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Nostalgia world online  作者: naginagi
第二章
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ひっそりと生産活動①

 ログインした私は、まず果実系の苗木の育て方を調べるためにギルドホールへ向かった。

 ギルドならばそう言った事に詳しい人を知っているだろうという考えからだ。


 また、レッドポーションの作成方法についても調べてみた。

 どうやら素材にはコキノ草という赤い草と、カミツレ草という草も必要だそうだ。

 コキノ草は赤いという特徴があるが、カミツレ草に関しては草というより花らしく、中心が黄色でその周囲を白い花びらで囲っているそうだ。

 生息地域はイジャード周辺で生えており、どちらも成長は早いらしい。


 まぁ予想はしていたが、残念ながら作り方までは書いてなかったため、まずはそれらを集めて数を増やそうと思う。


 そしてギルドで植え方を知っている人に聞こうとすると、ちょうどそういった農作関係を担当している人がいたので別室で教えてもらった。

 どうやら、よく日の当たる場所で深すぎない程度に根を埋めて、支柱を立てて固定してあげればよいとのことだ。

 もちろん水をしっかりやるのは当たり前だが。


 腐葉土や肥料といったものは必要じゃないのかと思って聞いたところ、あれば越したことはないが、特になくても作物はしっかり育つとのことで、品質に拘りたいということであれば使ったほうがいいとのことだ。

 ということで腐葉土と肥料の購入についても勧められた。

 どちらも十個分で500Gという…。うーん悩む…。

 でも1000Gで品質が良くなるなら買ったほうがいいかと思って今回購入してみた。

 そして種を増やせるようならば、次回以降使用と未使用での違いを見てみるのもいいかもしれない。


 要件が終わって帰ろうとすると、今度はギルド長のイーマンさんが現れた。

 何かと思っていると、家を持ったことでお手伝いさんが必要ではないかということでのお話だった。

 お手伝いさんについては、所持スキルの指定によって雇用の値段が変化するということだ。

 確かに、能力が高い人と平均的なステータスの人が雇用金が一緒だとされる側も不満とかあるしね。


 とはいえ所持スキルの指定かぁ…。

 私としては、畑の管理にある程度の家の管理をしててくれればいいから、【栽培】【採取】に後は【水魔法】ってところかな?

 でも今のところは雇う余裕はないから、そういうのは後回しにしよう。

 とまぁ欲しい情報は手に入れたから、さっさとイジャードに行って集めてこようかな?



 ということでポータルでイジャードに飛んだけど、ヒストリアには未だたどり着けないプレイヤーが多いため、周りにかなりのプレイヤーが見える。

 そして私がポータルで飛んでくると、何人かのプレイヤーが私の方を見る。

 とりあえず見られるのが嫌なので、さっさとその場を移動する。

 あんまり目立つのは嫌なので、その内に認識阻害みたいなものがないか探さないとなぁ…。


 目的の草を探すために掲示板に記載されていた場所に来たのだけど、うーん…見事にない。

 正確にはあるのだけれども、植えられたばかりなのか成長しきっていない赤い草しかなかった。

 仕方ないため、更に奥へ行くことにする。

 当初の予定ではモンスターが出ないようなところと聞いていたため、特にスキルを戦闘用にしていなかったが、奥に行くとその分モンスターに遭遇する確率が高くなるのでスキルを入れ替える。


 幸い遭遇したのがエアストの西の森にいる狼の少し強化版が数匹ぐらいで済んだため、そこまで手間はかからなかった。

 しかし、戦闘をしただけあって、それなりの量のコキノ草とカミツレ草を確保する事が出来た。

 目的の物は手に入れたのでさっさと帰る! アディオスっ!



 エアストの家に戻ってきた私は、まず今回確保したコキノ草とカミツレ草の半数を【変換】スキルで種に変える。

 それとあと一つ注意しないといけない事がある。それは…。


「ネウラ、これから植える植物は食べちゃだめだよ。いいね?」

「ぁぅ―!」

「レヴィもネウラの事見てあげてね」

「キュゥ!」


 そう、これまで毒草や雑草を食べてしまっていたネウラだ。

 彼女に掛かれば、私がこれから植える植物などただの餌と化す。

 なので食べてはいけない物と先に教えておかなければいけない。

 ちなみにネウラの【成長】スキルがLv15になると、少し喋れるようになったのか言葉が増えた。

 その調子で言った事もちゃんと理解してくれてることを願いばかりである。


 ということでまずは日の良く当たる場所に穴を掘って、その掘った土と腐葉土をよく混ぜる。

 そしてレイクアップルの苗木を深くなり過ぎない程度に混ぜ合わせた土で埋める。

 埋めた苗木を支柱を土に立てて固定して、最後に肥料を撒いてっと。こんな感じでいいのかな?

 水は他のも植えた後にまとめてしちゃおう。


 さてと、次はコキノ草とカミツレ草の種を場所を区切って植えるっと。

 これについては今までの薬草を植えるみたいな流れで大丈夫だよね?

 等間隔に植えてお互いの成長を邪魔しないようにして、あとは水をやればっと。

 こっちについては【成長促進】を使って育ててみよう。

 レイクアップルについては少し慎重に育てたいので、今回は【成長促進】を使わないでおく。


 さてと、水撒きについてはレヴィにも少し手伝ってもらう。

 今後レヴィにもこういうことは手伝ってもらうつもりなので、今のうちに慣れてもらうためである。

 ということでさっそく水撒きを行った。

 かなり乾いていたのか、私たちが撒いた水は土に良く吸収されていった。

 なので地面が湿る程度になるまで少しずつ水を撒く。


 しばらく水を撒くと、土が湿っていったので後はログアウト前に少しだけ水撒きをするとしよう。

 では次が本命のポーション作りだ。

 ということで私は以前から取得可能な【調合】スキルを取得する。


 ここで一つ問題がある。

 生産系のスキルは作成者にある程度の補正が発生するが、それは上位アイテムでも同じように発生するのかという点だ。

【料理】スキルについては、キャンプで他の人を見たところスキルレベルが低くてもいきなり失敗物になった様子はなかった。

 ということは、簡単な下準備程度ならばレベルが低くても影響はないということになる。


 だが、今回するのはポーションより上位のレッドポーションの作製だ。

 いきなりLv1の私が成功できるものなのだろうか?

 試しにやってみるのもいいが、それで失敗して無くなるのも嫌だ。

 なのでまずはポーションで試してみる事にする。


 ハウスボックスから調合セットを取り出して設置する。

 そして桶に【水魔法】で水を溜めていざ作製開始だっ!


 まずは以前から手に入れていた薬草を取り出してすり鉢に入れて、ナンサおばあちゃんのアドバイス通りにすり潰す。

 これで多少は効果が上がった物が作れるはず。

 とは言ったものの、すり潰すのにも少し時間が掛かった。

 最初は力がいる物だなと思いながらすり潰していたが、力ということで【STR上昇】を付けると途端にすり潰すのが楽になった。

 ということは、力仕事になるような作業の場合はSTRのステータスが必要となってくるということだ。

 鍛冶なんかしている人は特に重たい金属を使うため、そういうのにも気を使ってレベル上げをしているのだろう。


 とまぁ、薬草をすり潰し終わったので、今度は水と混ぜていく。

 今回作製するのは塗り薬ではなくポーションのため、水は少し多めに入れる。

 少ないと固形化してしまい、多すぎると薄くなってしまうため、そこらへんの調整は少し難しかった。


 何回かやることによって、ポーションでの水の割合がなんとなくわかった。

 なのでノートに書き込みたいところだが、今のところ持ってないためシステムの方のメモ機能の方にメモすることにした。


 しかし意外に作製する量が多くなってしまい、空き瓶が足りなくなってしまった。

 なので急遽、空き瓶を買いに行くことにした。

 とりあえず百個確保した。

 でも一つ15Gだったから1500G掛かった…。くそぅ…お金がぁ…。


 でもおかげで薬草を使い切る頃には【調合】スキルがLv6となっていた。

 しかし、レッドポーションを作る上ではおそらくLv10は必要ではないかと思うので、まだスキルレベルが足りない。

 なので薬草を取ってくる必要があるのだが、どうせなら作った分のポーションを売って、その売れた分のお金で空き瓶を買ってから薬草採取に向かった方がいいと考えた。


 そして思ったのは、どうやって商売すればよいのだろうかという点だ。

 普通にトレードすればいいのだろうか?

 それともスキル一覧にあった【取引】スキルが必要なのか。

 わからなかったのでリーネさんに連絡してみることにした。


 しばらくするとリーネさんから返信が返ってきた。

 どうやらお店をやるにあたっての条件として、【取引】スキルがLv10必要とのことだ。

 なので、今後お店を開こうと考えている私は【取引】スキルを取って上げたほうがいいらしい。

 まぁSPもまだ余裕があるので、さっそく【取引】スキルを取得する。


 よし、これで準備はできた。

 あとは…ちゃんと売れるかどうかだ…。

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