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Nostalgia world online  作者: naginagi
第五章
249/370

アリス+森=

ルカによる話し合いの結果、私の拠点(と言っていいのかわからないが…)は北東の方角となった。

何故北東なのかという事を聞いたのだが、東西南北は交通の関係上使えないので、北東、南東、南西、北西のどれかという事にはなった。

私としても方角は別に気にしないとは言っていたのもあって、鬼門の方角に配置する事となった。


「でも私がその方角でいいんですか?」

「むしろ鬼門にアリスちゃんがいてくれるだけで心強いから安心してにゃ!」


リーネさん、それは一体どういう意味なんでしょうか…。


「いやーこれで北東の戦力配置気にしないでよくなったなー」

「おかげで他の方角に余剰戦力配置できるなー」


いや、あの皆さん?

なんで私の担当する方角が突破されない事前提で話しているんですか?

念のために防衛戦力は残しましょうよ。


「北東分の材料も浮いたし東西南北辺り強化に使うとするか」

「いっその事残り三つの方角も海とか特殊な地形にしてダンとかに任せちまうのはどうだ?」

「案外ありかもな…」


星型稜堡の外側の計画がどんどん立てられている…。

てか北東全域カバーする話になっているのは気のせいだよね?

北東って言っても北北東とか東北東はまた別だよね?

私はチラっとルカを見つめる。


「大丈夫、首狩り教もいるからカバーできる」


いやいや、波状攻撃とか来たらカバーしきれないよね?


「安心してくださいお姉様!」

「海花…」

「なんならあたしたちが敵を釣ってきますので、お姉様は移動せずにあたしたちが釣った敵を狩ればいいですから!」

「違う、そうじゃない」


ダメだこの子たち…。

私への信頼感が高すぎて失敗するとかそういう事考えてない…。

ここは冷静に判断できる人に…!



「まぁアリスさんなら大丈夫かと…」

「アルトさんまでそんな事言わないでくださいっ!」

「そんな事言われても…。実際アリスさんが籠ってる森を攻略なんてほぼ不可能に近いと思いますし、更にルカさんや海花さん、それに首狩り教もいますしどう足掻いても難攻不落の要塞じゃないですか…。そこから更に戦力を集めてもはっきり言って無駄になってしまうかと…」


ダメだ…頼みの良心のアルトさんですらこの有様だ…。

皆私の事どう思ってるの!?

私+森=難攻不落ってどんな計算式!?

確かに森が得意なふうにはなっちゃったけど!

ペットも森が得意な子たちばっかりだけど!

私の味方はいないのだろうか…。

そんな事を考えている時、リーネさんに肩を軽く叩かれる。


「アリスちゃん…」

「リーネさん…」

「ここまで森に特化してしまった故の弊害にゃ…。覚悟を決めるにゃ…」

「私としては意図して特化したつもりはなかったんですけどね…」


今は懐かしき得意なフィールドを森にしてしまった過去の自分を恨みつつ、もう誰も私の味方はいないと悟り、諦めた。



とはいえ、いくら方角が決まっても作る範囲がわからなければどうしようもないため、その事を相談する。


「一先ず星型稜堡の大まかな大きさは決まってはいるんだ。だが実際作ってみない事にはわからない。だから確実に範囲に入らない辺りから手を付けてもらうとありがたい。北東全域だし作業時間は多いに越した事はないだろ?」


生産職の人はそう言って色々書き込んだ地図を私たちに渡した。

私たちはその地図を参考に、森建設予定地へと移動した。

しかし、移動した頃にはすっかり薄暗くなっており、灯りが無いと作業もなにもあったものではなかった。

だがそこはルカが用意していたランプによって解決した。

ルカは予定地の範囲を囲うようにランプを次々に置いていった。


「本当は工事用のあのポールとかが欲しかった。でもプラスチックはまだ作れてないから断念した」


確かにあれならここは工事中って一目でわかるからねぇ…。

てかルカ、プラスチックまで自作しようとしてるの?

ルカって何の生産職だっけ?


でも私だけで森作るにしても苗木足りるかなぁ…。

どこかで集めてこないと…。

って、ルカ。

私に見せてきたアイテムスロットにあるその大量の苗木は?

えっ?

こうなる事を予想して用意していた?

あぁうん、準備いいね、ルカ。

…やっぱり最初っから計ってたんだよね!?

そうやって顔反らしてもダメ!


「だって…ここでアリスが活躍すればフェイトの信仰も強くなると思って…」

「うっ…」


それを言われるとあまり強く言えなくなってしまう…。

仕方ない、今回だけだよ?


「…お姉様って変なところチョロいですよね?」

「変なところってどこ!?」


まったくっ!

そんな事言ってないで早く作業作業!

私は予定通り、外側から森を作っていく。

まず苗木を植えてっと。

そして次にスキルを使う。


「【急激成長】」


私が唱えると、MPを吸って苗木は一気に成長する。

さてこれを…。

私はルカの置いた目印のランプの薄っすらと灯る一番遠くの光を見つめる。

…これMPとかの問題じゃなくて、私の精神がおかしくなる気しかしないんだけど?

とはいえ、かなり重要な役目を負ってしまった以上、やるしかないため覚悟を決めて森作りを再開する。



「苗木植えて…【急激成長】…。苗木を植えて…【急激成長】…。苗木を植えて…【急激成長】…」


やばい…。

苗木を植えると【急激成長】がゲシュタルト崩壊起こしそう…。

しかもルカが渡した苗木って少ないMPで結構大きくなるやつで、本数の割にまだまだMPに余裕がある…。

おかしい…これいつまで続ければいいのだろうか…。


その後、反対側に着く頃には私の目は精気を失っているようだったと海花が語っていた。

そしてこの作業は一日一列という事になった。

主に私の精神面を心配して。

森を育てるとは一体…。

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