表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Nostalgia world online  作者: naginagi
第五章
274/370

百鬼夜行⑨

「そんなに面白い魔法なんだ」

「投げたナイフがゆっくり…」


 私とルカは東から戻ってきた海花にトアさんの話を聞いていた。


「あんなので周囲囲まれたらもう逃げ場はないでしょうね」

「そんな大層な技ではありませんよ」


 いやいや、全方位から来るって結構脅威だよ?


「トアさん」

「はい、何でしょうかルカお嬢様?」

「その技使った後に『お前が何秒動けても関係ない処刑方法を思いついた』って言いながらやってみて」

「…えーっとルカお嬢様?」

「もうルカったら…」


 全くいきなりそんな事言ってもトアさん困っちゃうじゃない。


「そこは〇IO様っぽくやってって言わないと」

「そっか」

「いや、そこじゃないでしょう。てかお姉様も何言っているんですか」

「えっ? だって時間停止で全方位にナイフって言ったら〇IO様じゃない?」

「もしくは〇夜さん」


 〇夜さんってのも同じ能力なのかな?

 ログアウトしたら調べてみよっと。


「でも投げた物の速度操作なんて魔法聞いたことない」

「そういうのってやっぱり特殊な取得方法なの?」

「まぁ特殊と言えば特殊ですね。とは言っても、所謂無系統の魔法なので一般的な属性魔法とは干渉しないのはいいところですね」

「へー」


 でも速度操作があるなら他にも色んなのがあるんだろうね。


「ルカだったらどんなのが欲しい?」

「んっ、毒矢とか罠使う関係上、増殖とかそういうのあったら面白そう」


 撃った矢が増えて襲ってくるのは嫌だなぁ…。


「海花は?」

「そうですね…。あたしは鉄線使う関係で振動といったのがあれば切れ味が鋭くなるのかなーって思いますが」


 なるほど。

 ってあれ鉄線だったの?

 ピアノ線と思ってた。

 その割には海花ってあれ器用に動かすよね。


「お嬢様でしたらどんな無系統魔法がいいですか?」

「私?」


 んー…急に言われると困るなぁ。

 そもそも私の戦闘スタイルに合った無系統魔法ってどんなのだろ?


「アリスの場合、透明化とかあったらもうヤバい」

「空間切断とかそういうのは完全にチート物だし…」

「空間切断と行かなくてもある一定の距離を操作するとかそういったのはどうでしょうか?」

「【切断】持ちが距離操作とか絶対ヤバい」

「離れているはずなのに首狩られそうですしねぇ…」

「まぁ普通は距離操作と【切断】を一緒に使おうとなんて考え付きませんし、割と実装されてる可能性はありますよ?」

「アリスのために探す…でもPVPイベの時に…」

「お姉様のためなら探したいですが…プレイヤーイベントの時のように敵に回られた時が…」


 二人とも凄い葛藤があるけど、さすがにそういうのは自分で探すよ?

 でも距離操作ってのは面白そうだね。

 距離操作って事は、声の届く範囲も操作できるって事だもんね。

 ある意味私と相性がいい。

 まぁそんな魔法が都合よく取れるとは思わないけどね。


「っと、北と東の戦力が戻ってくるようですね。私たちも戻るとしましょう」


 おや、ちゃんと殲滅できたっぽいね。

 よかったよかった。

 これで一日中攻められるとかだったら疲弊しきっちゃうから助かったよ。


「まぁこれでほぼ二日目が終わるとして、後は夜襲ですね」


 時刻を見れば既に夕方を過ぎており、日が沈みかけていた。


「明日で最終日だし、来るなら全戦力で来るから今日は夜襲ないと思う」

「少なくてもこれまでで20000から25000は倒しているはずですので、来るとしても多くて同数でしょう」


 うげぇ…。

 もしかしてその25000を一日で相手しきるの…?


「アリス、大丈夫。先鋒があれぐらいだから、ここから強いのと考えれば20000はいないと思う」

「それならいいけど…」

「まぁ問題は敵の中ボスとボスがどうかによる。属性特化型とか特殊型だと割と厄介」


 ボスって事はそういう場合もあるのか。

 そうなった場合は情報共有して各々優位なボスのところに行くって形になりそうだね。


「っていっても、アリスの場合森から動けないけど」

「何で!?」

「アリス、森以外の乱戦で戦える? 味方(邪魔)がいるのに」


 今ルカの副音声が変な風に聞こえた気がするけど…。

 でも確かにルカの言う通りだ。

 乱戦は乱戦でも、私が得意なのは私対多数だ。

 その逆だと味方に迷惑が掛かってしまう能力が多いから…。


「んー…どこかで平地での連携の練習しないとなぁ…」

「まぁ私もアリスたち以外と平地で連携できる気がしない」

「あたしは一応ファンたちと動きますので多少は…」

「私は…まぁ一人で戦う方が気楽ですね」

「海花、ぼっち。仲間外れ」

「ぼっちはあたし以外でしょうが!」


 トアさんはともかく、私とルカはあまり知らない人と話せないからなぁ…。

 私はまぁ接客で少しは良くなってきたと思うけど、ルカはまだ…ね…?


「では私は一足先に戻って食事の支度をしてきます。お嬢様方はゆっくりで構いませんので」


 そう言ってトアさんは一人先に拠点へと戻っていった。


「ホントトアさんって不思議よね」

「んっ、確かに」

「まぁ確かに不思議な人だけど…」

「そこはそうだけど、ちょっと違う」

「えっ?」


 違うってどういう事?


「掲示板で知ったけど、ダンジョンのボス部屋のMVP報酬とかにはスキル書みたいなのがあるらしい。まぁ確率はかなり低いけど」

「普通に考えて速度操作といったのは派生スキルとは思えませんからね。少なくてもイベントの上位報酬やそういったMVP報酬でしょうね。まぁ一概には言えませんので、本当にそうなのかはわかりませんが。ですがトアさんの戦い方からしてかなり戦闘経験のあるプレイヤーであることは間違いありません」


 となるとやっぱりトアさんは結構上位のプレイヤーって事?

 うーん…トアさんの謎がまた増えた…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ