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わたしの婚約者なのですよ、一応

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願い致します。

 次はラスティですね。


 うーん、ラスティの期待に満ちた眼差しが何やらやりにくさを助長するのですよ。


 ではまず定番の……。


 こほんっ。


「では次に、ラスティ・グランフォード」


 キラッ。


「グランフォード侯爵家の嫡男なのです」


 キラキラッ。


「彼のお父上とわたしのパパさんはお友達なのです」


 たぶん。


 どんなにパパさんに詰られてもどつかれても笑顔を絶やさないあの人は、よっぽどうちのパパさん好きとみたですよ。


 パパさんも本気で嫌いならどっちかってーと存在を無視するタイプだと思うので、友達で間違いない、ですよね。


 んー? 考えてみればこの関係、ジェレミーとラスティにも当てはまりますか。


 ジェレミーはあまり手や足は出しませんけどね。


「ラスティは明るくて大らかな人柄なのです」


 能天気でおおざっぱ、と言い替えもできますがな。


 ともあれ、初期設定の傲慢な赤髪の獅子は無事矯正出来たようで何よりなのです。ニールとジェレミーのおかげなのですよ。


 キラキラキラッ。


「人望もあるのです」


 いつも男どもが群がってますしな。


 いわゆる兄貴タイプですか。


 ワンワンリーダーなのですよ。


 キラキラキラキラッ。


 しかしいいかげんウザいですな、ラスティの期待の眼差し光線。


 そんなに期待されても盛るにも限度があるのですよ。それに紹介するネタももう……って、ああ、忘れてたですよ。


「あと、一応わたしの婚約者なのです」


 キラキラキラキラキラッッッ!


「あ、でも他にお相手出来たらいつでも解消可能なのですよ」


 正直、フィル様にラスティはもったいないなあと思うですが、まあ人には好みというものがあるですからね。


 もしフィル様がラスティを望まれるならわたしは全力でプッシュしますよ、大丈夫なのです。


「最初のきっかけも、婚約者という名目の教育係の依頼でしたし、ニールも婚約者がいれば虫よけになってちょうどいいと言ってたですし」


 虫よけ必要か? ってなくらい誰も寄ってはきませんがな。


「わたしにとってラスティは、ぶっちゃけ弟がもう一人出来たような感じなのです」


 ん?  


 ラスティ、何故いきなりそんな魂抜けたようになってるですか。


 さっきまでのキラキラ光線はどこにいったのです。


 ……変な奴なのですね、ふー。


「……ええ、よくわかりましたわ。エレナ、ラスティ様がかわいそうだからその辺でやめておいてあげて……」


 はて?


 よくわからんですが、じゃあ次ですか。


 ん?


 次って、王子なのですか。




次回は王子。


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