望みは簡単には叶わない
すいません…。また短めです…。
「もうお嫁にいけない…」
「大げさよアリス~」
まだ洋服はないから着せ替えはされなかったんだけど、五人に細かいサイズなども部屋の奥で調べさせられた。まぁそこまでならなんとかなったんだ…。問題はそこからで、複数の色の布を初期装備の上から当てられてどの色がいいという議論が始まった。しかもどこからか縄まで出てきて、腕と足を拘束されて動きが取れないようにされたし…。うぅ…。
「でも悔しいですけど黒と赤が一番似合いましたね」
「そうね~、お姉さんも負けた気分だわ~」
「当然」
「まぁこれで色は決まったからあとは素材待ちかな…」
そうだよ本題はそこだよ! なんで私の服作る話でそこまで拘束されないといけないの! 大変遺憾です! 私は少し頬を膨らませてそっぽを向きます。
「アリス~そんな怒らないでってば~」
「調子乗りすぎた」
流石にやりすぎたと感じたのか、リンとルカは私に抱き着いて機嫌を直そうとしてます。そんなことしても機嫌直さないんだから…。
「アリス~どうしたら機嫌直してくれる~?」
「知らない…」
「アリス、私のこと嫌いになった?」
「そんなことはないけど…」
うっ…。ルカ、涙目はずるいってば…。
「もう…。わかった、機嫌直す」
「ありがと~アリス~」
「よかった」
こんなに簡単に許しちゃう本当に私って甘いかなぁー…。あっそうだ。
「防具作るとしたらどれぐらいになりますか?」
「んー…少し凝りたいから二日…いや…三日はほしいかな? 向こうの時間でね」
「三日かぁ…」
三日となると北の街までは行けると思うけど、二日ぐらいかかるなら一日中いれる土日じゃないと時間的に厳しいよねぇ…。ということで北の街へ行く案はなしっと。
では次の案として、ハーフェンで蚕の繭や蜘蛛の素材を集める。まぁ蚕はともかく、蜘蛛の素材は毒の意味で【調合】持ちには毒薬や解毒薬として使えるから需要はあるはず。でも三日間食べ物にならない蜘蛛を狩り続けるっていうのもなぁ…。とりあえず保留ということにしよう。
では他の案としては何があるかなぁ…。スキル育成とかかな…? いっそのことこの間にあんまり育ってないのを育てとこうかな? 【促進】や【忍び足】とか育てておこうかな? なんかその方がいい気がするし、そうしようかな。
ということで、育ってないスキルを育てることにしましょう。【促進】については、おばあちゃんに聞いて薬草を育ててる人を聞けばわかるかな? 【忍び足】は歩き方をこっそりしてれば上がると信じてる…。【童謡】については歌ってればまぁ上がるよね…? てか童謡について改めて調べてみたけど、どうやらこのスキルでは童歌も一緒に含まれているらしい。なので童謡と童歌のどちらかを歌えばいいらしい。
ということでまぁ大丈夫そうかな? スキル取り過ぎはだってねぇ…。スキルが10Lvと30LvでそれぞれSPが貰えるんだもん…。つい取りたくなっちゃう衝動に…。
でもなんでこんなにスキルが取りやすくなってるんだろう? やり直しとかがしやすいようにするためにそうやってるのかな? まぁそういうのはまた生放送があった時に質問すればいいよね。そういえば他の皆はスキルどれぐらいとってるんだろ?
「ん? スキル? 30になって派生が出てきたら使う感じで他には使ってねえ」
「私もそんな感じね~」
ふむ。やっぱりそういうのが多いのか。
「遊んでるうちに、欲しいのあったら取る」
ルカは私と一緒みたいな感じだった。と言っても、私程は取ってないようだ。てか、そもそも私が変わってるだけだよね…。
「まぁスキルについてはアリスの好きにすりゃいいと思うし、気にしないでいいんじゃね?」
ショーゴはそういうけどさ…それじゃまるで私が変わってるようじゃないか! 私は必要だと思ったスキルを取ってたらこうなっただけだもん!
「アリス、私から見ても取り過ぎ」
「うっ…」
「育てるの大変そう」
「うぅっ…」
確かに増えるとスキル育成が大変だけど…せっかくだしやりたいことをやるのもNWOの過ごし方だと思う! だからスキルを一杯取っても問題ないはず!
ということで、今日のところは解散して各自のやりたいことをやる感じとなった。分かれる前に土日には北の街には行きたいので、ショーゴやリンたちにお願いして一緒に行く約束をした。これで北への移動は大丈夫になるだろう。それとルカに【狩人】スキル教えないといけないので、この後少し狩りをして取得条件のクリアーまで行く予定です。その後はルカは繭集めに一旦ハーフェンに戻るとのことです。さっきのことですっかり私も忘れてたため、スキル育成をやめてその手伝いをしようと思ったんだけど、ルカがさっきのお詫びも兼ねて大丈夫というので渋々引き下がりました。なので私のこの後の三日間、ゲーム内で九日はスキル育成となります。さて、どこまで上げられるかな?
ルカとの【狩人】スキル取得実習は比較的に楽に終わった。と言っても、死体が残ったとしてその処理をどうすればよいかを説明するのを忘れていたため、ついでに解体場に行って解体方法の説明も行いました。
流石のルカも一瞬顔をしかめましたが、解体方法も学んで実践したので取得可能状態にはなれました。あとはルカが取るかどうかを選ぶだけなので、ルカの意志に任せます。その後ルカと別れ、スキル上げのための準備を行います。
余談なのですが、あの後リーネさんからメッセージが来て、名前を書かれたプレイヤーや銀翼の旅団の団長さんたちもあのスレについて思う所があったらしく、スレ自体の削除と今後の注意を行ったとのことだ。なのでそう言った事はもう起きないと思うという内容であった。何故そこで思うなのかというと、私の名前が出てしまった事で動向に注目するプレイヤーもいるはずなので、私の活躍次第では有名人扱いされてしまうかもしれないからであった。
私としてはひっそりと生活したいんだけどね…。
そろそろ投稿から一ヶ月に近づいてきました。これからも更新頑張りたいと思います。




