いざ北の街へ
久しぶりのあの方が登場です!
なんとか向こうの時間で日を跨ぐ前に街に戻ってこれた…。危ない危ない…。てかなんとなくお知らせが来てたから見てみたら、明日の土曜日の十二時にオープン一週間経過ということで、また社長が放送するんだね。今回は特に質問するような内容思いつかないし別に聞かなくていいかなーって思ってる。まぁショーゴとかが教えてくれるでしょう。もしくは動画をこっちで貼ってくれたのを見るとかで確認したり。
っと、明日は朝六時集合だからもう寝ないと!
ではログアウトしてお休みなさいです。
ふぁ…。流石に五時半起きは眠いです…。でも支度をしないといけないのでさっさとご飯食べたりしてログインの準備をします…。しょーごちゃんとおきれるかなぁ…。まぁ馬車借りれたっていうし…ログインさえしてくれれば馬車で寝ててもいいしね…。
さて…ログインしますか…。
眠いながらも北門に向かうと既に数人いました。
「おはよー…」
「おはよ~アリス~」
「おう、おはようアリス」
「おはようございますアリスさん」
北門で待っていたのはリン、ガウル、クルル…と馬車で寝ているルカとレオーネさんでした。
「あと二人はー…?」
「ショーゴはそろそろインするはずよ~」
「シュウも起きたとは言っていた。まぁ遅れたら走らせるだけだ」
「それにしてもアリスさん防具間に合わなかったんですか?」
一応寝る前にも確認したけどメッセージはなかったので、おそらく材料がまだ集まってないか集まるのが遅くて完成してないのではないだろうか。
「んー…今日は移動だけだからだいじょうぶー…」
「眠いならルカやレオーネと一緒に馬車で寝てる~?」
「んー…そうする…」
そういうことで私もルカやレオーネと一緒に馬車に乗って睡眠を取る事にします。
お休みなさーい…。
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「んっ…」
「あらっ起こしちゃった~?」
ゆっくり目を開けようにも、日の光でうまく目が開けません。でもこの声は…。
「リン…?」
「あら~よくわかったわねぇ~」
そりゃあ長い付き合いだからね。
段々と日の光にも慣れてきたので目を開けた私の目に飛び込んできたのは…。
「…なんで膝枕?」
「別にいいでしょ~?」
「まぁいいけど…」
何故か私が膝枕されてリンを見上げる形となっていた。
そして、更に何故か私のお腹辺りに顔を埋めているルカの姿も見えた。
「ちなみにルカはなんで?」
「まず順序としては、私がアリスを膝枕する。するとこっちでの夜が寒かったのかアリスに抱き着くルカ。って感じよ~」
「毛布かけてあげようよ」
「流石にまだ毛皮の数がなかったし作って貰ってなかったからなかったのよ~」
んー…なら仕方ない…。でも今この状況だと私が動くとルカが起きちゃうよね? 起こすのも可哀想だしじっとしてよう…。
「それで今GTいくつ? これだとちょっと画面も出せそうにないから教えて」
なので私はリンを見上げたまま今の時間を聞きます。
「えーっと今GT12:50だから、そろそろ放送終わってこっちにも動画が上げられるんじゃないかしら~」
おおぅ…十八時間睡眠とは…私…なかなかやりますね…。
「でもこっちでの睡眠は向こうでの1/3だから実質六時間睡眠だから大丈夫よ~」
いやいや…何を基準に大丈夫なのかわからないから…。
あっそういえば…。
「モンスターの襲撃とか大丈夫だった?」
「そこは大丈夫よ~。意外にオールで街に向かってるPTが多くて逆に安全なくらいよ~」
へぇ~…。今外見れないから様子はわからないけどリンが多いってことは本当に多いんだろうな。ってあれ…? てことはまさか…。
「私たちが寝てる様子とかも覗かれてたり…」
「それは私たちが断固阻止したから大丈夫よ~」
よかった…。
「おーい動画上がったぞー…ってアリス起きたのか」
「うん。でもルカはまだ寝てるから静かにね」
「あいよ。さーって見るかー」
ショーゴは今馬車を引いている馬の運転台にいるガウルとシュウのところへ移動した。
って男たちが馬引いてるのね。
「じゃあアリス~こっちも音量下げて聞きましょうか~」
「クルルたちは?」
「今外で警備してもらってるわ~」
「…私こんな楽でいいの…?」
「大丈夫大丈夫~、眼福って言ってたしね~」
「?」
何が眼福だったのだろうか…?
まぁリンが動画を見やすいようにしてくれたので見ることにしましょう。
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「皆様、お久しぶりです。アヴニール社で社長をしております藤堂 真志です。と言っても一週間しか経っていませんが。」
おー、一週間ぶりの社長の顔だ。
「皆様、NWOは楽しんで頂けてますでしょうか?」
コメントでは「リアル過ぎてびっくりしたぞ!」や「社長の言葉信じてなくてすんません!」と言った実際に会った事についてのコメントが多く流れてた。
「はははっ。ですから最初の放送の時に言ったじゃないですか。逆に私の信用が無くて、皆様が信じてくれなかったことに私は泣きだしそうですよ」
今でこそ笑い話で済んでるけど実際危なかったんだよねぇ…。
「まぁそういう事は置いといて、皆様がもう他の街を行けるようになった事に驚きですよ。特に北にある街は想定していたのですが、南の港街をこんなにあっさりと行けるようになるとは思いませんでしたよ」
すると「南のあれは運営の仕業か!」「謀ったな運営!」と言ったコメントがいくつも流れていた。
「確かに南についてはすこーし群れのボスの思考を街道の封鎖をするように弄りましたが、基本的には変わってませんよ。そもそもこれ以上他のを弄ると色々と不具合を起こしそうですし、もうこのような事はありませんよ」
社長はにっこりと笑みを浮かべるが、ほとんどのリスナーは疑いの目を持ってコメントをしている。
「とまぁ今回の本題はそこではありませんね。今回は何人ものプレイヤーから問い合わせが来たものを取り上げるのがメインですからね。もちろん、放送でコメントした内容も取り上げたりしますから心配いりませんよ」
んー問い合わせって何が来てたんだろう? 思いつかない…。
「では問い合わせが多かったのは…『NWOの世界では法律はあるんですか?』でしたね。答えとしては『あります』。と言っても、基本的な事はこちらの世界とあまり変わらないのでそう気にする必要はありませんよ。例えば勝手に人の家に入って物色や、盗みなどですね。これらは犯罪として捕まりますので気を付けてくださいね。詳しいことは図書館がある程度大きな街にはあるのでそこでご確認ください」
あー…やっぱり法律あるんだね。ということは牢屋もあるのかな…?
コメントでも「犯罪犯したらどうなるの?」といったコメントがちらほら見られる。
「犯罪を犯した場合、ステータスに犯罪の犯が丸に囲まれたマークが付きます。犯罪の度合いによって色が真っ赤になっていきます。捕まった場合はその色の度合いによって一定時間牢屋に入れられます。牢屋に入っている間はログアウトはできますが、牢屋にいる時間でカウントされますので注意してください。ちなみにこれはPKとは違う仕様なのでそっち方面の方はご安心を」
コメントでは「まぁ妥当だな」やそれに納得したようなコメントが多く流れた。一部では「厳しすぎるぞ!」という声を上がっていた。私としては妥当というより、少し軽いんじゃないかと思ってる。牢屋にいるだけで罪を許されるということだもんね。
その後も問い合わせの内容や、流れたコメントの中からいくつか拾って答えていき、そろそろ動画も終わる時間に差し掛かってきた。
「ではそろそろ時間なので、一つ皆様に報告と説明があります。これは昨日の夜に確認された事なのですが、プレイヤーが幻獣と遭遇したというログが確認されました。そこで今回はユニークペットと通常ペットの違いについて説明して終わらせたいと思います」
その発言で一気に盛り上がり、「幻獣をペットにできるの!?」や「どこで見つけられんの!?」といったコメントが一斉に流れた。
まぁ幻獣をペットにするっていうのはファンタジーにおいては憧れだからしょうがないけどね。
「まず初めに通常ペットについてです。これらは【調教】スキルを使って野生…と言っても野生しかいないんですけど、そのモンスターをテイムする事で『召喚石』というアイテムになって召喚して一緒に戦ったりすることができます。もちろん強さはそこらへんにいるモンスターが基本なのでとても強いといった事はありませんが、育てることによって十分強くなります。
次にユニークペットですが、これらは通常モンスターと違い、ある一定条件下でペットにしたり契約をすることで使役することができます。ユニークペットに当たるのは基本的には幻獣や神話の生物となります。強さとしては幻獣のため、通常ペットに比べると一定の強さを持っています。ですが、ほとんどのユニークペットは一部スキルや能力が封印された状態ですので、それを解除することで本来の力を発揮する事でしょう。その条件は様々ですので、もしユニークペットを使役する事が出来ましたら色々試してください。
ちなみに皆さんが好きそうな人型もユニークペットとして存在しますので見つけられるといいですね」
その一言にもうリスナー大歓喜です。「ケモナー大歓喜!」と言ったコメントが出るわ出るわ…。
「ちなみに獣人もちゃんと住人として存在していますので、拉致とかをした場合は重罪になるので気を付けてください」
まぁ当たり前だよね…。ユニークペットと勘違いして住人を拉致したらそりゃ犯罪ですわ…。
「では今日はここまでで終了したいと思います。今後ともNWOをよろしくお願いします」
そう言って放送は終了した。
てか幻獣見つけた人って誰なんだろう? そもそもどこにいたのかな?
いやぁ、幻獣見つけたのホントに誰なんでしょうねぇ~。




