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Nostalgia world online  作者: naginagi
第五章
263/370

楽しむ者と悲惨な者

 現実世界で十日も経つと、イベントマップもだいぶ街っぽくなってきた。

 プレハブ住宅からきちんとした家へと変化しており、難民の大半が既に住んでいるようだった。

 とはいえ、全員が全員プレハブ住宅から移れたわけではなく、子持ちやお年寄りが優先で移り住んでいるらしい。

 プレイヤーも頑張って作っているのだが、どうしても難民は増えるわけで、少し追いついていない感じだ。

 そんでもって現実世界で十日ということは、ゲーム内では約一ヶ月ということになるわけで…。


「ありがたやありがたや」

「今日も元気でいられますように」


 フェイト教の本社に分社も完成しており、既に何人もの参拝者が訪れていた。

 参拝者の数がそのままフェイトの信仰に繋がるという事で…。


「アハハハハ! 力が漲ってくるわ! そうよもっと私を信仰しなさい!」


 と、湧き上がってくる力に軽く酔ってるフェイトがいたり…。

 まさかここまで変化するとは思わないじゃん?

 それをルカに話したところ、「やっぱり一神教は強い」と言っていた。

 一応フェイト教って多神教だよね?

 確かに今までの神社とかそういうのがなくて祈る場所がないっていうの理由でここに訪れている人もいるけど…。

 それにしてもここまでマッチするとは思わないよね?

 まぁフェイトが嬉しそうだしいっか。

 あっ、一応暴走は止めとこう。


「えいっ」

「あうっ!」



 私は作った森の方へと足を運ぶ。

 首狩り教の協力もあり、ほぼ完成済みである。

 あとは街と防壁次第で増やす予定だ。

 そしてルカが既に木の上に仮拠点を作っており、そこに資材などを各自運んでいる。

 なお、海花やそのファンの人たちは私たちと違い、森での動きにそこまで慣れていないため、ファナティクスさんたち首狩り教が指導している…らしい。

 まぁなんだ。

 海花、ファイト。

 たまに悲鳴が聞こえてくるのはご愛嬌ということにしておこう。

 ファナティクスさん…戦闘時いきなりアーメンとか叫びながら迫ってくるらしいし…。

 やっぱり神父様って怖いんだね。

 ルカがぼそっと「やっぱり〇ELLSINGは偉大」って呟いてたけどどういう意味だろうか?

 っと、ルカのところに材料持って行かないと。

 私は仮拠点で作業しているルカの元へ行く。


「ルカ、材料持ってきたよ」

「ありがと」


 私はルカに指示された通り、狩って切り分けた動物の脂肪の部分をルカから渡されたケースに入れて返す。


「これ何に使うの?」

「簡単な照明。当日に木に設置して灯りにする」

「灯りなんて付けたら木の上で待機している私たちが見つからない?」

「蝋燭は灯りとしては弱い。でも灯りがあるってことは、暗視関連のスキルを使う必要はないって考えるかもしれない。そこが狙い。まぁ使っても使わなくても結果は変わらないけど。あとは敵が灯りがあるってわかれば他の灯りを使わなくなるし、その灯りの変化で部隊が消えたとかの判断を消せる、かもしれない」


 色々考えているんだね。

 確かに松明とかの揺らぎが不自然だったら何かあったのかって思うもんね。

 逆に松明とか使ってなければ悲鳴とか上げられない限り気付きようがない。

 ルカはそういうのを狙ってるのかもね。


「まぁ海花たちにも暗視関連のスキル取らせるし、問題ない。今頃首狩り教にしごかれてるしさっさとスキル上がるはず」

「あはは…」


 海花、ドンマイ。


「アリス、引き続き動物の脂肪分の確保お願い。蝋燭は作っておけば保管はできるから一杯作っておきたい」

「うん分かった」

「ルカお嬢様、綿花はこれぐらいでよろしいでしょうか?」


 するとトアさんが綿花を抱えてやってきた。


「んっ大丈夫」

「また足りない物があればおっしゃってください」

「そういえばカルディアは?」

「アレニアと一緒にぶらぶらしてる。たぶん罠張るポイント探してる」

「アレニアの糸も張るのに時間掛かるもんね」


 私の場合はその場でって感じだからそういう前準備はいらないけど。


「あとは海花たちで罠の張り方やっておきたい」

「そこはお互い交渉してやってね…?」


 海花は絶対嫌だって言うと思うけど…。


「そういえばルカってどんな罠張るの?」

「えっと…矢が飛んでくるものに、アレニアの糸を使った捕縛に、落とし穴の中に毒沼に、よくある足にロープ引っかけて上にあげるやつとか、頭の上から岩が落ちてくるやつとか」


 おぅ…なかなかエグいのが混じってる…。

 落とし穴に落ちたら毒沼とか嫌すぎる…。


「今は落とし穴に落ちると同時に上から岩落としたりとか考えてる」

「完全に潰しに掛かってる!?」

「それを海花で試したい。脱出できるかとか欠点知りたい」

「やるにしても加減はしてあげてね…?」

「…前向きに検討する」


 それって大抵検討しないやつだよね?


「それに罠を避けられないと自爆する」

「それはちゃんと罠の位置教えとけばいい話じゃ…」

「戦闘では臨機応変に動けなければいけない。つまり味方の罠に掛かる場合もある。だから避けられる練習は必要。これも愛の鞭」


 何故だろう…ただ単にルカが海花を罠に嵌めたいようにしか聞こえない…。

 てか愛の鞭というよりいじりたいだけじゃ…。


「いっその事、アレニアの糸であられもない姿に絡めとって…」

「よくわからないけど、そこら辺はちゃんとセーブしてね?」

「アリスが言うならやめる」


 仮に私が言わなかったらどうなっていたのだろう…。

 色々と怖くなってきたよ…。

完全にファナティクスが〇ンデルセン化してるのは気のせいだろうか?(白目

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― 新着の感想 ―
ファナティクスさん、アンデルセンかな?
[一言] アン○ルセン神父、カッコイイよね
[一言] ???「我らが使命は我が神に逆らう愚者を その肉の最後の一片までも絶滅すること―Amen」
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