第105話 トンネルの位置を図上で考える その1
この作品はカクヨムに投稿した物です。
フローラたちは地図を見ながら、トンネルを掘る場所と長さを話し合います。
ヘルマさんがアメリーの魔の手から逃げると、それと入れ替わりに女性が浴室に入ってきました。
そして、その女性は見覚えのある女性で、センテでした。
しかし、平日の昼の時間になぜセンテが居るのでしょうか。
多分ですが、アントニー様の休息日は終わったはずです。
それに、様子からセンテ一人のように見えます。
アントニー様がおりましたら、アントニー様が先に入ってくるはずですので。
「センテではありませんか」
わたしがセンテに声をかけますと
「はて、センテとは、誰ですか?きっと、人間違いですよ、アーダリ様……あっ……」
センテは誤魔化すつもりか、思わずわたくしの名を呼んでしまいます。
センテはアントニー様のお側付きの侍女ですが、ごくたまにこういう失敗があります。
「センテ、誤魔化すのが下手ですね」
わたしが笑いますと、センテの顔が珍しく赤くなります。
いつもはアントニー様の顔ですまし顔をし、お堅いセンテが失敗して、
顔が赤くなるとは、いいものが見れました。
「センテさんがこんな表情するとは、いいものが見れましたね」
アメリーもこう言いますが、エルリカさんは
「あ、あの、アーダリさんのお知合いですか?もしかして……身分の高い方ですか?」
と温泉に温まったのに、顔が青くなります。
「センテは、アントニー様のお側付きの侍女です」
わたくしはエルリカさんにこう説明します。
「王女様の侍女ってこと…って、よく見たら王女様の隣にいた方じゃないですか……」
温泉に浸かって温まったのに、エルリカさんはブルブル震えます。
「エルリカさんというのは、娼館の受付の方ですよね。
平民の方からしたら、アントニー様があの場所を訪れたら驚きますよね。
アーダリ様の悪い影響を受けてしまいましたので、苦情はアーダリ様におっしゃってください」
センテはエルリカにこう言いますが、原因を作ったのはわたくしなので何も言えません。
「わ、わかりました……しかし、その侍女の方がなぜここにいるのですか?」
エルリカさんは、わたくしが尋ねたかったことを、センテに尋ねます。
「なんていいますか……少し所用できました。
少々時間もあり……先日ここを訪れましたので……再び湯を味わいに来たいのです……」
いつもは歯切れのいいセンテですが、かなり歯切れが悪い言い方をします。
「先日訪れたと言いましたが、アントニー様が訪れたのですか?」
わたくしがセンテに尋ねますと
「はい、アイリス様も偶然お休みでしたので、アイリス様がアントニー様をご案内しました」
センテはこのように答えます。
「そうでしたか。でも、本日はなぜセンテだけなのですか?」
わたくしは先ほどの話を聞いていましたが、意地悪く尋ねます。
「こ、これはさぼりではありません。アントニー様のための所用のためです。
なので、決してさぼりではなく、少々時間があったので、寄ったまでです」
センテが慌てていますが、ここまで慌てているセンテが面白いです。
しかし、これ以上はやめておきましょう。
「そう言うことにしておきます。センテも浸かってくださいね」
「アーダリ様、ありがとうございます……」
センテはかけ湯をしますと、温泉に浸かります。
そして、ふう~と息を吐きますと、温泉に蕩けていきます。
「アーダリさん、センテさんも……身分が高い方ですか?」
エルリカさんがわたしの横に来て、こう尋ねます。
「センテは地方貴族の出身ですが、爵位は持ってないので、高いわけではありませんね。
ただ、アントニー様のお側付きなので、非常に優秀です」
わたしはエルリカさんにセンテのことを教えます。
「そ、それでも、貴族ですか。王女様の隣に居ますので、侍女と言ってもすごい方ですよね……」
エルリカさんは温泉で蕩けてる、センテを見ながらこう言います。
「侍女の中でもかなり上ですね。ただ、本来ならセンテがここに居るのはおかしいのですが」
センテはアントニー様の公務に同行することもありますが、城に居ることも多いです。
さすがに現在のアントニー様の公務は把握できません。
かといって、センテがここにいるのがおかしいことはわかります。
「そうですか。でも、センテさんも合間をぬって、温泉で癒されたいのですよ」
エルリカさんはセンテのことを擁護といいますか、同情しているのでしょうね。
センテはアントニー様に同行しない時は、独自の行動をします。
なので、きっと先日訪れた時、何かやり残したことがあったのでしょう。
「きっと、先日訪れた時、アントニー様がやり残したことや、気になることがあったのでしょう」
わたくしはエルリカさんにこう言います。
「そうなのですね。さて、わたしも少しのぼせたので、お母さんのところで少し休みます」
エルリカさんはお湯から上がり、ヘルマさんの元へ行きます。
「わたしも、少し休みます」
アメリーも、お湯から上がり、エルリカさんとヘルマさんの元へいきます。
わたくしはまだ平気ですが、センテのことが気になります。
わたくしはお湯の中をすーっと移動し、センテの横にきます。
そして、センテに先日何があったか、尋ねることにしたのでした。
お読みいただきありがとうございます。
地図上でトンネルを掘る場所を話し合っていますが、地図の精度は高いです。
あと機密なので、手であまり触れないようにしています。
それだけ、精密な地図は機密性が高いです。
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@shiizu17




