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アニー・カーティス視点

エレナさん理想のヒロイン像、崩壊しまくりです。

 さて、とわたしは考える。


 もちろんこれからのことよ?


 わたし、無駄なことは嫌いな合理的な思考の性格みたい。


 さすがに三歳児の考え方とは思えないから、前世の人格ね、きっと。


 まずは考えるべきは、このゲームの世界観かしら?


 わかってるのは乙ゲーの世界ということ。


 一番情報としてあるのは、攻略対象者達。


 まあ、ヒロインであるわたしがこんなだし、攻略できなくてもバッドエンドらしいエンドもなかったから放置でいいと思うけれど。


 まあ、一応整理はしておきましょう。


 ええと、誰がいたかしら?


 確か、定番の王子様がいたわね。


 第二王子のレフィル・ディラン。


 確か、恵まれた環境にも関わらず空虚な心を抱えている王子、だったかしら?

 

 それを、ヒロインが補填する、というオチの。


 ……ないわ。


 ええ、ないわね。


 自分で自分をしっかりと保ってられないような軟弱男、用はないわ。


 じゃあ、次。


 次は、公爵家のニール・エルハラン。


 冷血冷酷冷蔵人間だったかしら?


 人間性としてはともかく、公爵家の跡取りはしては完璧な超人人間。


 ……出来る人間は嫌いじゃないけど、あまりお近づきになりたいタイプではないわね。


 確か、ゲームではその氷のような心をヒロインがとかしてあげる、というありがちなパターンだったかしら。


 ええ、ないわ。


 ゲームのヒロインならともかく、このわたしでは無理。


 無理ゲーね。


 でも敵対するとやっかいそうな相手だから、ビジネスライクで。


 よし、決定!


 ええと、あとはクラウン伯爵家のジェレミー、だったわよね。


 薄幸の美少年。


 心に傷を抱えたその心をヒロインが……。


 はい決定、上記に同じでこれもなし。


 そんな心理カウンセラーみたいな真似わたしには無理。


 どちらかというと、傷を抉りそうだわ。


 よし、お互いの為にもここは近づかないでおきましょう。


 彼には誰か心の優しい素晴らしい女性が現れるように祈ることとしましょう。


 それと、侯爵家嫡男であるラスティ・グランフォード。


 俺様傲慢男。


 はい却下。


 ゲームではヒロインが優しさというものを教えてあげる展開に。


 はい無理。


 そんな優しさわたしもってないから。


 ……こんなものかしら。


 んんん? 何か抜けてるような……。


 


 その時、コンコンと控えめなノックの音がした。


 と、同時に扉が開く。


 というかノックしたのなら、返事するまで待ちなさいよ。


 これは教育的指導が必須よね、と思いながら見ていると、そこに現れたのは髪の長さ以外はわたしと同じ顔・同じ姿をしたこの世界の双子の弟の姿だった。


「アニー? もう、ぐあいはだいじょうぶ……?」


 わたしの双子の弟、レニー・カーティスはそうおずおずと尋ねてきた。




 あ。


 忘れてた。


 もう一人の攻略対象者。


 だけど、わたしの攻略対象者ではない。


 ボーナスステージの攻略対象者。


 レニー・カーティス。


 それは、すべての攻略対象者のシナリオを終了した後に選択可能になる、エレナ・クラウン用の攻略対象者。


 隠しキャラ、レニー・カーティスはわたしの双子の弟だった。


 そして、わたしと双子の弟は二人であの学校に現れるシナリオはない。


 必ず、どちらか一人。


 なぜならば……。


 学校に上がるまでに、どちらか一人は必ず命を落とす。


 ゲームの世界が始まる前の最悪のバッドエンド。


 それを思い出したわたしは、ぷつりと意識を失いベッドへ倒れ込んだ。


 どこか遠くで、悲鳴が聞こえたような気がした。




だけどエレナさんの頭はぽややんなので、これはこれで「アリ!」と言いそうです。

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