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Nostalgia world online  作者: naginagi
第三章
147/370

エルフの里

 うーん…どうしよう…。

 知らずにエルフに出会ってしまった。

 しかも里も含めて…。

 これって情報開示していいものなの…?

 もし秘密にしてたりしたらあっちも迷惑だし、たぶん一部の層が絶対騒ぐ。


 確かに気持ちはわからなくもない。

 男性ですらすらっとした体系に美形だ。

 これが女性なら更にスタイルがいいと来る。

 まぁ元々そっち方面の人だとエルフ好きって聞くし、仕方ないところもあるのかな?

 ぶつぶつと考えていると、先ほど声を掛けてきたエルフの男性が問いかけてきた。


「君はどうしてこの里に来たんだ?」

「えっと…前回調和の森に来た時に吹っ飛ばされたので、そのリベンジに…」

「ということは、意図して里に来たわけではないと?」

「はい…」


 まぁ傍から見ると何しにきたんだって感じだよね。

 あっ、そういえば一つ確認しておきたかったことがあった。


「あのー。調和の森を抜けるためにはどうすればよかったんですか?」

「ん? わからずに抜けてきたのか?」

「前回資格の欠片はあると言われましたけど、はっきりとはわかっていないもので…」

「そういうことか。ともかく、調和の森を抜けるためには【植物魔法】の所持、もしくは大樹の眷族がいることだな。そのどちらかがないと門番として入口にいるシルフに吹き飛ばされることになる」


 大樹の眷族?

 大樹ってことは樹木系の事を指しているんだよね?

 ってことはネウラの事を言っているのかな?

 確認の意味でネウラの方を見ると、ネウラは首を傾げている。

 どうやらわかっているわけではないようだ。


「あと、以前来た時には霧で覆われていたのですけど、今回は霧が出ていなかったんですけれども、それも何か関係あるんですか?」

「霧については大樹が結界代わり展開しているが、眷族がいるとその周囲を避けるようになるらしい。まぁ私は見たことはないんだけどね」


 ということは、前回はネウラを呼び出さなかったため入れなかっただけで、今回はスキルも持っててネウラも出ていたからスムーズに行けたということか。

 まぁ【植物魔法】なんていう特殊なのはあんまり取る人いないし、ネウラみたいな樹木系統のモンスターをペットにしている人もほとんど見てないし、そういうことなのだろう。


「まぁこんな入口で話しているのも難だろう。里に入りたまえ」


 私はエルフの男性の言われるまま、エルフの里に入った。

 森の民と言われているだけあって、木造の家や木々で作られた建造物が目立つ。

 街の人も、人が珍しいのか異邦人が珍しいのかわからないが、興味津々な目でこちらを見ている。

 あんまり注目されるのは苦手なんだけどなぁ…。


 少し早歩きでその場を離れ、静かになれそうなところに移動した。

 そして少し上を見上げてみると、高層ビルかと思える大きな木が聳え立っていた。

 あまりの大きさに呆然としていると、近くにいたお年寄りのエルフが声を掛けてきた。


「おや、人が来るとは珍しいことですね。どこから来たのですか?」

「えっと…エアスト…ここから東にある街から来ました」


 街の名前を言ってもわからないかもしれないし、方角で言った方がいいよね。


「そうでしたか。この里に人が来るなんてもう久しくなかったため、大勢から注目されたんじゃないですか?」

「まぁ…そうでしたね。なので少し落ち着けそうな場所に向かっていたら、ここに着いた感じですね。それより、あの大きな木はなんですか?」


 私は大きな木を指指して尋ねる。


「あれは世界樹から分かれた種の一つが育ったものだね」

「えっと…あれと比べて世界樹はどれぐらい大きいんですか…?」

「私も見たことはないが、聞いた話によれば山よりも大きく、天まで届くと思うぐらい大きいらしい」


 ほえー。

 そんなでっかい木があるのか。

 ゲームみたいに、大きな木を中心に街を作っているとかもあるのかな?

 まぁまだオルディネ王国にしかいないから、そういった国もあると思うし、いつか行ってみたいな。


「……」

「ネウラ?」

「なんだか…なつかしいかんじがするー…」


 そういえばネウラが大樹の眷族とかどうとか言ってたし、そういうのと関係があるのかな?


「おや、大樹の眷族ですか」

「おじいさんは何か知っているんですか?」

「昔話になりますが、その子みたいなモンスターは元々世界樹が生み出した眷族とされているのですよ」


 モンスターにも誕生とか関係しているんだ。

 ってことは、レヴィにもそういう誕生の元とかがあるのかな?

 私がレヴィの顎を軽く擦ると、小さな唸り声を上げる。

 まぁ気長に探すとしよっか。


「少しゆっくりしよっか。ネウラも故郷に戻ってきたもんだもんね」

「んー…?」


 ネウラを膝に乗せて少しリラックスしながら大樹を見上げる。

 んー。

 やっぱり大きい。

 でもこれだけ大きかったら外から見えると思うんだけど、木の上にいてもこんな大樹は見えなかったしなぁ…。

 その事を聞いてみると、大樹には霧以外にも幻覚で見えないようにする力があるらしい。

 通りで見えなかったのか。


「そうそう、せっかく大樹の近くまで来たのですから一緒にお参りにいきませんか?」

「お参りですか?」

「えぇ。我々エルフは大樹と共に育ってきたと同時に、大樹に守られているのです。なので、お参りを行っているのです」

「じゃあせっかくですし、ご一緒させていただきます」


 私はおじいさんについていき、エルフたちがお参りしているという根元に来た。


「それで、お参りと言ってもどうすればいいですか?」

「そんなに難しい事ではありませんよ。この根元に触れてMPを吸わせてあげるだけでいいのです。触れたとしても急激に吸われる事でもありませんし、怖がることはないですよ」


 つまり、MPを栄養として取り込んでるっていうことなのか。

 私は言われた通りに大樹の根元に触れる。

 すると、確かにMPは緩やかに減少していった。

 おじいさんの言う通りで、ほんとにミリぐらいしか減っていないので危害を加えられるということではないようだ。

 まぁせっかくだし、少しぐらいMPを分けていってもいいだろう。

 そう思ってスキルを入れ替える。


「【成長促進】」


 私はスキルを使ってMPを多めに注ぎこむ。

 まぁそんなに影響あるとは思わないけどね。

 さて、と手を離して離れようとすると、上から光に包まれた丸い小さな球がゆっくりと落ちてきた。

 私はそれを落とさないように両の手の平で受け止める。


「これは…?」

「おや、大樹が喜んだようですね」


 どうやら、たまにお参りに行っていると、このようにアイテムを落としてくるようだ。

 私は手の平にあるアイテムを鑑定してみる。



 大樹からの贈り物【消耗品】

 大樹からの感謝の気持ち。開封することでアイテムが一つ入手できる。



 おぉ。

 こういうアイテム入手もあるのか。

 ということで早速開封っと。



 魔力の苗【消耗品】

 魔力を持った葉が付く苗。苗が育つと定期的に収穫できる。



 えっと…これは…?

 魔力を持った葉ってことは、魔法関係に使えるってことでいいんだよね?

 んと…とりあえず…。

 大樹さん、ありがとうございます!

 さて、帰ったらサイにお願いしなきゃね。

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