使役獣は一体何に
またまた短くてすいません…。
「幻獣か~…どこにいるんだろう?」
「それにしてももう見つけたなんて早いわねぇ~。北の街から近くにいるのかしら~?」
そうだよね。まだ二つしか街が見つかってないのに幻獣に会えたんだよね。ということはもうペットとして使役してるのかな? 羨ましい…。
「アリスは使役できるならどんな幻獣がいい~?」
「んー…」
どんな幻獣がいいかって言われてもなぁー…。まぁせっかくファンタジーの世界なんだし空を飛んでみたいからそういうのがいいかな? でもまぁ…。
「仲良くしてくれるならどんな幻獣でもいいかな?」
「そうね~仲良くしてくれるのが一番ね~」
やっぱりせっかく仲間になってくれるなら仲良くしてくれた方がいいもんね。
「でも一つ気になる点があるのよね~…」
「何か気になったの?」
社長なんか変な事言ってたっけ? 動画で聞いた内容を思い出すが、特に気になる部分はなかったように思えた。
「幻獣…ユニークペットを使役する際にどうすればいいかっていう点よ~。社長は『ある一定条件下でペットにしたり契約をすることで使役することができる』って言ってたわ~」
「それに何かあった?」
「問題は『契約をすることで』という発言よ~」
「??」
契約がなんかおかしいことかな?
「アリス~、そもそも契約を結ぶっていうのはどういう生物かってわかる~?」
「んー………わかんない…」
リンに言われて少し考えてみるが、特に思いつかなかった。
「つまりね、契約と言えば大抵は悪魔なのよ~」
「えーっと…つまり…?」
「幻獣には悪魔も含まれているかもしれないって事よ~。まぁ悪魔がいるなら天使もいるんでしょうけどね~…。ともかく、悪魔と契約するってことは、とんでもない要求をされるかもしれないから注意するのよ~?」
「うん…?」
とりあえず悪魔とは契約しないようにしろということだよね? よし、気を付けよう。
「でも天使もユニークペットにできるかもってことは、もしかしたらワルキューレとかもかしらね~?」
「ワルキューレって言うと…ワーグナーのニーベルングの指環に出てくるのとか?」
「他にもヘルヴォルやスクルドとかもいるかもね~」
ワルキューレかぁ~…。そういう子が仲間になったら色々叱られたりもするのかな? ワルキューレって真面目そうだしなー…。怒られてばっかりだとへこんじゃうかも…。
「やっぱアリスちゃんにはユニコーンとかじゃね?」
すると男性陣の話し声がこちらに聞こえてきた。
「いや、そこはアリスだけに兎がいいんじゃないか? ショーゴはどう思う?」
「んーそう言われてもなー。いっそのこと獣人で面倒見てもらうとかの方がいいんじゃね?」
獣人かぁ…。狐や狼の獣人とかだったら尻尾とかもふもふしてるんだよね…? それはそれでいいかも…。
「んっ…」
っと、私に抱き着いていたルカが目を覚ましそうだ。とりあえず頭を撫でておこう。
「ルカ、おはよ」
「……」
うん、ルカはまだ眠そうに私の腰にぎゅっとしがみ付いてくる。でもそろそろ起こさないといけないし、ここは甘やかさないように…。
「ほーらルカ、起きてー。もう昼だよー」
「んんっ…」
ルカは嫌そうに唸りますが、ゆっくり背中を擦るとしがみ付く力が弱くなっていきます。
「ほら、ルカ」
「んぅ…」
やっと目を覚ましたのか、しがみ付くのをやめて四つん這いになって起き上がります。
「おはよ、ルカ」
「おはよ…」
ルカも退いたことだし、私もリンの膝から頭を起こします。
なんだかリンが何かを逃したような表情をしますが、まぁ気のせいでしょう。
「あら~アリスちゃんたち起きたのね~」
「じゃあそろそろ交代お願いしてもいいですか?」
そっか、私たちが起きるまでレオーネとクルルが周りの警戒してたんだった。
「うん、大丈夫」
「大丈夫よ~」
「だいじょぶ」
ということでレオーネとクルルが荷台に乗って、私たち三人が周りの警戒です。
馬車の外は良い感じの暖かさで、ちょうどいい風も拭くので過ごしやすいです。それに、私たちの他にも何人かのPTが周辺にいたので、とりあえず目が合ってお辞儀した人にはお辞儀を返しときます。挨拶は大事です。
そんなこんなで夜間も進んで早一日経過、情報では二日ほどで着くとのことなのであと少しかな? 第二の街には麻などもあると言ってたので、生産職用の素材がいくつもあると思います。しかし、私が求めている豆はないでしょう…。豆がないと味噌も作れないし…。
一応ショーゴに他に何があるのかを聞いたところ、鉱山もあるので武器を作って貰うことも可能とのことです。でもこの初期武器の脇差も色々お世話になったからなぁ…。でも刀を二本差しているのもいいかも…!
「ショーゴ」
「どうした?」
「NWOって三刀流とか○限一刀流とかってできるのかな?」
「……」
「ショーゴ?」
「お、おう…、とりあえずああいうことをやる人たちは長年の修行の成果があってだからな? 真似してもできないからな?」
「んー…やっぱ無理なんだ…」
○刀流とかってかっこいいと思ったんだけどなぁ…。やっぱり無理なんだ…。
「ねぇショーゴ…いきなりアリスどうしたのよ~…」
「とりあえず次の街で武器作って貰えるかもよ、っていうことを言っただけなんだが…」
「まさかそれで複数の刀を扱って戦いたいとかそういうことが出てきちゃったの~…?」
「あの言い方だとそんな感じだろう…」
ん? なんかリンとショーゴが話してる。
「どうかしたの?」
「いっいやっ! なんでもないぞっ!」
「そっそうよ~!」
「??」
まぁ何でもないって言うしいっか。と、そんな事を考えている内に北の街に着きました。
作者も獣人のケモ耳や尻尾モフモフしたいです!




