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Nostalgia world online  作者: naginagi
第五章
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百鬼夜行⑧

 軽い食事会を終え、ショーゴたちは自分たちの持ち場へと戻っていく。

 しかし…何故ノイさんは途中からアルトさんにしがみつくようになったのだろうか…?

 それにしてもショーゴ寝ていかなくてよかったのかな?

 いくらゲーム内だからとしても、一応寝といた方がいいのにね。

 一応ベッドに誘ったんだけどすごい勢いで拒否されちゃった。

 イベント中だから元の持ち場の人たちに気を使ったのかな?


「あぁ…あの男が憎い…」

「アリスに誘われるとか…有罪(ギルティ)…」


 二人は…まぁいつも通り変な発言するのは気にしないでおこう。


「じゃあこの後どうしよっか? いつ来てもいいように交代で休む?」

「えーっと…お嬢様本気でおっしゃってますか?」

「へっ?」


 私何か変な事言った?


「先程北東の投石機部隊を潰しておいて更に敵が来ると思いますか…?」

「いや…だってイベントだからそこら辺って気にしないで来るもんじゃ…?」

「はい。普通のイベントでしたら運営がプログラムを組んでいるので決まっていると思いますが、このゲームは普通のとは違い、敵ですら考えて行動します。ですので、およそ4000の兵が壊滅した方角に誰が好き好んで再び軍を向けると思いますか?」

「あぅ…」

「ですので恐らくこの一日での私たちの仕事は北か東の遊撃部隊として動くだけかと思われます。というわけでお嬢様はしばらくお休みになってください」


 トアさんにそう言われて無理矢理ベッドに運ばれてしまった。

 でもいいのかなぁ?

 そんなうまく北東に来ないなんてあるのかなぁ?



「アリス、そろそろ森抜けて会敵。先制は私がやる」

「うん。じゃあルカの攻撃の後に突撃。その後即森に後退ね」


 今私は要請を受けて北側の敵の横っ腹を突くように動いている。


 いや、まさか本当にトアさんの予想通りになるとは思わないじゃん?

 あの後本当に北東には敵が来なくて、朝になった頃に北東を除く全方位に敵の主力の一部と思われる烏天狗の飛行部隊にオーガより大きな鬼とかが出てきた。

 まぁ東西南北がメインなのか、北西、南西、南東は数が少なめだったらしいけど…。


 とはいえ、全方位なのでどうしても手が足りないようだ。

 そこで敵の来ていない北東の私たちが遊撃隊として北と東の戦闘を早めに終わらせるためとして出ているわけだ。

 いや、私たちが出たからって何で戦闘が早めに終わる事になるかが謎だけど…。

 まぁお仕事はちゃんとしないとね。


「ミラは上の烏天狗を落として! ルカの弓に当たらないようにね!」

「はいっ!」

「レヴィ、ネウラ、フェイト! 行くよ!」


 巨大化レヴィとネウラの強襲に私が指揮官クラスを仕留めればいくらか優勢になるだろう。

 その後は森へ撤退すれば多少は釣れるだろう。

 とはいえ平地戦だから少しは被害が出ちゃうと思うけど、こっちにいるの首狩り教の半数だしスキル的に平気でしょ。


「その数で陽動など片腹痛っ!?」


 あっごめん、そんな悠長に話してる暇ないの。

 私は指揮官っぽい鬼の首を刎ねてさっさと移動する。

 何か鬼って戦国武将みたいに名乗り上げる的な事ばっかりしてるけど何でなんだろ?

 もしかして一撃でやられると思ってない感じ?

 いやまぁそれならそれで楽だからいいんだけど。


 こんな調子で何人かの指揮官クラスを仕留めたので私たちは早々に森へと撤退する。

 予定通り釣れてる釣れて…。


「ねぇ、ちょっと多くない? 釣れて100ぐらいじゃないっけ?」

「まぁあんだけおちょくってればこうなる」


 追ってきてるの大体500はいるよね?

 って、いやいや…おちょくったつもりはないんだけど…。

 まぁいいや、森だったらもっとやりやすいから。


「じゃあ皆、あとは好きに狩っていいよ」


 そう言って私は突如方向転換して追ってきた敵の方へと飛んでいく。

 さて今日は私の番だ。


「ヒャッハァァァァッ! 首よこせぇ!」

「お前隊長首だよな? 隊長首だな? 隊長首だって言えよ!」

「狩りじゃ狩りじゃぁぁ!」


 どうやら首狩り教も楽しんでるようだ。

 さてさっさと終わらせて東の方に向かってる海花とトアさんの援軍に行かなきゃ。


「…もうどっちが悪役かわからない」


 いや、毒矢で逃げようとしている敵を釣瓶打ちのように連射しまくってるルカも人の事言えないよ?



 その頃一方、東側の森では…。


「てかこっちこんな遠距離持ちばかりいてお姉様側大丈夫なのかしら?」

「まぁある程度の戦力は考えていたのではないでしょうか?」

「それにしてもトアさんのその魔法ホント面白いわねぇ。どうやって手に入れたの?」

「それは企業秘密です。メイドには秘密が付き物ですから」


 そう言いながら停止したように空中に止まっている無数のナイフが弾幕を張るように展開され、ある程度展開されると敵の集団目掛けて飛来していく。

 海花も海花で、黒花の能力で威力が上がった蒼花と一緒に遠距離で攻撃しており、敵はこちらに近付く前にナイフか氷の槍で串刺しにされ近付きたくても近付けない状況となっている。


「まぁこれぐらいで敵の威勢はかなりそぎ落としたでしょう。では皆様、あとはご存分に狩りをお楽しみください」


 トアさんと海花の露払いにより、陣形が崩れたところにファナティクス率いる首狩り教残り半数と海花の親衛隊たちが突撃する。


「さて、さっさと終わらせてお姉様のところに行きたいわね」

「まぁお嬢様の事ですから私たちが行く前に終わらせそうですが」

「…それもそうね。にしてもこの後あたしたちは北と東の警戒してなきゃいけないんでしょ? 人使い荒いわよねぇ」

「それだけ信頼されているという事です」

「お姉様の信頼度はどこまで行くことやら…」


 海花は溜め息を付きつつ、時折陣形を整えようとしている敵の集団に魔法を撃っているのであった。

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