バーベキュー
ワクチンの副反応で二日ダウンしてたので、急いで書き上げました……
全員集まったところで、今日のお昼ご飯はバーベキューすると義さんから告げられた。
街の中だとバーベキューなんてなかなかする機会がなかったので、かなり楽しみだ。
お肉や野菜もかなり良い物を持って来てくれているようで、ますます期待が高まる。
せっかく海でやるので、海鮮系の具材もかなりあるようだ。
「準備手伝ってもらって悪いわね」
「食べさせてもらえるんですから当然ですよ」
逆に何もせずにバーベキューでお肉とかを貰う方が、少し罪悪感とかがあるので、手伝わせてもらった方が助かる。
義さんに手伝ってもらいつつ炭に火をつけて、温度が上がり始めると串にお肉とか野菜網の上に乗せて焼き始める。
少ししていい匂いがし始めると、少しだけ海で遊んでいた詩織と日向さんも戻ってきて、焼き終わるのが今か今かと待っている。
しっかりお肉が焼けていることを確認して、全員の紙皿に野菜とお肉を乗せたところで、手を合わせて――
「「「「「いただきます」」」」」
せっかく高いお肉なので、口に入れた後しっかりと味わって食べる。
そもそも高いものというのもあるが、網で焼いたのもあってかいつも以上に美味しく感じられる。
「どうだい?」
「すごくおいしいです」
「それは良かったよ、ちゃんと準備しておいたかいがあったね」
他のみんなも美味しそうに食べているので、ほんとにその通りだろう。
「あら、詩織はピーマン嫌いじゃなかったの?」
詩織が焼いたピーマンに塩コショウを振ってから食べていたので、美緒さんが疑問に思ったようだ。
「食べれるようになったわ」
「あら、それは誠君の料理のおかげかしらね?」
そうニコニコとしながら俺の方を向いてくる。
「詩織はもともと苦手だったというより、少し苦いという部分から食わず嫌いだっただけだったので」
「だとしても頑固なこの子の嫌いなものを克服させるなんて凄いわ」
「あはは、まあ好き嫌いが多いとどうしても栄養バランスが偏ってしまうのでなんとか……」
他にも詩織が苦手、というか食わず嫌いなものや嫌いなものも、バレないように味付けしたり、中に入れたりしていくつかは食べられるように頑張った。
ピーマンはその第一歩だったともいえるだろう。
「詩織は本当に誠君の料理好きなのね」
「うん、凄くおいしいから大好きよ」
とても嬉しそうに笑顔を浮かべながらそう言う詩織を見てしまって、ドキッとさせられる。
時々こうやって無自覚にそういうことを言うので俺的にはとても心臓に悪い。
「そんなに詩織が言うなら私も食べてみたいわね」
「え……」
「確かにそれは気になるな、私からも今度お願いしてもいいかな?」
「……機会があれば」
美緒さんだけでなく、義さんにまでそう言われてしまうと断りようがない。
俺の料理なんて、ごく一般的な家庭料理なのだが……
「あ、その時は私も呼んでね! また食べたいから」
「そういえば日向は一度遊びに行っているものね、羨ましいわ」
人に自分が作った料理を食べてもらって喜んでくれるのは好きになったが、かと言って大人の人、それも舌が肥えているというか、普段から良い物を食べている人に自分が作った料理を振舞うというのは、緊張するし、最初から期待値が高い状態なのだからなおさらだ。
その後も、みんなで雑談をしながらバーベキューをゆっくりと楽しんだ。
「食べ終わったことだし、早く海に入りに行こうよ」
日向さんが、待ちきれないと言わんばかりにうずうずとしながらそう言うので、俺もバーベキューのセットをさっさと片付け終える。
「パパとママはどうするの?」
「私たちはここで待ってるから、三人で遊んできていいわよ」
「そっか、じゃあ早く行こー」
砂浜をダッシュして波打ち際まで行く日向さんを見て元気だなあと思いつつ、せっかく海に来たのだから楽しむためにも俺もそっちまで走って行く。
「あ、でも海に入るなら準備運動はしとかないとダメだよね」
「そうですね、海の中で足をつったら大変ですから」
「ラジオ体操とかでいいのかな?」
「いいんじゃないですか?」
という訳で、海に入る前にとりあえずラジオ体操を三人でする事になった。




