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Nostalgia world online  作者: naginagi
第七章
366/370

大空洞を探検しよう④

「さてこっちはこれで終わりかな?」

「向こうも終わったっぽいしなー」

「何で物理でゴーレムを圧倒できるのか…本当にわからないです…」


 私たちがモグラを倒し終えたと同じぐらいにアルトさんとアヤさんもゴーレムを倒し終えてこちらへと戻ってくる。


「この先もこれぐらいのモンスターならいいのだけどね」

「でも道が狭いところでゴーレムは身動き取り辛くて私は嫌ですね」

「細かいこと気にしないで吹っ飛ばせばいいのよ」

「それができるのは貴女だけですって…」


 硬いゴーレム相手にあんなに楽々そうなんて凄いなぁ。

 てかアルトさんホントに千回斬って倒したの…?


「アルトさんあんなに斬って耐久度とか平気なんですか?」

「えぇ、この鞘が砥石のように耐久度を回復させる効果が付いていますし、剣自体も耐久度が高い物なので平気ですよ」

「そういう効果付きもあるんですね」

「イベント報酬っていうのもありますけどね。でも私としては戦闘スタイルに合っているので重宝してますよ」


 確かに自分に合ってる効果付きの武器防具って重宝するよね。

 …てか私ってそういう系の装備ってないような…。

 レヴィの鱗で作った防具もあくまで防具単体の性能の高さや自動回復といった補助面としての効果の良さはあるけど、直接私の戦闘スタイルに合っているとは言い辛い部分もある。

 いやまぁ確かに自動回復のおかげでアリカを一杯出せるようになったのはいいんだけど、なんか…ちょっと違うというか…。

 なんか良いのは…。

 私はふと右手に嵌めているフェアラートの女王様から貰った指輪を見つめる。


「アリスさん、どうかしましたか?」

「あっいえ、ちょっと気になったことがあって…」


 そういえばこの指輪って自分以外の血を吸い取って形を作るんだっけ?

 ちょうど倒したばっかりのモグラが一杯いるし試してみよっかな。

 私は近くで倒れてるモグラから指輪の能力で血を吸い取って回る。


「さてと、とりあえず取れる血はこれで全部かな?」

「えっと…お嬢様? 何をしているのですか?」

「前に貰った指輪の能力試そうかなって」


 私は吸い取った血を木刀のような形状にして出してみる。

 出した血はほぼほぼ私のイメージ通りに出せており、硬度も鉄と変わらないぐらい硬く作られていた。


「あれ? もしかしてこれ割と使えるんじゃ?」

「お嬢様? そもそも自在に出せる武器なんて使えるなんてものじゃないですからね?」

「アリスさん…そんな物を持っていながら使おうと思っていなかったんですか…?」

「吸い取った血の量で自在にできるって…貴女のスタイルにピッタリじゃない…」

「何で今まで使ってなかったんだ?」


 そんな事言われても思いつかなかったんだもん!

 って自由な形にできるってことは…。

 私は試しにネット状にして倒れているモグラを覆うように捕縛する。

 そして覆ったネット状の無結節の部分からモグラを串刺しにするように細い槍を複数突き出してみる。


「うげっ…」


 ノイさんが変な声を出したが、モグラは私の想像通り細い槍で串刺しとなった。

 ただこのやり方だと血の消費が大きいのか残りが感覚的に少なくなっていると感じた。


「とりあえず使うと消費されるって感じだね」

「そんな便利な効果で放出しない限り使い放題だったら大変ですよ…」

「許容量も気になるところですね。お嬢様、その辺は何か感じましたか?」

「感じると言われても…」


 さっきモグラの血を吸い取った時はまだ吸えるなーっていうのぐらいしかわからなかったし…。


「でもそんな良い装備どこで手に入れたんだ? やっぱりイベントなのか?」

「まぁイベントと言えばイベントですけど…」

「ただ一般プレイヤーは決して手に入れられない装備であることは確実でしょうね。湖の都市での対応からさぞ名高い物というのはわかっておりますが」

「アリスさん…一体何をやらかしたのですか…」

「やらかしてないですからね!?」


 むしろ頑張った結果がああなっただけですからね!?


「やらかしてないでそんな装備貰えるならそれはそれで問題だと思うけどね…」

「アヤさんまで!?」


 何で私が変みたいなことになってるの!

 ただ単に女王様守っただけじゃん!


「てかモンスター倒したんならもうこの広場安全ってことなんだろ? 休まないかー? 私はもう疲れたぞー!」

「ノイ…貴女は本当にマイペースなんですから…」

「能天気って気楽でいいわよね…」


 ノイさんは私たちに構わず安全になったエリアの端っこに走っていき大の字になって寝っ転がる。

 いくらモンスターを倒したからって無防備すぎないかな…?


「まぁある意味ちょうどいいですしマッピングの確認でもしましょうか」

「トアさん、もうそんなにマッピングしたの?」

「いえ、他のプレイヤーのマッピングと照らし合わせての精査ですね。あくまで進みながらなので細かい部分までは手が回りませんからね」


 トアさん曰く、大空洞のように迷いやすいところでは多くの情報を元に正確なマップを作ることが必要らしい。

 ただ人によってはマッピングの方法が違ったり的外れな地図を作っていたりなどするため、そういった誤った情報と正しい情報の精査も必要になってくるとのことだ。


「ホントこういう迷いやすいフィールドって厄介よね」

「そうですね。今までのフィールドは比較的迷わず進めましたからそこまで困りませんでしたけど、こういう迷いやすいところはどうしても攻略に時間が掛かりますね」

「他のプレイヤーが迷って餓死して死に戻りする気持ちがわかるわ…」


 そういえば私ってなんだかんだ道にあんまり迷わないなぁ。

 森も何となくだけど方向わかるし、もし迷っても地形操作とか急激成長で土地弄って帰る方角見つけられるし。

 でも大空洞で迷っても地形操作するなって怒られちゃったしやらない方がいいんだよね?


「ちなみにお嬢様、間違っても地形操作を乱用しないでくださいね? 本気で迷いますしマッピングの意味がなくなりますので」

「…はい…気を付けます…」


 やっぱりそういうズル? はダメなようだ。

なんとか発売日に投稿できました…。

次回更新はなるべく早くします…。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 小説買ってから読まさせていただきました!! 引き続き頑張ってください!!続きお待ちしております!
[良い点] 本当に面白いです [気になる点] 更新されて久しいですが、人気は徐々に失われています [一言] 新しい章を見たい
[一言] 更新有り難うございます。 ……またエグイ方にパワーアップしたなぁ。 これで血抜きをしてお肉の品質アップ!
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