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Nostalgia world online  作者: naginagi
第二章
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キャンプイベント⑫

少し短めです。

 さてと、倒したトレントを回収しないと。苗木出るといいなー。って、トレントの場合は【伐採】スキルで解体するのか【解体】スキルで解体するのどっちなんだろ?

 一応モンスターだから【解体】スキルだとは思うけど…。とりあえず試してみよう。


 私は試しに脇差を回収してトレントを解体しようと太めの枝を切ろうとするが、硬くてうまく刃が通らなかった。ということは、トレントなどの樹木系モンスターの解体には【伐採】スキルが必要ということだろう。

 これは戻ったらルカにお願いする感じかな?

 ということで、再度トレントを【収納】の中に仕舞う。


「さてと、狩りを続けたいところだけど、今回の目的はトレントとかから苗木が取れるかの実験ということだから一回戻ろうかな?」


 別に何匹か倒してから戻ってもいいんだけど、なんというか…有効手が少なすぎて少しめんどくさい…。

 いっそのこと、このまま【火魔法】スキルも取っちゃおうかなと思う。

 森を得意としてるのに、その対抗策がないのは拙いと思うからだ。それに、レヴィもいるので火事になるぐらいの火が出ても、レヴィに掛かればすぐ消えてしまうのだ。

 ということで、【火魔法】スキルも取得っと。さて、派生魔法は鬼が出るか蛇が出るか…。


 っと、拠点に戻る前にルカがどこにいるかを聞いておかないと。これでいなかったら戻ってもやることが特にないからなぁ…。

 ルカ今どこにいるーっと。あとは返信が来るのを待つだけ…ってもう返ってきた!? ちょっと早すぎじゃないの!? えっと…色々作ってるから拠点にいる…ね。

 じゃあ戻っても問題ないね。ということで一旦戻りっと。



「ただいまルカ」

「アリス、お帰り」


 私が戻ると、ルカが出迎えてくれた。

 物作りはいいのかな? そう思ってルカが来た方角を見ると、ログハウスにガラス窓が付いているのが見えた。


「あれっ? 窓ガラスできてるけど素材集まったの?」

「うん。さっき作って付けた」

「よくガラスなんて作れたね」

「【道具】の他に【鍛冶】も取ってる。加工できるように」


 なるほど、道具と言っても銅や鉄を使う物もある。それを使えるように【鍛冶】を取ったということか。やっぱり皆考えているんだね。っと、窓ガラスの衝撃で忘れてた。

 私は【収納】からトレントの死体を出した。


「ルカ、このトレント解体できる? とりあえず【解体】スキルじゃ無理だったんだけど…」

「ちょっとやってみる」


 そう言い、ルカは斧を取り出して太い枝に向けて振り下ろす。すると、その太い腕は私の時とは違い、あっさりと切断された。ということは、私の仮説通りでトレントなどの樹木系を解体するときには【伐採】スキルが必要ということが立証された。


 そのままルカに解体できそうなところを解体してもらって、各パーツ毎に分けてみたのだが、苗木の種は見つからなかった。

 やっぱり昨日の彼らはたまたま手に入れただけなのだろう。【狩人】スキルを持っている私の場合、死体がそのまま残るので、それを解体することで素材が一杯集まった。

 今回、そうやって死体を丸ごと一匹連れてきたため、取りこぼしがあるはずがないのだ。


「アリス、昨日の苗木探してるの?」

「そうだけど…?」

「アリス、私思った」

「何が?」

「死体が残るのと、レアドロップが出てくるのは違うと思う」


 …え?


「死体が残れば素材回収放題。でも、普通落とさないドロップアイテムを持ってる敵いても、おかしくない」


 言われてみればそうだ…。どれも丸ごと一匹解体しても、お金が出たり、レアな武器防具がドロップした事はなかった…。

 って…あれ…? その理論で行くと、私はドロップでしか落ちないアイテムを手に入れられないんじゃ…。


「うそ…でしょ…」


 ということは私じゃ苗木を手に入れることができないの…? 私は地面に土下座をするような姿勢で地に伏せる。


「アリス、どんまい」

「うぁぁぁー…」


 この後…どうしよう…。

 とりあえず料理倶楽部の人たちに、【狩人】スキルを持った人にはトレントとかの植物系モンスター―は倒させないようにとメッセージを送った。私のような被害者を増やさないためだ。


 それにしても本当に盲点だった。【狩人】スキルがあれば確かに素材の点ではメリットは高い。しかし、もしドロップ限定のアイテムを狙うのであれば、外すことができない【狩人】スキルは邪魔になってしまう。

 そういうのがどうしても欲しくなった場合は露店や、持っている人に交渉ってなるのかな…?


 まぁ、手に入れられないんじゃ仕方ない。あとは料理倶楽部の人たちにお願いするとしよう。

 ってことで、一気に午後がフリーになってしまった。どうしよう…。

 再度北の山脈側に行って【水魔法】のスキル上げでも再開しようかな?


 そう思っていると、ルカが私の側に寄ってきた。


「どうしたの? ルカ」

「たまにはのんびり」


 のんびりかぁ…。確かにのんびりしようって言いながら結局収穫したり、モンスターと戦ったりばっかしてた気がする。


「ルカものんびり?」

「うん」

「わわっ!?」


 ルカは正面から私に抱き着いた。私はそのまま後ろへ倒れ込む。


「今日は甘えん坊だね、ルカ」

「今の内にポイント上げる」


 私はルカの黒いショートカットの髪を梳かすように撫でる。てかポイントってなんだろう?

 まぁ、たまにはこういう感じで過ごすのもいいかな。そうだ、レヴィたちも呼ぼうっと。


「おいで、レヴィ、ネウラ」

「キュゥ!」

「―!」


 レヴィとネウラは私に呼ばれると、すぐさま私にすり寄ってきた。なんだろう。○ツゴロウさんになったみたい。

 するとルカもアレニアを呼んだ。てっきりアレニアは私かルカの上に乗ってくるものだと思っていたのだが、そんなことはなく、地面に降りて寝転んでいる私の頭の近くでじっと待機している。

 理由はわからないけど、もしかしたら私がクルルみたいに怖がるかもしれないと思っているのかもしれない。それが本当かどうかはわからないけど、一応声を掛けておく。


「アレニア、私は別に怖がったりしないから大丈夫だよ」


 しかし、アレニアは私に近寄らずに先程の位置から動いたような音は聞こえなかった。

 まぁさっきの考えが当たっているとは思ってなかったけどね。


「ふぁーぁ…」

「アリス、眠い?」

「んー…朝早くから出たからね」

「じゃあ一緒に、寝よ」

「ここで?」

「うん」

「まぁいいけど…」


 そういうとルカが更に私にスリスリと顔を摺り寄せてくる。私はそんなルカの頭を撫でてあげる。

 次第に眠気が襲ってきたのか瞼が重くなってきた。ルカの方も先程から動きがなくなり、小さな吐息が聞こえてきた。おそらく眠ってしまったのだろう。

 とはいえ、私も結構やばい。お日様の暖かさで本当に…寝そ…う…。


「すぅ…」

そろそろイベントまとめに入らねば…。

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