マナーは大事なのですよ
久々レニー登場。
「ちょっと、いいかな」
そう声をかけられて、思わずわたしはかたまったのです。
声をかけてきたのはレニー・カーティス。
マイファーストフレンド・フィル様の出現ですっかり忘れていたヒロイン? な少年です。
……わたしは頭の容量が極少のようなのですよ。
だけど、思わず硬直したのは声をかけてきたのがうっかり忘れていたレニー・カーティスだったからではないのです。
ここで学校のお手洗いについてのお話しです。
お手洗い、つまりはトイレのことですが、トイレって聞いてどうイメージするですか?
わたしは学校のトイレって……ごにょごにょごにょ、なのです。
ごにょごにょごにょ、の部分はどうか察してくださいなのですよ。
だけど、この学校は違うのです!
超綺麗!
超広い!
超豪華!
しかも何気にいい匂いまでするのですよ。
床にはフカフカ絨毯敷き。
鏡は大きくて縁取りが華麗な豪奢なもの。
ドレスアップした姿で入っても余裕の広さ。
高そうな生花はいつも瑞々しいものが飾られています。
香水ですか? 御香焚いてますか? 香りはいいさじ加減でばっちりです。
基本中の基本、清掃はいつもきっちりばっちり行き届いています。
そんな学校のトイレ。
さすがお貴族様が多く在籍するだけのことはある!
わたし、このトイレなら食事や睡眠をとることだってできる、と思うのですよ。
だけど。
だけどね?
レニー・カーティス!
花も恥じらうお年頃の乙女(ん? もちろんわたしのことですよ?)がトイレから出てきた瞬間捉まえて声かけるって……!
かけるって……!
何なのですか?
いつからいたですか?
わたしがトイレ入るとこから見てて、ずっと外で待ってたですか?
乙女の、ト・イ・レ・待・ち・ですか!?
レニー・カーティスへ物申す!
一度、礼儀というものを学び直してくるがいいのですよ!
エレナさんの口からまさかのマナー発言。
地雷だった模様です。
ただ、待ってたのがジェレミー・ニールなら問題ないかと(家族認定)。
ラスティは微妙(たぶん口頭注意位)、王子なら蹴りでも入れてるところでしょう。




