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それでも彼女は俺のカノジョじゃないわけで。  作者: 遥風 かずら
4章:カノジョの想い

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330.さよりさんのキモチSS 3


「あゆさんと勝負するのはどうしてか、聞かせてくれないかな?」


 勢いで言ってしまったことだからそれはいいとして、湊とあゆがお店から出て行った後、浅海さんがいつになく険しい表情でわたしに迫って来た。


 わたしと付き合う……そして、湊がいる時にまるでわざと見せつけるかのように、優しく接して来た浅海さんだったのに、あゆがお店に来たからなのか表情も態度も、普段見せないモノに変わっていた。


「そ、それは……」

「俺に隠し事はやめた方が身のためだよ。そしてそれは池谷さんの為でもある……さぁ、聞かせて」


 やはり心中穏やかでは無かったのだわ。


 それもそうだわ。湊とお友達と言ってはいるけれど、婚約が決まっているはずのあゆからは見向きもされていないのですもの。


 それがわたしが態度を表明したことで、浅海さんの中で何かが起きたに違いないわ。


「池谷さん……どうなんだ? どうして今さらそんなことを――」

「そ、その……」


「あ、あの~今は営業中ですよ~? 池谷さんと八十島やそじま君の仲がいいことは知っているんですけど、出来れば奥で話し合いをしてくれません? 高洲くんもいないし……」


「ご、ごめんなさい!」

「……すみません。みうさん」


 確かにその通りで、浅海さんらしくないことを店内でしていた。


 奥に行くことは結局なくて、でも、浅海さんはわたしに意味深なことを言って来た。


「池谷さん……俺はやっぱり、本気を見せるよ。そうじゃないと、崩れそうだからね……」

「え?」

「俺自身もそうだし、湊も……そして、君もあゆさんも。湊にも本気を見せてもらいたいものだね……」

「え、ええ……そ、そうだと思いますわ」

「楽しみだね……」


 浅海さんの瞳の奥は笑っていなかった。

 この人は湊にあゆを奪われた。でもそれは湊だから許していたのではなくて?


 そこにどうしてわたしの態度変化が関係しているというの?


 湊、湊の中には誰がいるの――?


 誰とならあなたは本気になれるというの?

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