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Nostalgia world online  作者: naginagi
第三章
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嬉しいけど困る問題

 季節は梅雨に移り、雨でじめじめとした日が続き気持ちも重くなる人が多いと思うが、私は雨は嫌いじゃない。

 名前に雨があるからということではないが、雨が降っている様子を見たり雨に打たれて濡れていると何故か気分が落ち着くのだ。

 まぁ中学の頃に一度雨に打たれ続けて風邪を引いて寝込んだことがあったけどね。

 でも…あの時はなんでずっと雨に打たれてたんだっけ…? あんまり覚えてない…。


 現実では梅雨だが、NWOではもう夏も終わって秋に入っている。

 なので季節的にはお芋とかが美味しい季節なのだ。

 食欲の秋なんで一杯食べたいところである。


「ということで二人は何食べたい?」

「リアはご主人様が作ってくれる物なら何でも食べたいです!」

「リアが美味しく食べれるなら何でもいい」

「何でもいいが一番困るんだけどね…」


 とは言ったものの、先程収穫したリンゴを使った料理でもしようかなと思う。

 調味料はまだ自作できていないので購入しているが、いずれはどの調味料も自作できるようにしたい。

 でもそのためにはお金が何十万必要なのかなぁ…。

 少なくともそういう器具は家の借金返済してからだよね。


 ということで今日のご飯はリンゴ尽しにした。

 リンゴジュースにリンゴとその他野菜のサラダ、そして摩り下ろしたリンゴを加えた豚肉のソテーだ。

 この収穫したレイクアップルはそのまま摩り下ろしたりするだけだと甘さの方が少し強いのだが、少し熱を加えると酸味が強まり良い感じのバランスになるのだ。

 なのでジュースやサラダ、そしてそのまま食べる場合には甘くて美味しくて、アップルパイなど火を加えた料理場合には酸味も強まりいい塩梅となる。


 いやぁ良いリンゴを手に入れたと思うよホントに。

 二人も私が作った料理を美味しそうに食べてくれてる。

 もちろんレヴィやネウラたちの分も作ってあるので今は五人で食事をしている。

 すると外から声が掛かる。


「アリスー店開いてるかー?」

「今ご飯中ー」

「マジかよ…」


 そりゃあ今GT12;00を過ぎてるんだからお昼ご飯の時間だよ。

 食事は大事だよ。


「ショーゴー、あと十分位待って―」

「わかったー」


 まったくせわしないったら。

 でも露店をやめてお店にしたんだから仕方ないけどね。

 とはいえ、まだお店として完全に改造したわけではなく、家の出窓の一つを煙草屋みたいに小さな販売店のようなのに改造してもらっているだけだ。

 一応シャッターのようなものは付いてるので今は閉じてるのだが、私がついそこを開けるのを忘れてしまうのでお客はお店が開いているかどうかを確認するところから始まる。


 食事が終わったので私は販売の準備をし、リアはレッドポーションが作れるようになったのでその作製で、レヴィはリアの補助―という名の使用する水の補給係。サイとネウラは畑仕事のために外に出る。

 ちなみにお店は現在のところ現実で一日置きに開いている。


 私がログインできている時はいいんだけど、いない時はリアが常に作製している形で一日に大体百本ぐらいの生産量となっている。

 それにリアはレッドポーション作製だけではなく、家事や掃除、更には私が不在の時のお店番などもしているためあまり無茶をさせたくないということでGT17:00にはレッドポーションの作製を止めるように言っている。

 リアはもっと出来るとは言うんだけど、無理して倒れられても困るのできちんと休むようにはしてもらっている。


 これについてはサイも同様で、畑仕事を一人でしてもらっているようなものなので畑仕事が終わったら休んでもらいたいんだけど、いつ覚えたのかわからないが私が狩りに行って解体しないままハウスボックスに入れた獲物の解体や、リアの調合の手伝いもやってしまうのだ。

 しかもタチの悪い事に私がいない時だけやっていたという。

 何故この事がバレたかというと、たまたまお店に来たお客さんにサイが畑仕事だけじゃなくて他にも色々してて偉いねーっという事を聞いたからだ。

 それを聞いた私は驚いた。

 いつの間にそのようなスキルを覚えたのかという疑問よりも、畑仕事が終わったにも関わらずそれ以外でも働いていた事についてだ。

 詳しく話を聞いてみると、時間が空いた時に解体場のおじさんやナンサさんにやり方を教わっていたらしい。しかも私には内緒にするように言ってまで。


 普通のゲームだったら働いてくれてるじゃんラッキーとかになるかもしれないけど、NWOでは彼らは生きて生活しているのでそういった無理はしてほしくないのが本音だ。

 その事を話して無理はしないように言うが、二人は頑なにそれを拒んだ。

 しかもその理由が私の役に立ちたいからだというから、私もそれ以上何も言えなくなってしまった。

 なので妥協案として、契約内容の追加を司祭様にしてもらった。

 内容としては、身体に何か違和感を感じたら仕事を中断して休む。というものだ。

 これならば無理はできないので、二人も仕事に支障を出したくないため休んでくれるはずだ。


 とまぁ、このようなやり取りもあったため今では二人とも過度な仕事はしていない。

 さて、私もお仕事だ。

 閉じていたお店の窓を開いてCLOSEとなっていた立札をOPENに入れ替える。

 すると一番前に並んでいたショーゴたち五人が私に声を掛ける。


「まったく今日も客が多いなー」

「まぁ販売者が可愛いから仕方ないけどね~」

「可愛いは正義です!」

「それに回復量も多いしな」

「アリスちゃん今日も可愛いね!」

「はいはい、それで今日は一人何個? 分かってると思うけど一人十個までだからね」

「一人十個の五人分で五十個よろしくー」

「じゃあ210Gの五十個で10500Gね」

「はいよっ」


 ショーゴが代表者として10500Gを振り込み、私は値段を確認してからレッドポーションを五十個移動させる。

 移動させた後にもう一度値段と個数を確認してからOKボタンを押す。

 たまに桁を間違えてしまうお客さんもいるのでそういうのを防ぐためだ。

 とはいえそうそういないので二回チェックは一応行っているだけだが、どうしても少し時間が掛かってしまうのは承知してもらっている。


「そうそう。今度のイベントでPT組めるならまた俺らんところに来るか?」

「んー…。迷惑にならないならお願いしようかな」

「あいよ。じゃあまた告知来たらそん時に話そうぜ」

「うん、わかった」


 そう言ってショーゴたち五人は去って行った。

 そろそろイベントかーっと考えるが、まだまだお客さんはいるのでその対応を行う。

 私のお店に並ぶのはレッドポーション目当てということはわかっているが、如何せん人が多い。

 まぁ一日置き…といってもこちらでは実質五日程なので作り置きはできているため今のところ売り切れとかには陥っていないが、これがもっと増えたら売り切れる事態になるんだろうなぁ…。


 しかし人が増えればその分収益も増すので嬉しいが、レッドポーションを作製するリアへの精神的負担が増しそうなのでそこが問題だ。

 でもいざとなったら臨時休業としてお店を閉めればいいだけだもんね。

 お客さんよりサイやリアたちの方が優先だしねっ!


 まぁ接客限定だが、ある程度は人見知りも少しずつ良くなってきたと思う。

 この調子で普通に喋れたらいいんだけどなぁ…。

 っと、そういう事考える前に今日の売り上げを計算しないと。

 えーっと、大体三十人ぐらいだったから…70000G前後かな?

 これがイベント直前になるともっと増えるだろうし、レッドポーションたくさん作り置きしないと…。

10/16日曜日が例大祭なの知らなくて落ち込んでました。

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[気になる点] 誤:リンゴジュースにリンゴとその他野菜のサラダ、そして【摩り】下ろしたリンゴを加えた豚肉のソテーだ。 この収穫したレイクアップルはそのまま【摩り】下ろしたりするだけだと甘さの方が少し強…
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