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Nostalgia world online  作者: naginagi
第六章
307/370

スキル検証

「お腹いっぱい」

「ご馳走様でした」

「はい、お粗末様でした。リエルはどうだった? 美味しかった?」

「まっまぁまぁね!」


 リエルは頬を赤らめながら横を向くが、あれは満足しているのだろう。

 ともかくリエルの口にも合ってよかったよかった。


「アリスの料理のレパートリー、どんどん増えてってる」

「トアさんと一緒に研究したりもしてるからね」


 メイドを名乗るだけあって、トアさんの料理の知識は結構なものだった。

 なので暇があれば教えてもらったりもしているので、作れる種類もどんどん増えている。


「サイにリアにトアさん、ずるい」

「そんな事言われても…」

「お姉様は家一軒でいいですけど、あたしたちはギルドホールなので本当に資金が大変ですよ…。しかもあたしは更にお金が掛かるので火の車よ…」

「やーいびんぼー」

「うっさいぼっち!」

「はいはい喧嘩しない」


 なんでこの二人はすぐ喧嘩するのだろうか…。


「あっそうだそうだ」


 トアさんの他にルカと海花もいることだし、あの事聞いてみよっと。


「ねえねえ、【勝利者】っていうスキルの事知ってる?」

「なにそれ?」

「聞いた事ありませんね…」

「はい、私も初耳です」

「んー…三人でも知らないかー…」

「そのスキルがどうかした?」

「実は…」


 ある日手持ち無沙汰になったため、何となくログを漁っていたのだ。

 そしたら先程言った【勝利者】というスキルが取得可能になっていたのだ。

 しかも条件を満たしたためとしか書いてなく、全く持っていつ手に入れたかすらもわからなかったのだ。

 その時は後でやればいっかと思って流していたら今に至るわけで…。


「ついさっきまで忘れてたんだよね…」

「アリス、ドジっ子」

「ですが【勝利者】というからには何かに勝ったのですよね? 何か心当たりは?」

「んー…イベントボスだったら皆もあるはずだし…」


 皆が倒していなくて私が倒した敵と言えば、吸血鬼イベントの時のミラのお父さんか、フェイトの村の土地神ぐらいだけど…。

 でもあれ限定ってなるのは流石に不公平すぎる気もしないでも…。


「気になるなら取ってみたら? アリスまだSP余ってるでしょ?」

「そうだね、取ってみよっか」


 この前でイベント報酬で貰ったSPもあるし、取得してみよう。

【勝利者】スキルを取得っと。

 えーっとなになに…。



【勝利者】:スキルレベルの分だけステータス上昇。戦いに勝つ事でレベルが上がり、敗北するとレベルが下がる。



 おう…これはまたなんと…。


「んっ? アリス、どうだった?」

「あーえーっと…」


 私は皆に【勝利者】スキルについて説明する。

 それを聞いた三人の反応はバラバラだった。


「戦いってことはモンスターでもプレイヤーでもいいって事?」

「勝つとレベルが上がって、負けるとレベルが下がるとはまた極端なスキルですね…」

「となりますと、やはり何かしらの戦闘が切っ掛けと考えていいのでしょうね」


 一つの情報でも、ルカはその対象、海花はスキル詳細について、トアさんは取得条件と色んな視点からの考察が出てきて面白い。


「ともかくモンスターと戦闘してみればルカの疑問はわかるかな?」

「なんならちょっと試しに行こう。アリスとデート」

「何二人で行こうとしてるのよ! あたしも行くわよ!」

「では私もご一緒させていただきます」


 どうやら皆ついてくるようだ。


「なんか面白そうだから私も見に行くわ!」

「キュゥ!」

「ネウラもー!」

「あたしも行くわ!」

「これは全員で行く感じですね、ご主人様」


 リエルたちは別にのんびりしててもいいけど…まぁいっか。


「じゃあ実験しに行こうか」


 私たちは一旦お店を閉めて森へと向かった。



「んー…スキルレベル上がらないなー…」

「一撃だとダメとか?」

「もしくは同レベルの相手でないといけないとかですかね?」

「では次は対人PKで試しましょう。アワリティアを呼んできます」

「いや…いくら何でもそれは…」


 森にいるモンスターでとりあえず実験してみたが、首を刎ねてもわざと数撃で倒しても殴りや蹴りで試してみたけど全くスキルレベルが上がらなかった。


「んー…海花の言う通り同格以上じゃないとだめなのかな?」

「ちょっちょっと待って!」

「リエル? どうかした?」


 ずっと大人しかったリエルが突然声を掛けてきた。

 一体どうしたんだろう?


「どうかしたもないわよ! 何平然と首を斬ってるのよ! おかしいでしょ!?」

「まぁアリスだし」

「お姉様ですし」

「お嬢様ですし」

「キュゥ?」

「レヴィお兄ちゃんも何か変な事あった? って言ってるよ? ネウラも変なところなかったと思うよー?」

「特に問題はないと思いますが」

「そうよね? 変なところなんてないわよね?」

「貴女たちおかしいわよ! 何でそんなに平然としてるのよ! 斬ってるのは首よ!? 斬ったら死ぬのよ!? 何でそんな反応なのよ! その首を集めてサバトでも開く気!?」


 んー…変も何もこれが私の戦闘スタイルだからなぁ…。

 まぁリエルにも慣れてもらえばいいよね。


「ですが今のところ分かった事と言えば、格下のモンスターでは上がらないといったところですね。火山か雪山辺りに行ってみますか? もしそこでも上がらないようならば対人なのでしょう」

「でも私対火山用の装備ないよ?」

「アリス、そのレヴィ装備は火ダメージ軽減する。十分対火山用」


 あっそういえばそうだった。


「ならば火山の方が良さそうですね」

「あそこホント暑いのよね…」

「海花行った事あるんだ」

「まぁ一応は…」


 海花の表情からあんまり行きたくないんだろうな…。

 どこかに暑さを感じなくなるドリンクとかないかな?



 結果として、火山のモンスターを倒してもスキルレベルは上がらなかった。

 しかも火山の暑さでルカは幽霊のようにゆらゆらと歩き方が変になり、レヴィとリエル以外のペットたちはたちまち暑さでダウンしてさっさと召喚石の中へと逃げてしまった。


「やっぱりアワリティアで試しましょう、お嬢様」

「トアさん…勘弁してあげて…」


 トアさん…あの人とまた何かあったの…?

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