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Nostalgia world online  作者: naginagi
第六章
305/370

いつも通り?

「ふぅ…」


 一先ずリエルの件については粗方収まってくれた。

 戦闘に巻き込んでPKしてしまったプレイヤーたちにも大体のアイテムは返し終わったし、そっちの件も大分落ち着いてくれた。

 ただ、一つ問題が起こった。


「二人とも機嫌直してくれない…?」

「ぷいっ」

「嫌です」


 お店の席に座って臍を曲げてそっぽを向いているルカと海花。

 その二人の対応で色々と出したりしているが、一向に機嫌は直らない。


「二人にもレヴィの事とか内緒にしてたのは悪かったとは思ってるけど…」

「違う」

「えっ?」


 そっぽを向いていたルカが顔をこちらを向けて私をじっと見つめる。


「私たちが怒ってるのはアリスが隠し事してたからじゃない」

「えっ? じゃあなんで…」

「あたしたちがお姉様に対して腹を立ててるのは、ウリエルの件で何であたしたちを頼ってくれなかったのかって事です!」


 そっぽを向いていた海花も頬を膨らませながら私の方を向く。


「アリスは私たちが困ってたら助けてくれてた。でも、アリスが困ってる時は私たちはあんまり助けられてない。だから今回の件で困ってたなら、頼ってほしかった」

「そうです! もっとあたしたちを頼ってください!」

「それとも、私たちじゃ頼りない?」

「そんな事ないけど…」


 でもあの時は解放レヴィのスキルの影響で、痛覚制限が50%まで解除されちゃうから、津波に巻き込まれたとかじゃない限り戦闘でのダメージが痛くなる。

 そんな状況下で知り合いを巻き込みたくないっていうのもあったからなぁ…。


「何か理由があったの?」

「教えてください!」

「えーっと…実は…」


 私は二人に解放レヴィのスキルの影響の事を話す。


「痛覚制限解除ですか…」

「確かにアリスみたいに常に50%ならともかく、いきなり痛みが強くなったら戦闘の影響が大きくなる」

「あれっ? でもプレイヤーイベントの際にはそういうのはありませんでしたよね?」

「あれは運営さんの手で解放した形だから、たぶんそこは解放されなかったんじゃないかなって」


 あの時そこまで気にしてなかったけど、そういえば解放されたんだから痛覚制限の方も解放されてもおかしくなかったんだよね。

 でも解放されなくてよかった…。


「でもそれなら私たちも首狩り教の手伝いできた」

「うっ…」


 この発言で気付いたが、恐らく二人が拗ねてるのは首狩り教には手伝いを申し出たのに自分たちには来なかった事だろう。


「それについてはごめん…」

「アリス、謝罪にはそれ相応の対価が必要だと思う」

「えっと、具体的には?」

「ハグしてくれたら謝罪として認める」

「あっあたしもそれで謝罪を認めます!」


 まっまぁそれぐらいで二人の機嫌が直るなら…。

 とりあえず片方からだと喧嘩になりそうだったので、両方同時にぎゅっと抱き締める。


「はふぅ…」

「うへへ…」


 二人とも変な声が出ているのは気にしないでおこう…。



「それで、件のウリエルは?」


 約十分程二人にハグをした後、唐突にルカが尋ねてきた。


「それなら個人フィールドの方にいるよ。なんだかペット会談? みたいなのやるらしくて全員揃ってそっちで話し合ってるっぽい」

「まぁリヴァイアサンにアルラウネ、それに吸血鬼に土地神に天使ですからね」

「特殊ペットにもほどがある」

「そこは否定できない…」


 スキルレベルがあるという事で言えば通常ペット枠としてはネウラとフェイトが入るけど、フェイトはフェイトで土地神だもんね…。

 そうなると通常ペット枠はネウラだけなんだけど、【巨大化】スキルを取ったせいで割と特殊ペット枠になってもおかしくない感じになりそうだし…。

 やっぱりスキルって組み合わせなんだなって思うなぁ…。


「まぁでもルカも人の事言えないけどね。土蜘蛛に覚に茨木童子ですもんね」

「海花だって。上位機械人形に機械人形の機械兵団のくせに」

「あっあれは黒花以外全員手作りだからセーフよ!」

「一人で五十ぐらい操るのはセーフとは言わない」

「あれはあれでその分出費もかさむのよ! おかげで防具を新調するのも大変なのよ!」


 確かに海花のあれは凄い分準備に時間掛かりそうだからなぁ…。

 しかも壊れたら壊れたらで自分で補充しないといけないし…。


「防具と言えば、アリスのいつの間にか変わってる」

「そういえばそうね」


 海花の言葉に反応したルカがこちらを見て首を傾げる。


「青い着物着てるアリスもあり」

「赤もよかったですけど、こっちの青もいいわね」

「でも、青色って事は雪山系の素材を使ったの?」

「えーっと…」


 もうここまで来てしまったからには二人に正直に防具の件を話す事にした、


「つまりアリスパーフェクト形態って事?」

「どうしてそうなったの?」


 最近ルカの言っていることが分からなくなってきた…。


「ですがリヴァイアサン産の防具ですか…。防御力は勿論の事、追加スキルが羨ましいです」

「んっ、【自動回復】は羨ましい」

「そうだね。おかげでアリカを出せる頻度が上がったよ」

「あの必殺技が更に凶悪に…。頼みますからPVPイベは勘弁して…」

「どんなフィールドだろうとアリスなら森に変えるから、ランダムフィールド生成だろうと無意味…ガクブル…」


 いやいや…そんな震える程の事じゃないでしょ…?

 …だよね…?


「こうなったらPVPイベ抗議のメール送らなきゃ」

「善は急げね!」

「そこまでの事かなぁ…?」

「「そこまでのこと(です)!」」

「えぇ…」


 冗談だと思って二人の様子を見ていたのだが、まさか本当に送るとは思わず、こっそりリーネさんにその事を相談してみた。

 そしたら…。


「アリスちゃん、アリスちゃんは全プレイヤーが認める対人特化プレイヤーにゃ。そんなプレイヤーが更に強化されたと知れば当然の反応にゃ」


 と言われてしまった。

 解せぬ…。

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