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Nostalgia world online  作者: naginagi
第一章
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クラー湖

さて何がいるのでしょうか!

 朝早くから出て現在GT13時前後。ようやく噂の場所に着いたっぽいです。結構大きな湖で水が透き通ってます。その湖の近くに看板が立てかけてあります。えーっと何々…。


「ここはクラー湖。…ってそれだけかい!」


 何故か一人ツッコミをするはめに…。まぁせっかく湖に着いたことだし今【水泳】スキル取っちゃいましょうか。私はSPを1使い【水泳】スキルを取ります。これで泳げるようになるはず。

 っと、その前に少しここの水のサンプルでも取っておこう。えーっと空いてた瓶があったからそれに入れてっと…。

 ついでに鑑定してみました。


 クラー湖の水【消耗品】

 使用回数:1回

 とても澄んだ水。飲料水としても利用できる。


 ほほう。飲めるならば飲んでみよう。ではいざ…。


「んっ…」


 なんだか天然水みたいな感じで口当たりが良くてかなり飲みやすい…ってことは軟水に当たるのかな? あってるよね? なら野菜とかと相性がいいのかな? でもいいところが知れてよかったぁ。少しナンサおばあちゃんにも持っててあげないと。

 そう思って他の瓶に湖の水を汲んでる時に、湖の中で何かが泳いでいるのが見えました。


「ん? 何かな?」


 流石に透き通っていると言っても、湖の底まで全て見えるわけではありません。物質の境界では屈折や反射や透過率があるもので、うまく湖の中が見れない事だってあります。

 まぁとりあえず湖に顔を突っ込んでみます。


「ぶくぶく…」


 ですが湖に顔を突っ込んでも特に何か生物がいたかは見えませんでした。ところどころに蜘蛛の巣みたいな感じで糸っぽい何かが張られていたのは見えましたけど。


「気のせいだったかな?」


 ずーっと顔を湖に突っ込んでいても呼吸ができないので、一旦顔を外に出します。そういえばこっちだと水中での呼吸はどうなってるんだろ? 【水泳】スキルに影響されるのかな? それにしても…。


「湖の水冷たくて気持ち良かった…」


 顔だけであれだけ冷たくてさっぱりしたのだ。移動しっぱなしで使用した足も湖に入れたい衝動が出てくる。私は周りを見て誰もいないことを確認して、初期装備として装着されている靴を脱いで足を湖に入れた。


「くぅ~気持ちいぃ~」


 暖かくなっていた足を急に冷たい湖に入れたため、少しびくんとなるがとってもひんやりして気持ちがいい。少し落ち着いたので恒例の足をゆっくり動かしてばちゃばちゃと遊ぶ。そんなに激しくではないので水がそこらへんに飛び散ったりはせず、水面を少し揺らす程度に抑えている。あんまり激しくしたら湖の生き物も驚くもんね。それにこの湖にはイカグモっていうのもいるって話だし、過激な事はやめておこう。何が敵対行動と取られるかわからないもんね。


「ひゃっ!?」


 そんなことをのんびりと考えていると、私の足に何かぬめっとした何かが触れました。咄嗟に足を湖から出します。

 私は恐る恐る湖の中を覗きます。するとそこにいたのは…。


「…イカ?」


 そうです。イカがこちらにゆっくりと足を伸ばしていたのです。まさかこのまま湖の中に引きこまれるとかじゃ…ガクガク…。

 しかし、イカはこちらに足(?)を伸ばしたまま何もしようとしません。獲物をおびき寄せる罠かと警戒をしますが、それだったら最初の時点で足に巻き付いて引っ張ればよいだけなので、わざわざ二度に渡る必要性がいまいちわかりませんでした。

 それにおばあちゃん曰くノンアクティブということなので、信じてみるのも大事だと思います。私は恐る恐る手を水の中に入れてイカの足に触れます。

 最初に触られた時のようにぬめっとしますが、今は心構えがあるためそこまで気にはなりません。イカに触れてても巻きついたりする様子はないため、私も湖の中に入ってみようと思い一旦皮装備を全て外し、初期装備の状態になります。着水はあんまり経験がないから自信はないけど、【水泳】スキルがあるからなんとかなるはず…。

 ゆっくりと水の中に入ってみると、イカはじーっと待っていたようです。すると私の手に巻き付き軽く引っ張ります。


「(こっちに来いってことかな?)」


 私は了承の意味で頷くと、イカはゆっくりと移動し始めました。私はその後にゆっくりとついて行きます。取ったばかりの【水泳】では長い間潜っていられないので、度々息継ぎをしてイカを追いかけます。


「(さすがに湖の底は辛いんだけどなぁ…)」


 いくら今現在【水泳】スキルが育ちまくりだとしても、流石に湖の底までは息が続かないと思う。途中で何匹か更にイカが増えて私を誘導する。

 しばらくすると、蜘蛛の巣を何重にも張ったような大きな繭っぽいのが見えてきました。


「(なんだろうこれ…?)」


 巣にしてはどこにも入口っぽいのは見当たらないし…。この繭を観察しているとイカがまた私の腕に巻き付いて引っ張ります。ちょっと待ってもう一回息継ぎするから。

 息継ぎした後、イカが引っ張った方へ向かうと上部に人一人は入れるぐらいの大きめな穴が開いていました。


「(何かな?)」


 私は不用心にその穴の中を覗くと金色の瞳(. . . . )がこちらを見つめていました。


「(え?)」


 その瞬間、私はイカに手を掴まれ思いっきり引っ張られました。


「(なにっ!?)」


 私は驚きましたが、引っ張られてその穴の直線状から離れた瞬間、ぼわっと凄い圧がかかりました。


「(あうっ!?)」


 咄嗟に後ろを向くと、よくアニメやゲームで見るような水弾が地上へ向けて撃たれていました。


「(何…あれ…)」


 あの時イカさんが私の腕を引っ張ってくれなかったら…。きっと私はあの水弾にやられていただろう。それぐらい威力が高かったように見えた。その恐怖からか、つい水の中で呼吸をしようとしてしまったため、イカさんに上まで連れてってもらいました。


「ハァ…ハァ…ハァ…」


 息継ぎをして少し落ち着きを取り戻そうと、一旦湖から出て呼吸を落ち着かせます。私を上まで連れてきてくれたイカさんはじっとこちらを見ています。


「ありがと…」


 とにかく私はお礼が言いたかったので、こちらに伸ばしている足を優しく撫でます。


「私を案内したのはあれをどうにかしてほしいからかな…?」


 あの大きな繭の中にいた金色の瞳をした何かを…。

 それは私たちで対処できるものなのだろうか…。直撃していないにもかかわらず少しHPが減っていたのだ。あんなの凄い技を使うやつにまだ始めたばかりの私たちが勝てるような相手ではないだろう。

 でも一つ疑問が残る。あれをイカさんたちは封じ込めることに成功はしている。それにも関わらず、人一人が入れる分の穴を作ったままにしていることだ。

 確かに私たち異邦人に解決してほしいからあの穴を作っているということもある。だがあれは少なくとも生物だ。それを封じ込めた上であえて穴をあけている必要性があるのだろうか。餓死なり窒息させるなり方法はあると思う。

 いつからしてるかわからないけど、イカさんたちからとしてもあれはいなくなって貰ったほうが良いはずだ。それなのに未だあれはあの水弾のような技を打つ元気がある。ということは食料を与えてる、もしくは

 食事の必要のない生物ということだ。しかし…。


「どういうことなのかな…?」


 イカさんの足を擦ってみるが、当たり前だが言葉は返ってこない。あの子たちは私に何をしてほしいんだろ…。試しに聞いてみるのもいいかな?


「あの繭の中にいるやつにどこかに行ってほしいの?」


 すると一本の足を上下に揺らし始めた。


「そうだよねわからな…って、えぇ!?」


 意外に知能がいいのかな…? イカって…。


 いくつか質問してみたけど、とりあえずまとめよう。

 ①:この湖から別の場所に移ってほしい。

 ②:しかし、争いが起こるのは嫌だ。

 ③:できれば穏便に事を済ましてほしい。


 あのー…③が一番難しくないですかねぇ…。とりあえず今後の対応をどうするか検討してみると伝えて、ついでに私はそろそろ街に戻らないとやばいのです、と伝えると足を上下に揺らしたため大丈夫ということなのだろう。なるべく早く戻ってくるね。そうして私はクラー湖を出た。

ポケモンGOやばすぎませんかねぇ…。主に東京…。

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