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Nostalgia world online  作者: naginagi
第二章
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ひっそりと生産活動③

 帰宅した私は夜ご飯前に水をやるためにログインする。

 土の具合を見たところ、どうやら一日ぐらいならばなんとか大丈夫そうだ。

 なので水をやった後ログアウトして夜ご飯やお風呂などに入っておく。

 今日中にレッドポーション作れるといいなぁ…。


 再度ログインした私は、ペットの二人を召喚する。

 レヴィはいつも通りだけど、ネウラが少しずつ喋れるようになってきているから早く話してみたいな。


 さてと、ではやりますか。

 ではまず集めたコキノ草とカミツレ草を机の上に出す。

 とりあえずポーションと同じようにまずはコキノ草をすり潰すとしよう。

 すり潰す時間としては薬草よりは掛かるけど、精々一、二分長く掛かる程度でそこまでの変化はない。

 問題はこの後だ。


 今までならすり潰した粉末を水に溶かせばよかった。

 しかし、今度は素材を二つ使っての作製だ。

 今まで一つの素材でできる事で試せばよかったが、それが二つになれば組み合わせは単純に数倍に跳ね上がる。

 とはいえ、そこまで試す選択肢は多くないだろうからいいんだけど、これが配合率の問題となったらもうお手上げだ。

 配合率の誤差が1%間隔なのか、0.1%間隔なのかという領域までいったら、にわか生産者の私では手も足も出なくなるためだ。

 そんなことにならないことを祈ろう…。


 なので先程すり潰した粉末を別のところへ移し、カミツレ草をすり潰す。

 こちらの方が柔らかいためかすり潰しやすかった。

 それでこのすり潰したのを合わせて水に溶かす。

 水の割合はポーションで一番よかった割合にした。

 混ぜていると一瞬光るが、色々な色が混ざった色をしたどろっとした物が出来た。



 失敗したゴミ【消耗品】

 作製に失敗した物。何の役にも立たない。



 私はそっとそのアイテムを破棄してなかったことにした。

 少なくとも、効果が薄いとかにならなかったことから、これではダメだということはわかった。

 しかし、コキノ草には試し方を変えるような部分が根っこか葉のどっちかということなので、色々試す先があるカミツレ草で試してみることにする。


 今度は全体ではなく、花となっている上部分だけを残してすり潰してみる。

 コキノ草については先程と同様に全体をすり潰している。

 そしてすり潰した物を水の割合は一緒のままで、それぞれ混ぜ合わせてみた。

 しかし、今回も失敗したゴミが作製されてしまったため、根っこは関係ないものと判断する。


 となると、カミツレ草の白い花びらか中心の黄色のどちらかが必要な成分と考える。

 なので次に中心の黄色だけを残してすり潰してみる。

 うん、真っ赤なコキノ草の粉末と、黄色だけが残ったカミツレ草の粉末を同時に見ると目がちょっと痛くなる。明るい意味で。


 とまぁそういうギャグは置いといて、同じように混ぜ合わせてみる。

 しかし今度も失敗だった。

 となると、残されているのは白い花びらのみだ。

 これでうまくいかなかったらどうしよう…。


 慎重に白い花びらだけを取りすり潰していく。

 それを再度コキノ草の粉末と混ぜ合わせる。



 レッドポーション【消耗品】

 回復量:28%



 おー! できたー!

 でもなんか回復量が低い…。

 ということはおそらくどれかの量が足りなかったのかな? もしくは水が多すぎた?

 コキノ草かカミツレ草の量となると更に使わないといけなくなるので、まずは調整しやすい水の割合から変えていく。

 ということで、まずは先程の量から少し減らしてみる。すると…。



 レッドポーション【消耗品】

 回復量:29%



 回復量が上がったということは、水の量が多かったということだ。

 そういえばレッドポーション飲んだ時って普通のポーションより苦かった気がする…。

 ってことは、水が少ない分苦味とかを薄くできてないってことだよね?

 どうにか美味しい味にしてみたい…。

 まぁ今回は作製がメインだからそのまま作るとしよう。


 それから水の割合を調整しつつ作った結果がこうなった。



 レッドポーション【消耗品】

 回復量:37%



 普通のレッドポーションより少し回復量も上がってるし、これなら売れると思う。

 ということでルカに連絡っと。


 しばらくするとルカが家に来た。

 てかメッセージ送って十分位で到着って…もしかして待機してたの…?


「来たよ」

「うっうん…早かったね…」

「それで、空き瓶足りないの?」

「えっと…一応レッドポーションできたから報告しようかなーって…」

「さすが私のアリス。仕事が早い」

「えっ? 私の?」

「気にしないで」

「うっうん…」


 なんだろう…最近ルカだけじゃなくて海花やリンもおかしいような…。

 気のせい…だよね…?


 効果が低いのも合わせて作製できたのは四十六個。

 この内ルカに渡すのが十個なので、販売できるのは三十六個となる。

 んーでもこれじゃあ全然足りないから、もっと多く数を集めないといけないかなぁ。

 けど畑の様子から、明日には植えていたコキノ草とカミツレ草が収穫できそうだから倍には増やせるかな。

 でもそうすると明日が暇になっちゃうから、また遠出して集めてこないとダメかな。


「ルカ、空き瓶って今どれぐらい作ってる?」

「今大体五百個超えたところ」


 んっ? 聞き間違いかな? 五十個の間違いだよね?


「ごめんルカ、聞き間違いたかもしれないからもう一回言って?」

「大体五百個作った」

「…ねぇルカ、まだ一日…というか一日も経ってないんだよ…? なんでもうそんな量いってるの!?」

「本気出した」


 本気出せば一日五百個作れるってどういうこと…。

 たぶん何かのスキルを併用して作ったんだよね…?


「これが愛の力」


 なんかルカがボソッと言ったけど聞き取れなかった。

 とりあえずこれ以上ルカを酷使するわけにはいかない。一旦止めてもらおう。


「ルカ、今のところ五百個あれば十分だから…一旦止めて大丈夫だよ…?」


 何故止めたらそんな寂しそうな表情するの…。

 ともかく説得しないと。


「ルカもやりたいことあるでしょ? 私に構ってばっかりだと好きな事できないから、ね?」

「…わかった…」


 不服そうだけど、一応納得してくれたようだ。

 それにしても何がルカをそこまで掻き立てるのだろうか…。


 話し合いの後、ルカに約束分のレッドポーション十個を渡す。

 残りはまた新しくできてから渡すということで、空き瓶を二百個だけ貰った。。

 でもよく考えたらレッドポーションだけで借金返済するには一万個作らないといけないんだよね…?


 現在プレイヤーが約二万人、そこからPKがおそらく0.5割はいるだろうからおよそ一万九千人。

 それで、その内の約三割近くが生産職としたら…大体一万三千人っと。

 んー…たぶん売り切れはするだろうけど、用意するのが大変そうだ…。


【急激成長】を使ったとしても、品質が悪くなればその分効果も低くなっちゃうから、精々【成長促進】なんだよね。

 まぁ使うなら品質がいい方がいいから、ここは今後も【成長促進】の方にしようかな。

 後は時間が余るようならイカグモさんから糸貰ってリーネさんに売りさばく、ってところかな?


 でもせっかく生産するならやっぱり料理…売ってみたいなぁ…。

 はーやくリーンゴそーだてー。

この時、正妻戦争参加者に電流走る。


活動報告にも記載していますが、短編書く予定ですので完成しましたらご報告させて頂きます。

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