表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Nostalgia world online  作者: naginagi
第五章
218/370

プレイヤーイベントは恐怖とともに⑫

「はぁ…」

「まぁあれは仕方ねえって」

「そもそも回避以前の問題だったしな」

「よく考えれば結界の中にいるようなものだったしね~…」

「まっまぁなんだかんだでポイントは結構取ってるじゃないですか。私なんて序盤でリタイアしたから…」


 俺らは今リタイア部屋であと少し経てば終わるイベントの終了時間を待っている。

 そもそも俺らが何故リタイア部屋にいるのかは理由がある。


 アリスとの闘いの後、無事にガウルたちと合流できたまではよかった。

 その後、残り一時間を切って安全に行こうかと思った矢先、突然の津波が俺たちを襲った。

 そしてその津波に飲み込まれたやつらは流れるままある一角へと流された。

 そしたら今度はその一角に渦が発生して俺らは全員飲み込まれちまったわけだ。

 まぁ後の結末はお察しよ。

【水泳】なんてスキルは気休めにならないぐらい渦の中の流れは激しく、あっという間に水死体の出来上がりってことよ。

 けどよぉ…誰も思わねえじゃん。

 森で津波なんてよぉ…。

 十中八九レヴィの仕業なんだろうけどよ、水龍って渦作るもんだっけ?

 渦を作るとなるとリヴァイアサンとかああいった方面の水龍な気がするんだよなぁ…。

 ってことはレヴィの正体はそっち方面の水龍ってことなんだよな?

 たぶん…。


「あー! そこまで思いつかねえよ今畜生っ!」

「いきなりどうした!?」

「やっぱりストレスか!?」

「そんなにこのイベントでうっ憤が溜まったのかしら~?」

「まぁ色々ありましたからねぇ…」

「あぁすまん…つい…」


 あまりの理不尽さについ叫んでしまった。

 にしても…。


「【首狩り姫】怖い…【首狩り姫】怖い…」

「こんなの人間のやる事じゃねえよぉ!」

「こんなのってないよ…あんまりだよぉ…」


 どいつもこいつもトラウマ植え付けられてんな…。

 まぁ無理もねえか。

 しかも見た感じ第三陣と四陣ってところか。

 一応ハンデは掛かるって言ってたが、そのハンデも意味をなさなかったようだな。

 それよか深刻なのは…。


「……」


 あの隅っこで一人いじけたように負のオーラ出してるルカだよなぁ…。

 たぶんアリスにやられたのがショックだったんだろうなぁ…。

 後のフォローが大変そうだ…。



 しばらくするとイベント時間が終了し、俺らは全員転移前に集まった大きなテントの場所に転移させられた。

 周りを見るとほとんどが満身創痍な状態で、かなり疲れている様子だった。

 まぁ正直俺もかなり疲れたしな…。

 するとモニタが現れ、イベント開始時と同様にモニタにリーネの姿が映る。


『さて皆お疲れ様にゃー! イベントは楽しめたか…にゃにゃんて聞くのは野暮ってものだからやめとくにゃー!』


 っち、あの野郎逃げやがったな…。

 周りのやつもリーネを恨みの目で睨んでるしな。

 そりゃアリス相手の森の中だしな…。

 恨み言の一つや二つは言いたくなるだろうさ…。


『まぁ正直今回初めての試みってことで色々試し試しだったんだけど…正直調整ミスっちゃった感じがあるにゃ。ってことで…ごめんねにゃ。てへっ?』


 おいこら何テヘペロで済まそうとしてんだ。

 一部の参加者は怒りのあまり、リーネが映ってるモニターに近づこうとしており、周りが落ち着くように抑える。

 それでも気が収まらないのか前に進もうとすると、モニタの前にイベントフィールドから戻ってきたアリスが現れた。


「ふぅ…」

「くっ【首狩り姫】っ!?」

「んっ?」


 今戻ってきたアリスにはこの状況はわからないが、モニタに近づいていた参加者たちはアリスの登場に怯み、動きを止めてしまう。


「えっと…どうかしたの?」

「いっいや…なんでもねぇ…」

「そう…?」


 そう言うとプレイヤーたちは元の場所に戻っていった。

 アリスは何が何だかわからずモニタと参加者を交互に見る。


「えっと…何かあった?」

『なっ何もないにゃ! ねぇ皆!』

「お、おうっ!」

「そっそうねっ!」

「なっ何にもなかったよねっ!」

「んんぅ?」


 いやなんでリーネもビビってんだよ!

 まさかあそこまで行くと思わなくてって事は…ありえるか。

 にしてもアリスホント恐ろしくなったなぁ…。

 もう完全に参加者から怖がられてるじゃねえか…。


『さっさて! 今から送るメールには自分の順位とポイントが確認できるからそれを見てくれにゃ! そのポイントの順位毎にプレゼントが送られるようになってるにゃ! それとイベント中に説明したリヴァイアサンの鱗についてはイベント上位入賞者に均等に分けられるにゃ! あと加工についてはウォルターが全部引き受けてくれる手はずになってるにゃ。勿論布系装備のプレイヤー用に私も手伝うから心配はいらないにゃ!』


 ポイント順かぁ…。

 ってなると俺はアリスを攻撃できた事を考慮すると多少上の方には行けたかもしれねえなぁ。

 でも残り一時間近くをリタイア部屋にいたしちょっと微妙だなぁ…。

 っと、届いたか。

 えー何々…?



 イベント順位:11位

 報酬:リヴァイアサンの鱗*1


 取得ポイント合計1540P

 内訳

 チェックポイント:540

 30P*12 20P*6 10P*6

 ダメージポイント:1000

 ヒット20P*15 クリティカル200P*1 クリティカルアシスト100P*1 特殊クリティカル400P*1



「……」


 えっと…?

 俺…ランクインしたのか…?

 特殊クリティカルって事はアリカへのあの攻撃が評価されたって事か。

 そんであのダメージ分がクリティカルのダメージに換算されたと…?

 やっべ俺かなり運が良かったんだな…。

 って、本当にリヴァイアサンの鱗届いてるし…。

 流石にここで出すと騒がれそうだし後で確認だな…。


『さて、ちゃんと皆に送れたようだにゃ。ってことで大規模イベントは終了にゃ! 後は後夜祭を皆で楽しんでにゃ!』


 リーネの説明が終わり、モニタの画面が消えた。

 後夜祭と聞いて、先ほどまでの少し不穏な空気も和らぎ、皆テントからぞろぞろと出て行き始めた。

 そういやイベントは夜まであるとか言ってたな。

 後夜祭ってことは…何があるんだ?

 全く想像がつかねえなぁ…。

 まぁともかく。


「ホントつっかれたー…」


 俺の狂気の鬼ごっこイベントはこうして幕を閉じた。

後は後夜祭!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ