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Nostalgia world online  作者: naginagi
第五章
257/370

類は友を呼ぶ

「ごめんね。ちょっと熱くなっちゃった」

「いえ…大丈夫です…」


少し逸り過ぎて二人を置いてきぼりにしてしまった。

でもリアたちにお友達ができるのは良い事だし、少しぐらい考えてもいいよね。


「アリスはリアたちの事になると周り見えなくなるよね」

「えっ?」

「なんでもない」


ルカがぼそっと何かを言った後そっと顔を反らす。

んー…まぁいっか。


「それよりこの後どうしよっか?」

「ちょっと私は森に行って良さそうな木伐採したい」

「じゃあルカは別行動かな?」

「んっ。でもさっきのような事もあるかもだから護衛呼んどいた」

「護衛?」


ルカが指をパチンと鳴らすと、ルカの背後に神父服を着た人が片膝をついて現れた。


「ご指示に従い推参いたしました」

「じゃ、アリスの護衛よろしく」

「お任せくださいませ、名誉顧問殿」

「じゃあアリス、またね」

「あーうん…気を付けてね…」


そう言ってルカはこの場から去って行った。

そして残された私とトアさんは立ち上がった身長180cm程はある神父服を着た男性にどう対応するか混乱していた。


「…ねぇトアさん…この人誰…?」

「えーっと…恐らくルカお嬢様を名誉顧問と言っていたので首狩り教の人ではないかと思いますが…」


情報通のトアさんでもこの人の事は知らなかったらしい。

私とトアさんがヒソヒソ話をしている最中、男性はニコニコとしたままこちらの様子を伺っている。

正直言って…怖い…。

特にあの笑顔が…。

ともかく声を掛けない事には始まらない…。

私は意を決して声を掛ける。


「あのー…貴方は…」

「おぉ…使徒様から声を掛けていただけるとは…。私、感激であります」


何で声掛けただけで涙を流すの…?


「申し遅れました。私、首狩り教の教祖を務めさせていただいております、ファナティクスと申します。この度は名誉顧問殿のお力添えにより使徒様とお引き合いさせていただける機会を頂き、このファナティクス、至上の喜びです」


……。

首狩り教は合ってたけどまさかの教祖だったー!?

ルカもぼそっとぶっ飛んだ人って言ってたけど、まさか初対面から飛ばしてくるとは…。


「べっ別に私そんな大したプレイヤーじゃないからそこまで畏まらなくても…」

「いえっ! 私共は使徒様の洗練された戦闘技術に心を奪われた者たちです! そして貴女様は崇めるべき尊いお方です! そしてこの度、我ら首狩り教を旗下に入れていただけるという大変名誉な役目を頂きました! 言うなれば我らは貴女様の僕! 我らはただ伏して使徒様の敵を打ち倒す者です!」

「あー…うん…わかった…わかりましたから…」


やばい怖い怖いこの神父様怖い…。

というか首狩り教怖い…。


「ここまでくるともはや教徒というより狂徒ですね…」


トアさん!

わかってるなら止めてよ!

しばらくすると、ファナティクスさんは落ち着きを取り戻し、一礼する。


「申し訳ありません。使徒様に会えた事の喜びで少し我を失っていたようです」

「そっそうですか…」


我を失うって何だっけ…?


「それと使徒様にもう一つ、お礼したい事があります」

「お礼?」

「はい。プレイヤーイベントの際、首狩り教の教徒たちの相手をしていただきありがとうございます。教徒たちも良い経験を得られたと歓喜しておりました」

「そっそうですか…」


そこまで大した事はやってないはずなんだけどなぁ…。


「そういえばファナティクス様」

「はい、何でしょうか」

「一つ聞きたかったのですが、首狩り教は日々のノルマとして首を狩っているという話を聞いた事がありますが、その狩ってくる首の基準はどうなっているのですか?」

「基準…ですか?」

「えぇ。モンスターのでもいいのか、それともプレイヤーしかダメなのかという事を聞かせていただきたいのですが、よろしいですか?」


トアさん…なかなか思い切った質問するね…。

というかこれはあれか、ルカは大丈夫とは言ってたけど危険な事をしていないかどうかの確認という事か。

一応使徒として崇めている私の前で嘘は付けないと考えての質問なんだろう。


「ハッハッハ。何を心配しているかはわかりませんがご安心を」


ファナティクスさんはニッコリと笑みを浮かべる。


「我らが狩ってよい首は人の迷惑となるモンスターどもと使徒様に逆らう愚者どもだけです」

「「……」」


前言撤回。

かなりやばい人たちだ…。

トアさんは私に再び耳打ちをする。


「お嬢様…やはり首狩り教は狂徒なのでは…?」


うん、気持ちはわかる。

でも基本的な部分は良い人たちだ。

うん、きっとそうだ。

すこーし思考が変なところを除けば。


「そういえば先程名誉顧問殿がおっしゃってた事を起こした愚者が見つかっていないようですね。何なら我らが捜してみせましょう」

「いっいいえ大丈夫です! そっちはリーネさんにお任せしたので!」

「畏まりました」


やばい…これ私が変な指示したらホントに実行する感じだ…。

何で私の周りってこうスイッチ入れるとやばい人ばっか集まるの…?


「お嬢様」

「トアさん…」

「類は友を呼ぶということわざをご存知ですか?」

「……」


トアさん…それはどういう意味で言ってるのかな…?

別に私って変じゃないよね!?

ねえトアさん!

何でそこで顔背けるの!

まるで私がスイッチ入るとやばい人みたいじゃん!

そんな事ないよね!

ねえってばっ!

首狩り教教祖

掲示板:冷静に文を打ち込めるため温厚(そうに見える)

実際:少し熱しやすい


おっとこのキャラのイメージcvを若〇さんにしてみると…?

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