表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
それでも彼女は俺のカノジョじゃないわけで。  作者: 遥風 かずら
第七章:鮫浜さんと池谷さん

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/345

89.某お嬢様の日常すぎる日常 SS⑦


 どうしてこんなにも彼のことを気にするようになったのだろう。家が隣で、出会い方が衝撃的だっただけのことなのに。


「はぁ……残念過ぎる」


「あ?」


 何に対して言われているのかなんてすぐに分かった。男の子は、無いよりはある方がいいって中学時代に言われていた。制服……特に夏服は薄い生地になるし、薄着にもなるから好きではない。そうは言っても、それはわたしのせいじゃない。


「地平線が見えた」


「バカッ! 湊のバカ野郎」


 彼はわたしの胸には触れていないと断言していた。けれど、確かに彼の手はわたしに触れていた。責任取ってもらわないと困る。見た目はまあまあ、背中は逞しい。そして卑猥過ぎる声。


「あなたの声から犯罪の臭いがするわ」


「うるせーな」


 今思えばあれは言い過ぎた。けれど、彼はわたしに暴力的な言葉や態度を見せてくることはなかった。湊は優しさで溢れている男の子。控えめで少しばかりおバカだけれど、湊にならわたしの身を委ねてもいいかもしれない。


 結婚よりも前に、わたしとお付き合いしませんか? と。 わたしをあなた……湊の彼女にして欲しい。そんな決心をして、今日は朝から腕を組もう。教室の中まででも離さずにくっついていたい。


「あなたがバイトをしている姿をじっくり見ていたいの。行ってもいい?」


「お、おぉ……いいですとも」


 何故か焦っていたけれど、わたしは彼のバイト先に行って彼と一緒に帰りながら、わたしの気持ちを伝えるんだ。


 な、何故、あゆが湊の家で待っているの? いつもはいないのに、どうして? まさかあゆも彼に本気なの? 負けたくない、負けないわ。今日はわたしにとっても大事な日。


 あゆには負けないわ。湊はわたし、わたしの彼氏にするんだもん。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ