表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/25

第15話 [人助け]

「七美くん、また明日」

「うん、白銀さんもまた明日〜!」


 授業も全て終わったので僕は家に帰ることにした。

 華が「付いてきてほしいところあるから早く帰ってきてね!」って言われたから、寄り道せずに帰ることにした。


「——れか……誰か助けて……!」


 すぐ近くで誰かが助けを求める声が聞こえてきて、僕は反射的にその方へ向かっていた。

 声のしたところへ着くと、二人の大人の男性が、パーカーを着て、フードを被っている女の子の腕を掴んでいた。


 僕は急いで間に入って助けようとした。


「あ、あの! 嫌がっているからやめたほうがいいと思います!!」


 打たれるか文句を言われると思い覚悟していると……。


「お、君も可愛いね〜。どお? 俺たちと一緒にお出かけとかしない?」

「うぉっ! めちゃくちゃ美少女じゃねぇか! これは逃しちゃあいけないなぁ……」

「「あばばばばばは……!!」」


 助けに入ったつもりだけど、僕まで襲われそうになっている……!?

 どどどどうしよう……!!


 僕と見知らぬ女性は抱き合って怯えていた。

 すると見知った顔が颯爽と駆けつけ、僕に触ろうとしていた男の人の手をバシッと叩いた。


「私のなーくんに……何手を出そうとしてるんですか……!」

「吹雪!!」


 なんと吹雪が駆けつけてきてくれたのだ!


「あ? なんだこいつ」

「いや、よく見ろ。コイツもめちゃくちゃ美人じゃねぇか」

「本当だな……。ここいらの地域は美人と美少女しかいねぇんじゃねぇのか?」


 ゲラゲラと二人は笑っていたが、吹雪が凍てつくような視線で睨みながらこう言った。


「うるさいわよ……さっさと何処かへ行ってもらえるかしら。不愉快」

「「ひっ……」」


 二人は吹雪に怖気付いたのか、身を縮こませていた。


「て、撤退するぞ!」

「お、おう!!」


 ダダダーっと、脱兎のごとく逃げ出した。


 よかった……吹雪がいなかったらどうなっていたことか……。


「吹雪、助けてくれてありがとう! 僕すごく怖くって……。本当にありがとっ!!」

「はぅっ! こ、これくらい全然問題ないわ。いつでも呼んでね……って鼻血が、じゃ、じゃあね!! 何かあったらすぐ連絡してねぇぇ……」


 雪は走り去ってしまった。


 ……ん? 地面に赤い液体がある。

 もしかしてさっき襲われてた人が怪我したのかもしれない!


「あ、あの大丈夫ですか!? 怪我とか色々……」

「あ、うん……。大丈夫なのだ。助けてくれたありがとなのだ……」


 僕と同じぐらいの身長で、顔が全く見えていないけれど、なんだか素敵なオーラを纏っているように感じる……。

 それで男の人に言い寄られていたのかもしれない。


「ってそうだ! 僕このあと予定があるんだった! バイバイ、誰か人を呼んだほうがいいと思いよ!」

「あ、ちょっと、お礼を……。行っちゃったのだ……」


 フードの女の子はポケットからスマホを取り出し、誰かを呼び出していた。


「もしもしマネージャー? 頼みたいことがあるのだ」

『いや〜、今一番有名のアイドルに頼み事されるなんて嬉しいっすね〜』

「茶化さないでほしいのだ」

『はいはい、それで頼みとは?』

「探してほしい人がいるのだ……』


 そう、なんと七美が助けたのは今一番人気のアイドルである“春海優花”だったのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ