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それでも彼女は俺のカノジョじゃないわけで。  作者: 遥風 かずら
第八章:ダークネス エンジェル

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109/345

109.とある闇天使さんの日常 SS∎


「海野ほたるは元の高校へ戻してあげた?」


「はい。しかし、浮間うきまは放置でよろしいのですか? 監視対象ですが、湊には良くないことを起こしそうですが……」


「あの男はまだ使い道がある。学園の中ではどのみち下手なことをさせるつもりなんてない。彼を……湊くんを好きにしていいのは私だけだよ。浅海でもない……それなのに、どうしてあんなことを?」


「……好きだから、かな。あゆさんにも言いましたけど、俺は彼が好きなんですよ。叶うなら今すぐ池谷と引き剝がして、以前のような関係に戻りたい」


「……そう、じゃあ池谷と決着けりをつける?」


「いや、湊を悲しませることはしない。彼女のことは、彼女を許そうとしない母親の口から伝わるだろうね。今頃湊は、池谷さんと好きを共有してる頃かもだけど、あゆさんは平気なの?」


 湊くんはさよりが好き。だけど完全じゃない。それはバストサイズであったり、母親譲りのしつけの押し付けだったりする。彼はいつもネクタイを緩めて、ワイシャツのボタンもキッチリ留めることが無い。


 それなのに、さよりは何の権利か知らないけど、彼を締め付けようとする。そんなことを今からしていては、嫌になるのは目に見えている。私はそんな彼をいつも助ける存在。さよりに締め付けられたワイシャツの苦しさから解放してあげているのも私。だから自然と彼は私の元へ歩み寄ってくる。


「ふふ……浅海はまだまだ彼のことを分かってない。私が今まで手に入れて来なかったものが無いのは知っているはず。だから、湊くんも必ず手に入れて見せる……それに、彼は私を探し始めた」


「湊はモノじゃない。けど、湊なら……あゆさんのことも救ってくれるかもしれないな」


 何を言うかと思えば、浅海もすっかり湊くんを好きになってしまったらしい。でも、渡さない。高洲湊くんの生きる時間……見る世界……話す時間……食べる、動く……そして、好きという気持ちは、全て……私のモノ。


 鮫浜あゆ ショートストーリー 完




鮫浜あゆ ショートストーリーの完結です。引き続き本編でお楽しみください。

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