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Nostalgia world online  作者: naginagi
第五章
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プレイヤーイベントは恐怖とともに⑨

「ちっくしょ…ネウラのやつマジで容赦ねえ…」


 ネウラたちとの激戦の最中、触手による薙ぎ払いからレオーネを庇った結果、俺とシュウは遠くへ吹き飛ばされてしまった。

 幸い武器でガードしたし、着地も上手くできたからそこまでダメージはなかったが、シュウとは別の方向に飛ばされちまったからなぁ…。

 おかげで今俺は一人だ。

 奇しくも遠くに飛ばされたおかげで戦闘からは逃げられたが、他のやつはもしかしたら戦闘中かもしれない。

 なので三人にとりあえず無事だという連絡をしといた。

 シュウもどうやら俺と同じ状況になっているのか、俺が送るとすぐ返信が来たのだが、内容が泣き言になっていたが無事だということだ。

 その後ガウルとレオーネから連絡が入り、今はアルトと一緒に行動しているという。

 だが、位置がわからないため留まっていると危険になるということで動いているため、吹き飛ばされた方に戻ったとしてもうまく合流できないと思うから効果が切れたら合流しようという旨が書かれていた。


 まぁそこは戦闘の時に打ち合わせた通りだから気にしないが、如何せんこんな森の中を一人というのは正直言って怖い。

 何が怖いって奇襲仕掛けてきそうなやつが二人ほどいるからなんだよ。

 一人は気づいた頃には首切断されてるわ、もう一匹はぱっくんちょするわって何だよそのホラーは!?

 どこの突然のコマンドキー打ち込まなかったら即死のゲームだよ!


「にしても…」


 注意深く周りを見てみると、そこら辺に首無し死体があるんだよなぁ…。

 まぁ二割ぐらいが脱落してるっていうし、その半分とはいかなくても結構数はアリスにやられてるだろ。

 ホントくわばらくわばら…。

 にしてもアリスの新しいペットって吸血鬼と虫使いとはなぁ…。

 吸血鬼はともかく虫使いなんていうピンポイントなやつ当てるとはな…。

 運営のやつ…実はそうなるように誘導してるんじゃねえだろうなぁ…。


「さてと、どっち行くとするかな」


 一応吹き飛ばされた方に向かうのはやめとけって言ってたけど、今のところあいつらがいそうな場所ってのがあっち側だから…斜めに進んでいけばいいか。

 二分の一の確率だし、もしかしたら当たるだろ。


「にしても…っと、こんなところにもチェックポイントが」


 歩いている最中、たまたまチェックポイントを見つけそれにタッチする。

 外周寄りよりもポイントが少ないからたぶん現在地は内周と外周の真ん中ぐらいかな?

 森は人を惑わせるっていうし、ちゃんと真っ直ぐ歩けてればいいんだけどなぁ…。


「んにしてもそろそろ残り一時間半になるのか」


 あれからどれだけ参加者が減ったのかというお知らせは来ないし、どうやらあの時限りのお知らせって事なんだろうな。

 まぁいちいちそういう報告されてもうっとおしいけどな。

 っ…。


「……」


 気のせいかもしれないが、周りが静かになった気がする。

 ということは…。

 俺は周りを見渡すが、特に姿は見えない。

 姿を隠してるって考えると、ネウラたちは外れる。

 となるとアリスか小型化しているレヴィかミラってところだが、ミラだったらたぶん容赦なくあの雨みたいな攻撃降らして来るからたぶん違う。

 残りはアリスかレヴィか…。

 コマンドミスったら即死の二人か…。

 気は抜けねぇな…。

 でも同じ場所にいるとデバフ入るから隠れるっていうのは変なんだよなぁ…。

 まぁ一撃で相手を仕留められるから少しぐらい時間を掛けられるっていう余裕なのかもな。

 相手からしたらたまったもんじゃねえけどな…。


「っ!?」


 上の方から殺気が近づいてくるのを感じて咄嗟に俺は前に転がる。

 その数秒後、俺のいた場所に何かが落ちてきた。


「さすがショーゴ、簡単には殺らせてくれない」

「そんな殺気丸出しで降りてこらちゃな…」


 そこには顔に付いているお面を外して素顔を晒したアリスがいた。


「んー…一応このお面認識阻害に気配遮断ついてるんだけどなぁ…」

「逆に気配が無くなったから怪しいって思う事もあるんだよ」


 しかも今のは殺気もあったしな。


「へー、そういうのもあるんだ」

「んでアリス、今デザート何個だ?」

「えっと…ルカにお庭番の人だから…二個?」


 うへぇ…お庭番衆殺ったのってアリスかよ…。

 忍者を倒すってお前は軒猿か?


「でもショーゴで三個目。ってことでショーゴ、お願いがあるんだけど…?」

「…一応聞いてはやる…」

「首…ちょうだい?」

「そんな可愛く手を合わせて上目使いしてもやらねえよ!」

「っち…」


 こんにゃろ舌打ちしやがって…。


「まぁいいや、アルトさんじゃあるまいし防ぎきれないだろうもんね」

「あれはあれで別だから一緒にされても困るけどな…」


 アリスと戦うのは正直あの事件の時以来だが、あのやる気…というか殺る気から前回のように斬感剣使ってもうまくいかねえだろうな…。

 となると正攻法しかねえってことか…。

 俺は剣を抜いて構える。


「ふふふっ…これでデザート三つ目…ふふふっ…」

「まだ勝った気になるには早いぞ」

「そう言っていられるのは今のうちだよ。ルカでも私の必殺技は防げなかったもんね」


 おいおいおい…こいついつの間に必殺技なんて作りやがった…。

 あれか。

 アルトが言ってた何やら空中に打ち上げようとしてたやつか。

 こいつは要注意だな…。


「それにちょうどショーゴがエリア移動してくれたおかげで今までと違って時間を気にしなくていいもんね」

「うげぇ…マジかよ…」


 あそこで襲わなかったのはそれを狙っての事か…。

 つか最悪時間一杯使われてすぐ隣のエリアに行ってデバフ解除とかされるとかマジないわー…。

 なんなんこれ。

 やっぱ俺今日厄日なの?

本命登場!

さてそろそろ締めなければ…。

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― 新着の感想 ―
> 「首…ちょうだい?」 これぞ妖怪「首おいてけ」の正しいセリフである。まるw
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