表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Nostalgia world online  作者: naginagi
第六章
295/370

嫉妬VS神の光①

 一先ずレヴィのお父さんから知っている情報を根掘り葉掘り聞きだした。

 聞きだしたら聞きだしたらでなかなか頭を痛める情報だったことには困ったが…。


 どうやら大罪の悪魔は通常スキルが凶悪な事に対して、美徳の天使は特殊スキルが凶悪らしい。

 しかし【神の光(ウリエル)】はともかく、他の【天候操作】、【監視】、【預言】はそこまでではないらしい。

【預言】は未来予知の能力らしいが、自分に対してではなく人間に対して行うスキルで、相手の行動を先読みという事ではなく、少し先の未来その人間に何が起こるかというのを知らせる能力であるという。

 例えばだが、【預言】をした対象が『五秒後に刺される』、『十秒後に吹き飛ばされる』といった漠然なもののため、ウリエルを相手にしている場合では警戒するスキルではないらしい。


 だけどウリエルが持っている【忍耐】スキルの効果がずるい。

 防御系統ステータス上昇に加え、ダメージ軽減効果に自身が受けたダメージ分、もしくは自身のHPの減少具合に応じて自身の攻撃力が上昇するといったものだ。

 完全に以前戦った茨木童子と同系統の能力である。

 しかもそれがたった一つのスキルでこれだ。


 更に天使という事で光魔法等のHP回復の手段もあるし、瀕死になればなるほど威力がやばくなるという割とどうしようもないタイプだ。

 しかもそれが一発限りではなく常時という。

 ただMPの回復については自然回復に任せるしかないため、唯一の弱点と言えばそこぐらいだろう。


「…いやいや無理無理無理無理」

「『弱点が分かっておるなら楽であろう』」

「弱点って言ってもMP切れ起こさせるしかないじゃないですか! 結局持久戦じゃないですか! しかもMP切れてもHPが減っていけば高威力の燃えてる剣での剣技が待ち構えてるんですよ!?」

「『まぁ我は【HP自動回復】があるから気にせんがのぉ』」

「私たちが持ってるわけないですよね!?」


 ダメだ…レヴィのお父さんの理論は自分の能力基準で見てるせいで噛み合わない…。

 本気で大量の囮でMP切れ狙うしかないよこれ…。


 私が頭を抱えて悩んでいると、レヴィのお父さんが少しニヤッとした表情をして口を開く。


「『一つ、あの頭の固い天使どもに簡単に勝てる方法があるぞ?』」

「えっ? それは何ですか?」

「『なに、そこらの街にいる人間を盾にしつつ天使を捕まえればいいだけだ。何の罪もない人間をやつらは攻撃できんからな。どうだ、簡単であろう?』」

「それは…それだけはダメです」

「『ほう、即答か』」

「はい」


 しばらくの間、私とレヴィのお父さんの間に沈黙が訪れる。

 そしてその沈黙を破るようにレヴィのお父さんは大きな声で笑い始めた。


「『ハッハッハ! それでこそ我が興味を持った人間よ!』」

「試したんですか?」

「『道がないと思い詰めていたからの。試しに少し誘惑してみたが全く効果はなかったようだな』」

「全く…悪魔なんですから」

「『その通り、我は悪魔だ。神は乗り越えられる試練しか与えないと言うが、悪魔は誘惑を拒んだ者に興味を持ち力を貸すと言う』」

「力を貸す?」

「『うむ。だが流石にお前に直接力を貸すわけにはいかぬからな。代わりに愚息に力を貸す事にしよう』」


 次の瞬間、横で大人しくしていたレヴィの身体が光り始めたが、その光はすぐに収まった。


「『一度だけ愚息の封印の解除に掛かる対価を無くしてやった。そして条件は対となる天使と対峙している時に限り時間制限もない。この意味がわかるな?』」

「…レヴィとウリエルを戦わせろ、って事ですね」

「『対となる存在が暴れているのだ。その対となる存在が止めに掛かるのは正道であろう』」


 確かに正道ではある。

 ただプレイヤーイベントの時と違い、平時にレヴィの封印を解除した時のリスクはとてつもなく大きい。

 ショーゴやリーネさんはともかく、他のプレイヤ―からが…。

 私の身体が震えたのを見てレヴィのお父さんが続ける。


「『怖いか? 己が眷属としている存在がどれほどのものであるかという事実を再確認して』」

「そう…ですね…」


 恐らくもはや隠し事はできないレベルの事だろう。

 だけどこの件については元々私が原因である事は確実だ。

 ならばその幕引きは私がすべきことだろう。



「『覚悟は決まったようだな』」

「はい」

「『安心しろ、もし父親が出張った時は我が対応してやる』」

「それはそれで…また大変な事になりそうですけど…」


 流石に成体のレヴィのお父さんと完全体のウリエルの戦闘は周囲への影響がデカすぎる…。

 しかし、いくらレヴィの封印が解除されるとしてもこの防具のままじゃHPが減ったウリエル相手にはすぐやられてしまうだろう。

 行くならリーネさんとウォルターさんに頼んでいる防具が完成してからの方がいいけど…。

 でもあんまり時間が空きすぎるとウリエル自体が別の行動を起こすかもしれないし…。

 うぅ…。


 そう思っていると、タイミングの良い事にリーネさんから防具が完成したとのメッセージが届いた。

 ならこれで準備は全て整った。

 あとは私次第!

【忍耐】スキルの要約

HPに左右されない堅守+常時ダメージカット+背水(グラブル感)



何でこう話や展開を難しくしてしまうのだろうか(白目

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ