外の患者に使うって、おかしくないかっていうと、そうなのと薬局長も困った顔をする。


保険請求はどうしているのか。カルテは? また患者本人はわからなくとも、これを患者家族や支払い代理人が知ったらどうなるか。当然良い感情を持たれないだろう。


病院勤務にいたころ、眠剤や鎮痛剤で無記名でストックしておくことはあった。真夜中に医師を探し出して処方箋を書いてもらう時間がない場合、先に薬を投薬して後出しで処方箋を書いてもらう。やや変則的だが、夜間勤務で医師が救急に取られて時間がない場合など理由がわかっていたので、薬局も黙認という形だ。


だがこの場合は違う。しかも、血栓防止剤や血糖降下剤などがある。節操がないにもほどがある。もし何かあれば薬局にも責任がかかるだろう。こんなやり方に調剤をして調剤印をするのは気がすすまない。それで当該の施設看護師に電話で、なんでって聞いたら明らかに「うちはそうなんです。医師が判断して出しているから薬局は調剤をしてくれたらそれでいい」 っていう。で、なんじゃその言い方は → で、言い合いになった。名前も聞かれて答えるが非常勤のくせにという感触もあって、わたしも怒る。


てか、薬剤師なら怒るのが当然だろ。って言うと薬局長もうんざり顔で、そこは昔からの慣習になっているようですし……って。ワーファリンだぞ、どういうつもりだ。今後そういうのが出たらわたしは調剤印も監査印もつかないからっていうと、薬局長も頭を抱えた。


薬局は医療の下請け機関ではない。患者を守る機関でもあるって思っているから声を出す。こういう場合、名前の出る医師は絶対に表にでない。看護師に言われてハイハイって出すのもどうかと思うけど。こんなことで施設と薬局との仲が悪くなってどうするのか。って思っています。

毎日山積みの仕事をしているけど、ひっかかりがあると、とことんまで思い詰めてしまいます。




※ 数日後、処方の名前が出た医師との話し合いが成立し、自重していただくことになりました。それで今回書きましたが、稀に信じられないことを要求する施設もあります。(それはまだ書けない) 配薬ミスの話など……いろいろあります。





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