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このびっみょーな空気は何なんですかね

大変お待たせ致しました。

 何ですかねー。


 何なんですかねー。


 はい、皆さまこんにちは。


 楽しい楽しいお茶会deござーい、なのですよ。


 アニーの御挨拶から始まり、それぞれの自己紹介もすみ、和やかに朗らかに歓談中、……のはずなのです。



「それにしても、姉様は昔からいつもヒロインがヒロインがと話題にあげていたんですよ。まさか本当に実在しているとは思わなかったです(まさかどこかでお会いしてたなんてことはありませんよね?)」


「まあ、そうなんですか? でもヒロインなんてとんでもありませんわ。ロマンス小説の登場人物でもありませんのに(ちっ、さっきから探りがねちっこいわね。疑問に思うなら直球で言えっつうのよ)」


「ほ、本当に会ったことはないのか? 会ったばかりでエレナにあんなに懐かれるなんて、ずるい。俺なんか抱きついてもらったことなんかそんなにないのにっ。俺、婚約者なのに!(涙目)」


「あら、嫌ですわ。婚約者であっても女性が男性にみだりに抱きつくものではありませんでしょう。それより婚約者であるのでしたら、エレナがいつも安心していられるよう鷹揚にかまえていらっしゃるのがよろしいのでは? 女性を大きな包容力で守って差し上げるのも男性の甲斐性だと思いますが(こいつは直球過ぎるわね。ガキじゃあるまいししょうもないことでダダこねてんじゃないっての)」


「そうですね、そんな甲斐性なしに大切な姉様をあげるわけにはいかないな。姉様に相応しくあろうとするのが重荷であればいつでも放棄していいよ、ラスティ」


「誰がするか!(怒)」


「だがラスティ、カーティス嬢の言うことはもっともだ。自重するように」


「うう……、はい……(しゅん)」


「まあまあ、皆様、そんなにおっしゃられてはラスティ様がかわいそうですわ。わたくしはラスティ様とエレナはお似合いだと思いますもの」


「……フィッ…、フィ? フィッツグラッ……ト? フェルト様……!(感動)」


「あっはははは! フィフィルティール嬢の名前きちんと覚えられてないね! エレナと同じだね! あっはははははは! うん、お似合い。確かにお似合いだよ! 頭の中身がそっくりだ!」


「……殿下」


「ひっ! ニール! 冗談! 冗談だよ!?」


「それはよかった。……次はありませんが」


「……ひゃい」


「殿下、エルハラン様のおっしゃる通りですわ。あまり人をからかうものではありません」


「ふふふ、皆様、本当に仲がよろしくていらっしゃいますね(つーかこの茶番にいつまでつきあわせる気?)」



 うーん。


 楽しい歓談中、なのですよね。


 いつもの通りっていえばいつもの通りですし。


 でも何か聞こえないはずの副音声が聞こえるような気がしたり、言葉にチクチクしたもの感じたり、ニールのツンドラブリザードが吹雪いてるような気がするのは気のせいなのですかねー。


 まあ会話も弾んでるようですし。


 仲良きことは良きことかな、なのですよ。


 およ?


 お茶の飲み過ぎでもよおしたもようです。


「ちょっとお手洗い行ってくるですよー」


 と声をかけて席を立つですよ。


 何か後ろで「そんな堂々と言い放つものではありません!」「いや、姉様だから」「直球なエレナもかわいい……」なんてな声が聞こえてきますが、待ったはきかないのですよ。


 生理現象は止められないのです。


 とゆーか、結構切羽詰まってます、今。


次回はトイレへGO。とのことでお約束のキャラ登場予定。

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